訳書情報 「さらば、神よ」

さらば、神よ 科学こそが道を作る作者:リチャード ドーキンス発売日: 2020/07/16メディア: Kindle版 以前私が書評したリチャード・ドーキンスの「Outgrowing God」が「さらば,神よ」という邦題で邦訳出版された.この「outgrow」というのは「(子どもがおも…

スティーヴン・ピンカーに対する除名請願運動とその顛末

7月の上旬にアメリカ言語学会(LSA)に対して「ピンカーの言動はLSAの代表にふさわしくなく,LSAの目的からいって受け入れられないものであり,『アカデミックフェロー』や『メディアエキスパート』の地位からの除名を求める」という請願が行われるという騒…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その13

ピンカーの合理性講義.全24回が終了したが,講義中にあまり質疑応答の時間を取れなかったということで,第25回には質疑だけに特化した補講が用意されている.題して「何でも聞いて」.講義前の音楽はムーディ・ブルースの「Question」 harvard.hosted.panop…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その12

ピンカーの合理性講義.第23回は効果的利他主義,第24回はこのコース全体の締めくくりの最終講義で,合理性で人生や世界をよくすることはできるのかというテーマが扱われている. harvard.hosted.panopto.com 第23回 効果的利他主義 ピンカーの合理性講義.…

書評 「モノ申す人類学」

モノ申す人類学作者:長谷川 眞理子発売日: 2020/02/28メディア: Kindle版 本書は長谷川眞理子による毎日新聞の「時代の嵐」コラムをまとめたエッセイ集になる.ある程度トピックごとに章をたててまとめ,一部書き足りなかったところについての補足も収められ…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その11

ピンカーの合理性講義.第21回は応用編で医療,第22回はピンカーによる講義で道徳を扱う.この道徳の講義は次回の効果的利他主義についてゲストレクチャーの前振りを兼ねている. harvard.hosted.panopto.com 第21回 「医療」 ゲストレクチャラーはアトゥー…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その10

ピンカーの合理性講義.第19回と第20回は応用編.それぞれ政府の情報公開と非暴力政治運動を扱う. 第19回「情報と規制」 harvard.hosted.panopto.com ゲストレクチャラーは法学者のキャス・サンスティーン.サンスティーンはセイラーと「ナッジ(邦題:実践…

スティーヴン・スターンズの「老化の進化」

スティーヴン・スターンズが老化の進化に関する講義をオンラインで公開している. [Stephen Stearns] The Evolution of Aging, the Great Transition, and the Increasing Risk of Chroni... スターンズは生活史などの進化生態を扱う進化生物学者で,ごく初…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その9

harvard.hosted.panopto.com ピンカーの合理性講義.第17回は応用編でマイケル・ルイスがマネーボールなどの著書の話をする.第18回は当初の予定を変更し,ピンカーによる「合理性を用いて新型コロナウイルスにいかに対処するか」という緊急講義になる. 第1…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その8

ピンカーの合理性講義.第15回は気候変動問題,第16回は犯罪がテーマの応用編だ. harvard.hosted.panopto.com 第15回 「気候変動」 第15回は特定イッシュー「気候変動問題」を扱う.ゲストレクチャラーはソロモン・ゴールドスタイン=ローズ.26歳の気候変…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その7

harvard.hosted.panopto.com 合理性講義,一旦応用編に入っていたが,第13回はヒトの非合理性が社会的動機,特に部族主義的動機からも来ているという記述モデル的なピンカーによる講義が1回挟まる形になっている.第14回は応用編に戻り,双曲割引問題を扱う…

書評 「花と昆虫のしたたかで素敵な関係」

花と昆虫のしたたかで素敵な関係 受粉にまつわる生態学作者:博, 石井発売日: 2020/03/11メディア: 単行本 本書は生態学者石井博による送粉生態学の解説書である.まえがきでこの本の性格について説明がある.それによると花や送粉者について書かれたこれまで…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その6

harvard.hosted.panopto.com 合理性の規範モデルと記述モデルの話は一旦終了し,ここから応用編ということになる.応用編では様々なゲストレクチャーが予定されている.第11回のゲストはフランスの認知科学者ユーゴ・メルシエ ,第12回は心理学者でボストン…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その5

ピンカーの講義,合理性の規範モデルの話が終わり,ここからは合理性の記述モデル「ヒトの思考は合理性に関してはどのようなものか」に入る.第9回,第10回はトヴェルスキーとカーネマン(以降TKと略す)によって指摘されたヒューリスティックスとバイアスが…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その4

ピンカーの講義,第7回は相関と因果,第8回は合理的選択理論とゲーム理論を扱う. 第7回 相関と因果 harvard.hosted.panopto.com 講義前の音楽はビートルズの「Because」 (左からのボールが右のボールに当たってはじき飛ばす映像を提示して)ヒトの心はここ…

