EVOLINGUISTICS 2018「言語とコミュニケーションの進化」参加日誌 その3


EVOLINGUISTICS 2018.8月4日も都合がついたので駒場へ.会場は8/3会場の隣の21KOMACEE West.この日は多くの発達心理,認知科学周りの講演が組まれている.




8月4日 意図共有とコミュニケーション 東京大学駒場キャンパス 21KOMACEE West



本日のセッションについては小林春美より露払い.猛暑を受けて少しプログラムを短縮し,10時-18時の予定を10時-16時半とすることにしたとのこと.

  • 今日のセッションは「Evolinguistics 2017-2021」の中の認知発達チームの発表が中心になる.このチームは特に明示的(ostensive)コミュニケーションの発達について調べている.ostensiveとはアイコンタクト,指さし,話しかけなど相手の注意を引くことを指す.そしてこれがトマセロ教授が重要視している意図共有,協力的コミュニケーションの基礎になっているのではないかと考えている.

ヒトのコミュニケーションにおける心を読むこと/推測すること(Reading mind / assuming mind in human communication) 橋弥和秀

  • 20世紀の進化理論は社会的相互作用やヒトの心を扱えるようになった.
  • これは最近の映画のポスターだが(猿の惑星新世紀ライジングの日本語版のポスター,チンパンジーのリーターであるシーザーの悩む顔が大きくアップしてそこに「心も,進化した.」というキャプションが振られている),これにたいしては「Yes」と大きく答えたい.
  • 問題なのはヒトの心.ヒトは他者とつながっているように見える.そしてどのようにそれが進化したのかというところ.ヒトは社会的動物としてグループ内で競争するとともに協力もする.だからこれは単一のメカニズムとは限らない.
  • グループ内競争では「自他を分かつシステム」が重要になる.これマキアベリアン知性とも関連する.相手をだまして操作する.そのために相手を読む.古典的「セルフ」と整合的.
  • グループ内協力では「自他を混ぜるシステム」が重要になる,自分と他人を同じと感じる.これは共感システムとも関連する.
  • このデュアルシステムが社会生活に適応して進化したのだろう.
  • 心の理論はプレマックが最初に提唱した.それは彼の「ギャバガイ」という本で語られている.相手の心を読むには何らかの手がかりが必要になる.

ギャバガイ!: 「動物のことば」の先にあるもの

ギャバガイ!: 「動物のことば」の先にあるもの

  • 「目」はこのゲイトシグナルの候補だ.そして目は見るだけではなく見られるものでもある.そして見られるのは「視線」だ.これは目からでるビームのような線ではない.ではどのような手がかりなのか.
  • ここに白目と黒目の割合やコントラストを社会環境との関係で調べたリサーチがある.白目と黒目のコントラストで表されるシグナルは社会環境への適応として進化したと考えられる.ではどのような社会要因か.社会要因へのアプローチにはダンバー数で使ったようなグループ規模との相関を調べるという方法がある.
  • 30種のヒトを含む霊長類でこれらの関係を調べると,(視線の方向を示す)白目と黒目の割合,コントラストは,どちらもグループサイズと相関していた.
  • ではそれはなぜだろう.
  • 競争的状況からは,マキアベリアンアイ,直視のシグナルバリューが強調される.
  • 絆を作る状況に置いては,ダンバーはゴシップを強調したが,それはアイコンタクトでもできるかもしれない.
  • トマセロは協力アイ仮説を提唱した.実験によると相手の顔の向きと視線が食い違う状況で,ゴリラやチンパンジーは顔の向きにより注意を払うが,ヒトは視線方向に注意を払う.この視線追従によりヒトはより容易に協力することができる.
  • 我々はさらに別の側面を考察したい.それは相手の視線を受けることについてだ.子供はよく「見て見て」といいながら親の注意を引こうとする.このときに親の視線を受けると喜び,それを受けられないと満足しない.(具体的に調べた実験の結果の説明)ヒトには自分に視線が集まるのを好む性質があるのだ.
  • 直視,視線は様々な有用性を持つ.そして子供の発達フェーズにおいては見られることも重要になる.
  • 子供は,相手にとって新奇なものについて相手の心の中を推論し,それを自発的に教える(それを示す巧妙な実験が紹介される).そしてその他者の知識についての自発的関心は1歳半ぐらいから生じる(それを示す巧妙な実験が紹介される).
  • これは自と他をイコライズする傾向ということができる.これまで調べてきたのは自分と相手という2項関係だった.今後はこれが3項関係でどうなるかを調べていきたい.
質疑応答

