
The Greatest Show on Earth: The Evidence for Evolution
- 作者: Richard Dawkins
- 出版社/メーカー: Free Press
- 発売日: 2009/09/22
- メディア: ハードカバー
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1ヶ月ほど前に出たドーキンスの最新刊をこれから読んでみよう.
ドーキンスはこれまで様々な進化についての本を書いているが,本書は「進化が事実であることについての証拠」にかかる本だ.序言ではこれまでの本の位置づけと本書の位置づけが説明されている.
まず「利己的な遺伝子」と「延長された表現型」は自然淘汰についての新しい視点についての本だ.ハミルトン革命の結果の遺伝子視点からの生物進化の理解についての解説書ということになる.
次の3冊「盲目の時計職人」「遺伝子の川」「不可能の山に登る」は進化の理解についてのバリアを払う本だと説明されている.一般の人が進化を考えるときに陥りやすい罠,例えば「半分の機能しかない眼や翼にどんな意味があったのか」「突然変異は有害なことが多いのになぜ進化が可能なのか」などの疑問に答える本だということだ.
最大の本「祖先の物語」は生命の歴史を逆回しにたどった本だ.
するとこれら6冊の本は進化があったということは当然の前提として書かれているわけで,進化が本当にあったのかどうかについてはまだドーキンスは扱っていないことになる.
そして様々な創造論者の進化バッシングの高まりとともに,ダーウィン生誕200周年の今年,進化の証拠をきちんと扱った本を出したいと考えたと説明されている.また同じような趣旨で今年ジェリー・コインも同じ題材で本「Why Evolution is True」を出したことも紹介されている.
序言の最後では本書の題名について説明がある.
私のエージェント,ブロックマンが最初に提案したこの本の題は「Only a Theory」というものだった.しかしケネス・ミラーが同じ題を使っていることがわかり,他の題をさがしているときに「Evoluton, The Greatest Show on Earth, the Only Game in Town」というTシャツが眼に入った.これは私がよく講演の際に着ていたものだ.少し縮めて本書の題とした.「Only a Theory」は創造論者の引用マイニングに備えて「?」を付け加えて第1章の題とした.
よくニュアンスはわからないが,サーカスが街にやってきたときの宣伝文句のような題名なのだろう.ともかくも史上最大のショウの始まりということだ.
関連書籍
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この本だけは邦訳が出ていない.イラストも充実していてなかなか面白い本だ.

- 作者: Richard Dawkins
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紹介されている同趣旨のWhy Evolution is True

- 作者: Jerry A. Coyne
- 出版社/メーカー: Oxford University Press
- 発売日: 2009/01/22
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ケネス・ミラーのこの本はより創造論者との論争ベースになっていて,IDへの批判反論が主体のようだ.

Only a Theory: Evolution and the Battle for America's Soul
- 作者: Kenneth R. Miller
- 出版社/メーカー: Penguin Books
- 発売日: 2009/05/26
- メディア: ペーパーバック
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