よさこい生態学セミナー202005

yosakoiseminar.blogspot.com 高知大学の鈴木紀之さんが企画する「よさこい生態学セミナー」が今回オンライン公開されたので,参加させていただいた. 配偶ペアの成虫が互いの翅を食い合うという面白い現象がテーマ.なかなか1つの講演のために高知まで行く…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その3

ピンカーの講義,第5回はベイズ推論,第6回は統計的意思決定(その中でネイマン-ピアソン型の統計検定を取り上げている)を扱う. 第5回 「ベイズ推論(Bayesian reasoning)」 harvard.hosted.panopto.com ベイズ推論とは何か,なぜ難しいのか,なぜ重要か…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その2

スティーヴン・ピンカーの合理性講義.イントロダクションが終わって第3回からは合理性の記述モデルになる. 第3回「論理と論理的思考」 harvard.hosted.panopto.com ここから6回にわたって合理性の規範的な記述が扱われる.今回は「演繹的推論」.講義開始…

ピンカーのハーバード講義「合理性」 その1

harvard.hosted.panopto.com スティーヴン・ピンカーが2019年の冬から2020年の春にかけてハーバードの学生相手に行った「合理性」についての講義が公開されている.ハーバードでの呼び方は「GENED 1066: Rationality」ということで,GENEDはおそらく一般教養…

書評 「生命の<系統樹>はからみあう」

生命の〈系統樹〉はからみあう: ゲノムに刻まれたまったく新しい進化史作者:クォメン,デイヴィッド発売日: 2020/02/29メディア: 単行本 本書は「ドードーの歌」で有名なサイエンスライター,デイヴィッド・クォメンによる分子系統,3ドメイン(アーキアの発…

Language, Cognition, and Human Nature その92

第8論文 「なぜ氏か育ちかという問題は消え去ったりしないのか」 その7 Language, Cognition, and Human Nature: Selected Articles (English Edition)作者:Pinker, Steven発売日: 2013/09/27メディア: Kindle版 Why Nature and Nurture Won’t Go Away Daeda…

書評 「ダイナソー・ブルース」

ダイナソー・ブルース: 恐竜絶滅の謎と科学者たちの戦い作者:尾上 哲治発売日: 2020/02/21メディア: 単行本 恐竜がなぜ絶滅したのかというのは1970年代までは全くの謎とされ,様々な説が提唱されてカオスのようだった.そこに1980年彗星のように現れたのがノ…

Language, Cognition, and Human Nature その91

第8論文 「なぜ氏か育ちかという問題は消え去ったりしないのか」 その6 Language, Cognition, and Human Nature: Selected Articles (English Edition)作者:Pinker, Steven発売日: 2013/09/27メディア: Kindle版 Why Nature and Nurture Won’t Go Away Daeda…

Language, Cognition, and Human Nature その90

第8論文 「なぜ氏か育ちかという問題は消え去ったりしないのか」 その5 Language, Cognition, and Human Nature: Selected Articles (English Edition)作者:Pinker, Steven発売日: 2013/09/27メディア: Kindle版 Why Nature and Nurture Won’t Go Away Daeda…

書評 「Virtue Signaling」

Virtue Signaling: Essays on Darwinian Politics & Free Speech (English Edition)作者:Miller, Geoffrey発売日: 2019/09/18メディア: Kindle版 本書は「The Mating Mind(邦題:恋人選びの心)」「Spent(邦題:消費資本主義!)」「Mate」などの著書を出…

Language, Cognition, and Human Nature その89

第8論文 「なぜ氏か育ちかという問題は消え去ったりしないのか」 その4 Language, Cognition, and Human Nature: Selected Articles (English Edition)作者:Pinker, Steven発売日: 2013/09/27メディア: Kindle版 Why Nature and Nurture Won’t Go Away Daeda…

Language, Cognition, and Human Nature その88

第8論文 「なぜ氏か育ちかという問題は消え去ったりしないのか」 その3 Language, Cognition, and Human Nature: Selected Articles (English Edition)作者:Pinker, Steven発売日: 2013/09/27メディア: Kindle版 Why Nature and Nurture Won’t Go Away Daeda…

書評 「進化政治学と国際政治理論」

進化政治学と国際政治理論 人間の心と戦争をめぐる新たな分析アプローチ作者:伊藤 隆太発売日: 2020/02/22メディア: 単行本 本書は若手政治学者伊藤隆太による進化政治学の概説とそれを応用したいくつかのケースステディを収めた本になる.進化政治学という…

Language, Cognition, and Human Nature その88

第8論文 「なぜ氏か育ちかという問題は決して消え去ったりしないのか」 その2 Language, Cognition, and Human Nature: Selected Articles (English Edition)作者:Pinker, Steven発売日: 2013/09/27メディア: Kindle版 Why Nature and Nurture Won’t Go Away…

Language, Cognition, and Human Nature その87

第8論文 「なぜ氏か育ちかという問題は決して消え去ったりしないのか」 その1 Language, Cognition, and Human Nature: Selected Articles (English Edition)作者:Pinker, Steven発売日: 2013/09/27メディア: Kindle版 Why Nature and Nurture Won’t Go Away…