Q:幼児を調査に使う場合に家庭でのみ養育されているか保育所に入っているかで区別しているか.対人経験がずいぶん異なるだろう.

A:重要なご指摘と思うが,現時点ではできていない.

トマセロ:保育所でも4ヶ月以降にならないと対人のインタラクションはあまり生じないことが知られている.それを越えると確かに問題になりうる.重要な論点だが,これまであまり調べられていない.



幼児の発達過程については余りよく知らなかったので,いろいろ参考になった.視線を相手に知らせるというシグナルは,競争的関係より協力的関係の方が進化しやすいだろう.だまそうとするシグナルは(相手側にそれを信用する別のより大きなメリットがない限り)すぐに信用されなくなるはずだ.逆に共通のメリットがあれば容易に進化するだろう.そういう意味で相利状況が重要だろう.

コミュニケーションシグナルへの感受性についての発達可塑性(Developmental plasticity of the sensitivity to communicative signals) 千住淳

  • 子供特に自閉症児の社会認知研究のチャンレンジは自然な場面で観察されている行動差異や個性が実験室環境では発現しないことがしばしばあるということだ.
  • それは社会環境が流動的で変化が激しいということが関係している.古典的なテストは遅く,明確に区切られ,反復的なものを測ろうとする.調べる必要があるのはもっと自発的なものだ.視線やアイコンタクトもそうだ.
  • アイコンタクトはヒトの大きな特徴だ.(ヒトが無意識下でも顔とアイコンタクトの画像を検索していることを示す巧妙な実験をいくつか紹介*1
  • 本日はアイコンタクトについて(1)発達の日英クロス文化スタディ(2)視覚障害者両親の健常児のケーススタディ(3)コミュニケーションシグナルの報酬価値の3つのトピックについて話をしたい,


<日英比較>

  • 生後の経験がコミュニケーションシグナルの発達にどう影響を与えるかという問題は,動物ではいろいろなコントロール実験(生後すぐからアイマスクで視界を奪うなど)が可能だが,ヒトには倫理的な問題があって難しい.しかし文化比較ならある程度コントロールされた環境差を想定できる.
  • ここで英国と日本ではコミュニケーションシグナルとして目と口の重要性に違いがあることが知られている(日本は目が中心,英国では目と口が同じ程度に重視される).これがアイコンタクトの発達にどう影響するかを調べた.
  • いろいろな顔画像を見せてどこの注目するかをアイトラッキング技術を使って追跡する.この結果,大人では英国人の方がより口に注目するが,日本人はより目に(さらに水平方向にやや広く)注目する.日本人の方がより視線の動きに反応する.子供(1歳から8歳)では英国人の方がより口に,日本人の方がより目に注目する(ただし視線方向については差がない).またこれは健常児と自閉症児で差がなかった.
  • 文化差がかなり早くから生じることが示された.(大人と子供の差についてはなぜそうなのかはまだよくわかっていない)


<視覚障害者両親の子(健常児)>

  • この場合両親はアイコンタクトや視線を示さないのでインタラクションは通常の親の場合とかなり違う.しかし先行研究ではこのような子供でもコミュニケーションの能力は正常に発達することが示されている.
  • 視覚障害両親と子,コントロールの健常親子14組(この月例は6ヶ月から12ヶ月)を用い,顔と風船のどちらを見るか,顔のどこを見るか,相手の視線を追従するか,インタラクションの観察,認知社会性の測定を行った.
  • 結果:視覚障害者の子は少しより口に注目する.視線には同じように追従するが,そこを見続ける時間は少し短くなる.認知や社会性には問題なし.インタラクションは少しレスポンディングになる.自閉症児の場合も同じ結論になった.
  • 子供の反応は少しコントロールと異なる.つまり発達には可塑性があり個別の社会環境に適応的になっていると考えられる.


