ピンカーのハーバード講義「合理性」 その9

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ピンカーの合理性講義.第17回は応用編でマイケル・ルイスがマネーボールなどの著書の話をする.第18回は当初の予定を変更し,ピンカーによる「合理性を用いて新型コロナウイルスにいかに対処するか」という緊急講義になる.

第17回「スポーツ,金融,政府」

 
ゲストレクチャラーはベストセラーノンフィクション作家のマイケル・ルイス.ルイスの本は私も何冊も読んでおり,大変楽しみな講義だ. 冒頭でピンカーからは,バイアスを自覚して様々なツールを使って意思決定することがゼロサムゲームのような世界で有利になるのかがテーマだと説明がある.そのあとマイケル・ルイスをその8冊の著書とともに紹介.

今回のテーマに関連する著作としては金融市場を描いた「ライアーズ・ポーカー」,メジャーリーグにおけるセイバーメトリクスの興隆を描いた「マネー・ボール」,そしてTKを描いた「かくて行動経済学は生まれり(原題:The Undoing Project)」になる. なお「かくて行動経済学は生まれり」の私の書評はhttps://shorebird.hatenablog.com/entry/20170806/1501980839
 

Liar's Poker: From the author of the Big Short

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マネー・ボール〔完全版〕

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Moneyball: The Art of Winning an Unfair Game (English Edition)

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ルイスの講義はくだけた講演風のもの.いろいろ裏話もあって面白い.講義前の音楽はキング・カーチスの「Take Me Out to the Ballgame」
 

マイケル・ルイスの講義
  • 私は最初ウォールストリートのインベストメントバンクに就職した.そこではトレーダー達がカスタマーの非合理性を利用して利益を上げていた.それは経済学の教える合理的経済人とは異なる話だった.その後作家になりカリフォルニアのオークランドに移り住むことになった.
  • オークランドに移った2000年頃はメジャーリーグの選手サラリーが急騰している時期だった.A’s(オークランド・アスレチックス)では右翼手のサラリーがたった15万ドルなのに左翼手は600万ドルもらっていた.きっと選手間にはいろいろな不満があるだろう,面白い物語が書けるかもしれないと思って取材を始めた
  • いろいろ選手にインタビューしたが,予想に反して選手達はとにかくオファーをもらってプレイすることしか考えていないようだった.では球団はどのように配分を決めているのだろうか.当時のA’sはヤンキースの1/5の予算でそこそこいい勝率を上げていた.そこでGMのビリー・ビーンに取材を申し込んだ.
  • ビリーに会って1日話しこんだ.すぐにそこにビッグストーリーがあるのがわかった.私はビリーに「一体どのように選手間の配分を決めているのか」と尋ねたら,ビリーは「それはこれまでどんなジャーナリストにも聞かれたことはないが,私がGMとして朝から晩まで一日中考えていることだ」と答えた. そしてどうやっているかをいろいろ話してくれた.
  • それまでどこの球団も100年間同じことをやっていたが,ビリーはやり方を変えたのだ.取材をしている中で選手のシャワールームを見たが,あまり体型の良くない選手が多かった.(ビリーのアシスタントの)デポスタにそれを言うとそれこそがポイントだと教えてくれた.つまり「アスリート体型の選手は市場でオーバーバリューになっている.だから(アンダーバリューの)そうでない選手を集めた方が(コストパフォーマンス的に)有利だ」というのだ.ヒトの心の非合理を巧く利用していたということになる.それを私は「マネー・ボール」に書いた.
  • しばらくして「マネー・ボール」についてのセイラーとサンスティーンの書評がでた.そこには「ルイスは知らないようだが,これはまさにトヴェルスキーとカーネマンが発見していたことのケーススタディだ」とあった.
  • 私は恥ずかしながら彼等の名前すら知らなかった.そして早速調べてみて彼等の議論を知ると,マネーボールで描いたことはまさに彼等の言う通りだった.ヴィヴィッドに印象に残る選手はオーバーバリューされる.利用可能バイアスだ.既に流布している「打率」などの数値が過剰に重大視される.セーブポイントが作られると早速それが評価の基準になる.アンカリングだ.ビリーは2線級の投手をクローザーにしてセーブを稼がせてトレード市場に出すということを繰り返した.
  • 私はTKに興味を持った.ここで偶然の幸運が2つあった.知り合いの心理学者にこの話をしたら,カーネマンなら知っているしすぐそこにオフィスがあるよ,会いに行ったらといわれた.また,トヴェルスキーの息子とも知り合いになり,伝記を書くことになったのだ.そしてわたしは「The Undoing Project」を書くことができたのだ.

