訳書情報 「傷つきやすいアメリカの大学生たち」

 
以前私が書評した「The Coddling of the American Mind」が「傷つきやすいアメリカの大学生たち:大学と若者をダメにする「善意」と「誤った信念」の正体」という邦題で邦訳出版された.邦訳書は昨年の11月に出版されており,私は見逃していたのだが,コメント欄でUZさんに教えていただいたものだ.
本書は法学者のルキアノフと社会心理学者のハイトが2018年に出したもので,アメリカの大学に吹き荒れるキャンセルカルチャーとアイデンティティポリティクスの問題点,その原因,対策について語った本だ.最近はキャンセルカルチャーの問題点を指摘する本も増えてきたが,本書はその嚆矢となった本ということができるだろう.著者たちは基本的にはリベラル支持の立場から本書を執筆しており,本書はこの現象について,そのイデオロギー的暗黒面をあまり強調せず,「大学生の安全」を過度に追求した結果としてマイルドに捉えているところが特徴になるだろう.
 
 
原書  
原書についての私の書評
shorebird.hatenablog.com

 
 
キャンセルカルチャー関連
 
典型的な実例としてのスティーヴン・ピンカーへの糾弾事件についての私の記事
shorebird.hatenablog.com

 
進化心理学者サードによるすがすがしいまでのキャンセルカルチャー徹底批判の本.

 
 
私の書評
shorebird.hatenablog.com

 
新「知の欺瞞」事件の首謀者である数学者のリンゼイと政治ライターのプラックローズが書いたキャンセルカルチャー糾弾の書

 

同邦訳.

 

英国人ジャーナリストマレーによる糾弾書

 
 
同邦訳