- 作者: ランディ・ソーンヒル,クレイグ・パーマー,望月弘子
- 出版社/メーカー: 青灯社
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
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5年ほど前に欧米で出版されフェミニストから総スカンを浴びた有名な本が今回翻訳されて書店に並んでいる.
よくある社会生物学論争の典型のような誤解の上の批判や,まさに自然主義的誤謬による批判が多かったと伝わってきているが,フェミニズム陣営では見方はまた異なるのだろう.
(進化心理学的立場からみると)「レイプについて真実を研究すること」と「レイプを行うことの是非を主張すること」はまったく異なることだと思うのだが,21世紀になってもヒトの心理学的な性向を生物学的に考えることへの嫌悪は残っているのだろう.プラグマティックに考えても,戦争を防ぐには戦争のことをよく知らなければならないように,レイプという忌まわしい犯罪を少しでも減らすためにはレイプが何であるのかを具体的にデータに基づいて知る必要があると思う.日本のフェミニストの方々には是非本書をきちんと読んでから反論批判を行っていただければと切に願う次第である.
出版当時に原書を読んだ私の所感ではこれは真摯に書かれたほんとうにまじめな進化心理学書である.
今回はあくまで原書の書評として掲載したい.