 

ピンカーとの対談

 

  • ピンカー:取材してこの2人の印象はどうだったか
  • ルイス:ダニー(カーネマン)の超パワーはその疑う能力だ.自分がファストアンドスローを書いているときにすらその価値について疑い続けていた.エイモス(トヴェルスキー)はとにかく頭が切れた.ニスベットは,「エイモスに会って彼が自分より頭が良いと気づくまでの時間の短さ」をIQの指標にできると言った.また行動も合理的で,パーティに出かけてもつまらないと思えば10分で退席し,映画もつまらないと思えば5分で退場した.サンクコストをカウントしないということなのだろう.

 

  • ピンカー:私のダニーの印象はセンシティブで批判に傷つきやすい人というものだ.エイモスはとにかく楽しい人だった.ところで,マネーボールの出版から17年経つが,メジャーリーグの球団は皆取り入れたのだろうか,それはそのような戦略の有利性をキャンセルしたのだろうか.また野球はつまらなくなったのか面白くなったのか.
  • ルイス:マネー・ボールがメジャーリーグを席捲したのは確かだ.しかしこれは私が書かなくてもそうなっただろう.ボストンレッドソックスを買収したヘンリーは既にビリーのやり方の効率性に気づいていてそれを取り入れようとしていた.私との取材の時には,「これを本にしないで欲しい,(A’sから引き抜きたいので)ビリーを紹介して欲しい」と言っていたほどだ.そしてその後ほぼすべての球団がビリーのやり方を取り入れた.
  • しかし「マネー・ボール」の現場の評判は散々だった.球団のマネジメントやスカウト達は「そんなくだらないことを読む必要はない」と広言していた.それは彼等の職を脅かしたからだ.これはフラッシュ・ボーイズの時にも同じようなことがあった.しかし本はよく売れ,それを読んだ金持ち達は知り合いの球団オーナーに「君はもしかしたら金を無駄にしているかもしれないよ」と本を読むことを推薦した.そして(本を読んだ)オーナー達は素速く動いた.メッツやカージナルズは(抵抗する)マネジメントを総入れ替えした.これは非効率が顕わになったとたんに市場は効率的に反応したということだと思う.
  • では今どうなったか.マネー・ボールのやり方が行き渡ったために野球市場の非効率を見つけるのは格段に難しくなった.選手の価値評価についてはコンセンサスが得られつつある.ビル・ジェイムズはテレビで統計数字が延々と表示されるのについて野球が少しつまらなくなったと評した.たしかにヴィヴィッドさが評価されないから少しはそうなったかもしれない.しかしこのような批判は野球だけのようだ.バスケットではスリーポイントの価値が明らかになりゲームは面白くなっている.
  • TKの仕事はアーティファクトだとかちょっと面白いが役に立たないとか批判された,しかしA’sの快進撃を説明できたのだ.

 

  • ピンカー:金融市場ではどうなのか.行動経済学を理解したトレーダーは有利になるのか
  • ルイス:それはスポーツとは少し異なっている.ヘッジファンドがビリーと同じことはできないだろう.市場は非効率がわかるとすぐにそれをなくしてしまう.私がウォールストリートにいたときにオプションやデリバティブ取引が始まった.ごく初期にはトレーダー達もバイアスを持っていたが,あっという間にそれは気づかれて効率的になった.

 
(ここから学生の質問)

  • 最初の学生:これから野球はどうなっていくのだろうか
  • ルイス:スポーツはどんどんサイエンティフィックになっている.1つにはテクノロジーも進展しているからだ.最近の動きにはコーチングの革新がある.ピッチャーの腕の動きの速さと球速を見ると動きに無駄があるかどうかがわかる.そういう非効率性をより見つけられるようになるのだ.アストロズは技術系の球団職員を大幅に増やしている.古いファンには面白くなくなるという議論はある.それはMLBがNFLやNBAと違って過去からの連結を大事にしているというところがあるからだ.感情的な部分だ.コミッショナーやGM達もわかっている.しかし片方で統計的な視点で楽しむファンもいる.私はビリーに新しい長打率やOPSなどの数字を球場に表示して,ファンに解説すれば良いじゃないかといったが,このような啓蒙はまだなされていない.
  • 2番目の学生:新型コロナで大規模な財政支出がなされるが,インフレリスクについてどう思うか
  • ルイス:それは経済学者の間で議論になっている.私はそこについてコミットできるわけではないが,1つ気になっていることはある.それはトランプ大統領が政府債務の信頼を崩すのではないかという心配だ.彼は個人的に何度もデフォルトを起こしているし,アメリカ国債について,中国が持っている分は我々から盗んだものだという言い方をする.これはリアルにリスクだ.

