読書中 「Narrow Roads of Geneland Vol.3」第14章

Narrow Roads of Gene Land: The Collected Papers of W.D. Hamilton: Last Words (Narrow Roads of Geneland: The Collected Papers of W.D. Hamil)

Narrow Roads of Gene Land: The Collected Papers of W.D. Hamilton: Last Words (Narrow Roads of Geneland: The Collected Papers of W.D. Hamil)


Bill Hamilton's Involvement with OPV Theory; Medical Science's most Hated Hypothesis

第14章はハミルトン博士の命を奪ったアフリカでの調査旅行の目的であるAIDSの原因がアフリカでのポリオワクチン製造にかかる医療過誤だという説(OPV説)について
まずこれにかかる「River」という本を出版しているEdward Hooper氏のエッセー

衝撃的なハミルトン博士の死からしばらくは名前を口にしただけでも泣いてしまったとという導入から博士の思い出が語られる.そして博士とともに探索したOPV説とその進展について,さらにハミルトン博士との調査旅行,そしてその死が語られる.
Hooper氏によると公的な学会ではハミルトン博士の死後OPV説は誤りであったということになっているが,これは博士の死を奇貨とした,製薬業界から息のかかった学者たちによる強引なもみ消しであり(それがこのエッセーの副題の由来),近時の証拠からますますOPV説は信憑性を増しているのだという.

博士の死を悼み,そして無念さが伝わってくるいいエッセーである.しかし本当に薬品業界によるもみ消しなのか?結構すごい問題提起なのかもしれません.