Virtue Signaling その33


 

第7エッセイ 言論の自由に関する文化的多様性の擁護 その6

 
ミラーの外国人学生の苦難の描写は続く
  

カルチャーギャップ(承前)

  

  • メディアの問題を考えてみよう.外国からの学生たちは,現代のアメリカの大学生活について,外国で視聴した映画やテレビ番組で得たわずかな知識をもとに誤った印象を持っているだろう.ハリウッド映画にアメリカ人学生の政治的性的な感受性についての描写があることは稀だ.人気のあるマーベルやDCのスーパーヒーローものは人種や性的ミスコンダクトや政治的分極などのイデオロジカルな問題の扱いを避けている.人気のあるテレビ番組は刑事物やアクションスリラーやファンタジーになる.現在アメリカに留学しようとしている世代にとって人気のあるアメリカの映画やテレビ番組にはアメリカの大学を舞台にしたシリアスものはないのだ.
  • わずかにそのような描写がある映画としては「アニマルハウス」「ナーズの復讐」「グッドウィルハンティング/旅立ち」「ソーシャルネットワーク」などがあるが,これらは快活で大胆である意味オフェンシブな学生と尊大で抑圧的な大学管理者のコンフリクトを描いていることが多い.そして快活な学生がスピーチコードの境界を越え,運営側の検閲を貶めることにより勝利する筋書きになっている.
  • しかし現代のアメリカの大学において.政治的中道派,保守派,リバタリアン,そして外国人学生に対して抑圧的で検閲的なスピーチコードを強いてくるのは社会正義戦士である学生たちだ.
  • 外国人学生が状況を理解する可能性があるとすれば,それはジョーダン・ピーターソン,クリスティーナ・ソマーズ,ジョナサン・ハイト,アリス・ドレガーたちによる投稿動画を見るときぐらいだろう.

 
要するに現在のアメリカのキャンパスが描かれる映画のストーリーは現実とは異なっていて1種のファンタジーになっているということだろう.というわけでこれからアメリカに留学するなら(あるいは現在留学中ならなおさら)まずピーターソン,ソマーズ,ハイト,ドレガー達の動画が必見ということになるのかもしれない.
 
www.youtube.com
www.youtube.com
www.youtube.com
www.youtube.com

 

  • さらに,文化的多様性とニューロ多様性がオーバーラップすることがあることを考えてみよう.STEM部門の外国人学生たちはより自閉症スペクトラムの特徴を持ち,システム志向であるだろう.すると彼等はアスピー,外国文化,外国語という三重のハンディキャップを負うことになる.
  • しかし彼等の問題は無視される.なぜなら彼等は(アメリカ人学生のように)組織化されたり不平を言ったり抗議したりしないからだ.彼等には甘やかし文化がないのだ.彼等はアカデミアにリスペクトを払うようなより権威主義的文化に属していることが多いだろう.抗議して,事態を改善できることには思いもよらないだろう.
  • アメリカ人学生が図書館で騒がしい抗議行動をしているとき,彼等は単に勉強し,トラブルに巻き込まれたときの移民ステータスのことを心配している.そして苦労して彼等を送り出してくれた両親や親族のことを思えばリスク回避的になるのは当然だ.

 
このあたりは日本の理系留学生にはまさに全部当てはまるケースが多そうだ.彼等はどのように困難と格闘しているのだろうか.