 

  • 3番目の学生:個人としてバイアスを自覚してできることはあるか.先ほどのエイモスの話を聞いてオバマ大統領が食事の時に何を食べるかなどの意思決定をしないようにしていると聞いたことがあることを思いだした.
  • ルイス:私は個人的にオバマ大統領を取材したことがある.そのときに「あと30分であなたが死に,次の大統領が私だとしたら30分で何を引き継ぐか」と聞いたことがある.彼が最初に言ったのは「意思決定はすればするほど疲労して質が落ちる.できるだけつまらない意思決定は避けるように」ということだった.それは実際にそうなのかもしれない.

 

  • ピンカー:このハーバードの学生のある程度の割合はウォールストリートに進むだろう.何かアドバイスはあるか.
  • ルイス:ウォールストリートでは大金を稼ぐことができる.私はウォールストリートで成功した人をたくさんみてきた. そしてわかったことがある.「その大金は自分の才能が稼いだもので,自分が自分のために使ってよいのだ」と考える人達は,結局大金を持っていてもあまり幸せにはなれないようだ.そうではなく「自分は大金を稼いだが,自分の才能はそれを世の中のために使うところにこそある」と考えてそれを実行する人は皆幸せに見える.そのように心がけることをお勧めする.

 
 
やはりマネー・ボールの話は面白い.日本のプロ野球でも随分セイバーメトリクスは知られるようになったが,あまり長打率やOPSが表示されたり報道されることはない.個人的にはこのあたりを含めていろいろ変えていった方が面白いと思うのだが.
 
メジャーリーグのマネー・ボールの先についての本ではこれが面白かった.私の書評はhttps://shorebird.hatenablog.com/entry/20160414/1460587238


行動経済学的な分析としてはこの本が面白かった.(この本はピンカーがこの講義で説明している「ホットハンド錯覚」錯覚の発見前なのでホットハンドはないということになっている)私の書評はhttps://shorebird.hatenablog.com/entries/2012/08/11

 
また最後のウォールストリートに進む学生へのアドバイスにも味がある.お金は大切だが,大金を稼いだあとの幸せのつかみ方はそれまでとは少し異なる側面があるということなのだろう.


 

第18回 「コロナウイルス時期における合理性」

当初は「合理的楽観主義」が予定されていたが,今回新型コロナウイルスのパンデミックを受けて,これまでの講義のレビューにもなるだろうということからピンカーによる講義「コロナウイルス時期における合理性」に変更になっている.(なお本講義は4月6日になされている.その時点のケーススタディとして受け取るべきものだ.いずれにせよタイムリーで興味深い講義になる) 講義前の音楽はトム・レーラーの「I Got It from Agnes」

  • 今回のコロナウイルスパンデミックについてはいくつかの疑問がある.なぜパンデミックがあるのか,我々の理解は正しいのか,我々の恐怖は合理的か,なぜ最適行動が取れなかったのか,ウイルスに勝てるのかなどだ.これから見ていこう.
  • これに関連するのは,進化した心理適応,利用可能バイアス,指数関数増加の直感,事前と事後,ベイズ推論,将来割引,社会政治バイアス,そして合理的楽観主義になる.

 

<感染症はなぜあるのか>
  • 聖書は神による懲罰だと教えているが,現代ではこれは自然淘汰から産まれる普通の性質だとみることになる.生命はレプリケータだ.レプリケータは利己的で機会主義的だ.病原体レプリケータから見ると生物個体はエネルギーと栄養と複製システムマシナリーの塊で,これを利用することになる.そしてライフサイクルが短いので進化的にはホストより有利だ.だから病原体はユニバーサルで指数関数的に増える.
  • イーワルドは病原体の進化生態を研究した.(他種の生物からヒトに移って来た際など)最初にホストに取り憑く際にはホストを殺すような強毒性の病原体にアドバンテージがあると考えられる.皮膚などの防衛をかいくぐり身体の深いところに潜り込んでできるだけ搾取する.しかしすぐに変異体との競争になり,表面付近にとどまり,ホストを生かして感染を広げる方が有利になり,そう進化する.これが弱毒化進化だ.風邪などはこのような若語句かが生じた結果だと考えられる.
  • しかし常にそうなるわけではない.例えば媒介者が動き回れるならホストを殺すまで搾取した方が有利だ.蚊媒介の黄熱病やマラリアはこのケースだ.下痢で広がるもの(赤痢),密集環境で進化した場合も同じだ(スペイン風邪).また外環境で長い間耐えられるようなカプセルに入っていても弱毒化は生じにくい.天然痘や炭疽菌はこれだ.しかし耐性自体コストが高いのでユニバーサルにはならない.