<報酬価値>

  • コミュニケーションシグナルへの注目は自発的なのか報酬ドリブンなのか.笑顔などのシグナルとそうでない中立的なシグナルのどちらをより注視するかを測定し,見続けると報酬が得られる(子供の好きなアニメ画面が提示される)条件とそうでない条件を比較した.
  • 結果は3歳児も大人もより社会的に意味のあるシグナルをより注視する.また報酬のある方をより長く注視する傾向がある.これは自閉症でも同じだった.
  • この獲得については単純な関連性マップではなく,報酬がある生物学的関連性マップを用いるのだろう.


<結論>

  • 視線への反応には発達可塑性がある.コミュニケーションシグナルは報酬学習により生物学的に関連性を持つものが学習されている可能性がある.これらは自閉症児でも同じように機能しているのだろう.
  • 将来の課題としては,社会的報酬とは何か,示達的中目の最低正,自閉症児とは何が異なるのかを考えている.
質疑応答

Q:視覚障害者の子の場合,手の動きについては調べたのか

A:これはとても重要だと思っている.実はこれについて調べ始めたところ

意図共有の方法としての指さしの使用と理解(Use and comprehension of pointing as a means of intention sharing) 小林春美

  • ヒトはostensiveなコミュニケーションを行う.これは自分のコミュニケーションの意思を明示するもので,意図の推論を可能にし,意図共有を可能にする.
  • ここで特に指さしに注目したい.それは指さしが,明示的で,推論的で,視線注目と同時期に発達し,子供が会話能力より前に獲得するものだからだ.
  • 明示性:人差し指は細く伸びていて視覚に訴える.指し示すものが明確.動作が時間的なシリーズになっている.
  • 推論的:指さしの本質についてビーム仮説と注意獲得仮説があった.現在ビーム仮説は疑わしいとされ,注意を獲得し,(指し示している対象との関連性から)差し手の意図を推測させるものだという理解が主流になっている.
  • 視線注目との発達の同時性:視線を用いる方法より指さしの方が強く意図を示すことができる.
  • 言語発達前の獲得:情報をシェアする意図がある場合が多い.これは相手の大人がそれを理解してくれることを期待している.そして言語の重要な前駆体ではないかと考えられる.
  • ここで面白いのは大人はまれにしか指さししないことだ.ただし実際に指さしする時には同じ役割を果たしている.そして言語で同じことをかなりできるということがある.そしてそれでも指さしが自然な場合がある.それは素早く簡単に行える.
  • 今日は「直接指さし」(対象にタッチして示すもの,7cm以内での近距離ものものここに含める)について話したい.これに対する「間接指さし」はこれまで数多くリサーチされているが,直接指さしはあまり調べられていない.
  • 2歳児に新しいものの名前を教えるには直接指さしが有効だという先行研究がある.自分が指す場合どうするかを調べると,2歳児,4歳児とも,もの全体を示すより部分を示すときによりタッチを使う傾向があったが,それでもタッチする確率は2歳児ではチャンスレベルより低く,4歳児でもチャンスレベルにすぎない.
  • またものの部分を示すときには大人のサーキュラータッチ(さわりながら指をぐるぐる回す)が有効であることがわかった.
  • ものの部分を示すときにはタッチが有効で,さらに動きがあるとより有効になる.幼児はこの指の動きを「なぜこの人は指を動かすのか」と考え,その関連性を理解するのだ.
  • では子供はタッチによるパーツの指し示しを自分で使うか.実験によると4歳児では区別しないで使うが,6歳児ではもの全体では間接指さし,もののパーツではタッチと使い分ける傾向を見せる.
質疑応答

トマセロ:サーキュラーな動きは部分を示す関連性サインというより,この指示が特別だという意味をタグしているのではないか.ある意味言語のマーキングの前駆体のようなものではないか.いずれにしても大変面白い.


子供による会話コミュニケーションにおける高次意図の理解(Children's understanding of higher-order intentions in verbal communication) 松井智子

  • 今日は語用論の発達について話したい.
  • 子供の発達過程を見ると1歳から3歳にかけて明示的な意思表示,視線注目,指さし,指し示す意図などが発達し,それからやや遅れいて7歳から9歳にかけて相手のだましの意図を理解するようになる.しかし皮肉が理解できるようになるのは9歳を越えてからになる.
  • 心の理論の発達は,1〜3歳で黙示的な心の理論,5歳前後に1次の心の理論,7歳以降に2次の心の理論になる.7歳になると2次の心の理論が発達して騙しの意図が理解できるようになるが,それだけでは皮肉は理解できないのだ.7歳児は皮肉を嘘(話し手は聞き手がそれを信じると考えている)と解釈する.
  • なぜか.語用論的アプローチをとると,これは7歳児がrelevance(関連性)の判断について未熟だからということになる.相手の発話の解釈には,認識論的な真偽判断に加えて,その関連性の理解が必要なのだ.
  • その関連性判断手がかりの1つがプロソディになる.(話の内容を異なるプロソディで発話してもらって子どもがどう解釈するかを調べた実験結果が解説される)7〜9歳児では偽の情報が関連性を持つことがあることをうまく理解できない.話の内容が矛盾しているとそこに注目が集まり,プロソディ(皮肉のトーン)から注意がそれてしまう.(顔の表情と声のトーンの組み合わせて提示し,9歳児に話し手の感情を尋ねる実験結果が紹介される)これに対して大人はプロソディだけでなくいろいろな手がかり(表情,姿勢,ジェスチャー,語彙内容)を使うのでより皮肉を理解しやすくなっているのだ.
質疑応答

Q:ジョークについてはどうか

A:ジョークで笑うのは実は早い段階で見られる.2〜3歳でも冗談に対して笑う.文脈が単純で,楽しいということもあるのだろう.


意図共有と早期の言語獲得(Shared intentionality and early language acquisition) マイケル・トマセロ

  • 今日は言語獲得についての話をしたい.言語は獲得される必要がある.
  • これについては,伝統的なアソシエーション理論と1990年代に提唱され始めた社会語用論理論が対立している.
  • アソシエーション理論はとっくに死んだと思っている人もいるかもしれないが,まだしぶとく残っている.これは古典的な刺激に対する反応で言語が獲得できるというもので,リンダ・スミスは言語は単純な連想学習で完全に説明できると(今でも)強く主張している.
  • アソシエーション理論の問題はレファレンスが決定不能だということだ.そして言語の様々なものが決定不能なのだ
  • まず伝統的社会での観察によると,通常何かを指さしながら言葉を教えるということは行われていない.指さしで子どもに言葉を教え込もうとするのは特定社会,特定文化に限られるのだ.
  • そしてギャバガイ問題がある.あるものを指さして「ギャバガイ」といっても,それが何を指しているのかは多義的だ.それはオブジェクトなのか,コンセプトなのか,全体なのか一部なのか,何かの側面を指しているのか
  • これに対して社会誤用理論は,それの使われ方に注目する.言葉は他者のメンタルステートに影響を与える道具なのだ.だから子どもはいかに言葉を「使うか」を学ぶのだ.それは社会関係の中で注意を共有することであり,意図の共有が重要であり,その際の制約は共通の背景ということになる.
  • 例えば道具の1つとして「はさみ」を考えてみよう.ものを切る機能と「はさみ」が連想されることは重要ではない.他者がどうはさみを使うのかを見て同じことをしようとすることが重要になる.
  • 単語獲得に戻ると英語の冠詞「a」「the」を一体どのように連想学習するというのだろうか.他者が共有背景の中で冠詞を使うのを聞いて,同じように使うことによって獲得するのだ.
  • 社会語用論理論には4つの証拠がある.
  • (1)まず最初の単語を覚える時期がある.なぜ12ヶ月頃に単語獲得が始まるのか.かつてポール・ブルームは「誰も知らない」と書いたが,私は「I know」と強く主張したい.それは12ヶ月頃に注意の共有,他人の意図の推測,コミュニケーション意図の表出(指さしなど)が同時に始まるからだ.これらが出そろって単語獲得が可能になるからと説明できる.
  • (2)実験結果:幼児が単語を覚える際にアソシエーション理論が正しいなら,単語を聞いてそのときにその対象物を幼児が見ていればいいはずだ.しかし実験を行うと,例えば教示者がその対象物を見ているかどうかが単語獲得に影響する.また教示者が幼児に対して「〇〇はどこかな」といったあとに箱を次々に開けていき,ある箱で驚いてみせるという実験を行うと幼児はその単語を学習する.これもアソシエーション理論では説明不可能だ.(このほかエレガントな実験が3つほど紹介される)要するに単語習得には注意の共有,話者の意図の推測,コミュニケーションの意図がとても重要なのだ.これは(オープニングレクチャーで話した)指さしの状況とよく似ている.そしてアソシエーション理論では説明不可能だ.
  • (3)別のタイプの単語:冠詞以外にもアソシエーションで獲得するのが難しいと思える単語群がたくさんある.同じ要素を持つ動詞群(Have, Give, Keep, Use, Share:どれも所有物の異動にかかわる)(Want, Like, ・・)接続詞,挨拶,名詞(Dog, Animal, Pet・・・),そして代名詞(He, She, it, I, You・・・)だ.代名詞を一体どうやってアソシエーションで獲得できるだろうか.
  • (4)慣習化,正規化:4歳児にtreeともbushとも取れるおもちゃを与え,おとながそれをtreeと呼んで一緒に遊ぶと,その大人との関係ではそのおもちゃをtreeという名前で扱う(その大人が次にbushと呼んでも「これはtreeでしょ」と否定する).しかし別の大人がbushと呼ぶとそれは受け入れる.慣習化には可変的に対応でき,それに従っていないと思われる人に無理強いしない.


<結論>

  • 言葉は慣習的だ(そしてノーマライズされる)).そして指さしのように働くようになる.言葉は他者の心に影響を与える道具なのだ.
  • そのためには注意の共有,意図の読み(関連性の理解)が必要になる.
  • 意味は使用のパターンでノーマライズされる.

質疑応答

Q:(単語獲得には)オーバーヒアリングが重要だという主張についてはどうか

A:それが注意の共有なしでも可能だという主張なら受け入れられない.注意の共有がないと,いくらオーバーヒアしてもそれがあるオブジェクトのどのような側面についての言葉か特定できないはずだ.


Q:コロケーションについても注意の共有と関連性で可能なのか

A:話の中では社会的文脈を強調したが,実際には文法的文脈もある.そういう形で獲得可能だ.


Q:盲目の子でも言語獲得できるのはどのように説明するのか

A:確かに盲目の子どもも(ごくわずかに遅れるが)問題なく言語獲得できることがわかっている.そしてこの問題はあまりリサーチされていない.おそらくタッチなどを使って同じ機能に利用できているのだろう.ただ彼等は例えば色の名前も獲得する.一体どうやってそれができるのかはわかっていない.


Q:共通の背景を作ること事態は生得的か

A:そうだ.子どもはコラボレートするのが好きで,情報シェアを望む.「見て見て」と相手の注意を引こうとする.何かを一緒にするというのがまずある.そういうことに生得的に報酬を感じるのだ.


大変楽しい講演だった.子どもが登場する実験の動画は心を和ませる.そして確かに子どもは意図共有に指さしを使っている.なかなか説得的だ.

*1:左右の目に異なる画像を見せてどちらが優先するかを利用するもの,画像の消し込みタスクに微妙な遅延が生じるかどうかを見るものなど.いかにも認知科学的で楽しい.