 

  • では今回はどう考えればいいのだろうか.ここでこの新型コロナウイルスはとりわけ厄介な性質を持っているということがわかる.
  • まず感染後無症状の間にホストが動き回り握手や咳などを通じて感染する.外環境でもしばらく耐えられる.これにより強毒性なのに感染力が高い.しかし体表面にとどまり弱毒のものが有利になればそう進化する.だからソーシャルディスタンスは重要だ.

 

  • では何故我々は(病原体との進化競争に負けて)死に絶えていないのか.それは3つの防衛があるからだ.
  • (1)免疫システム.(SIRシミュレーションを示し)免疫があるヒトが増えると感染は終息する.
  • (2)次の防衛メカニズムは行動免疫だ. 感染者とのコンタクト,コンタクトの際の感染率を行動により下げることができる.内向的行動傾向,よそ者嫌い,そして汚物嫌悪だ.
  • ヴァレリー・カーティスは汚物嫌悪が適応であると指摘した.病原体媒介物のリストと人々の嫌悪感リストには高い相関性がある.(糞尿,吐瀉物,腐敗物,精液,ネズミ,ダニ,ハエなど)そして病原体媒介物に似せた物体とそうでない物体のどちらがよりいやかを調べた実験結果も示した
  • (3)そして最後の防衛が合理性だ.我々は世界の仕組みを知り,それを用いて感染を抑制できる.ワクチン,抗生物質,様々な介入方法(公衆衛生,ソーシャルディスタンス,テストと行動トレース)

 

<では我々の反応は合理的か>
  • 我々のここまでの反応は合理的だったか,あるいは我々はバイアスの犠牲になっているのか.1つずつ見ていこう.
  • (1)事前と事後:感染した場合の死亡リスクは?WHOは当初3.4%と発表した,これは恐ろしい数字だ.しかしこれはp(死|テストポジティブ)だ.テストは症状がある人が受けていてランダムサンプリングになっていない.真に問題なのはp(死|感染)なのだ.最近のランダムテストの結果から考えるとp(死|感染)は0.3%以下のようだ.
  • (2)ベイズ推論:この問題は面白いことに通常扱われる稀な病気の診断問題とは逆になっている.特にニューヨークのような地域では感染率は比較的高く,擬陽性率は高くないが,偽陰性率が高い.つまりテストの陰性はあまり意味がないかもしれない.
  • (3)リスク評価バイアス:今回のパンデミックは利用可能バイアス(メディアのカバレッジ,有名人のケース,ヴィヴィッドなイメージ)恐ろしいリスク(新しくコントロール不能で潜在的にカタストロフィック)の典型的なケースになっている.
  • だから我々の恐怖は確かにバイアスしているだろう.
  • では恐れすぎなのか.

 

  • そうではない.
  • (1)世界の安定性の前提が満たされていないかもしれない.ベースレートは世界が安定していて初めて意味を持つ.今回のパンデミックは世界を変えてしまっているのかもしれない
  • (2)相殺方向のバイアスがある.ヒトは指数関数増加を直感的に理解できないのだ.実は嫌悪反応に関してはある程度指数的な直感が働く(汚染物が接触した場合など).これはある意味対感染症の適応心理かもしれない.しかし抽象的な課題では指数的増加は直感的に理解できなくなる.そして指数的増加は結果としてのファットテイルの冪乗分布を生む.正規分布と違ってものすごく悪いことも生じうるのだ.実際に過去のパンデミックはその時点での平均余命を大きく下げている.これは世界大戦よりはるかに大きな影響だ.そして現在(4/6)世界のDTは7日,アメリカのDTは5日なのだ

 

<なぜ正しく準備できなかったのか>
  • 早期警戒ネットワークもマスクの備蓄もテスト体制もシミュレーションドリルもなかった.歴史を振り返ればパンデミックは決して予見不可能ではないにもかかわらずにだ.
  • それには将来割引心理が関わっている.進化環境の不確実性のため,我々は現代環境からそうすべきよりはるかにスティープにそして(指数的でなく)双曲的に将来価値を割り引く.これが準備を難しくしたのだ.

 

<なぜ現時点で断固たる行動を取れないのか,一部の人は密集し,握手を続けるのか>
  • これは典型的な共有地の悲劇だ.個人にとっての今すぐのメリットある行動が集合的な災害を生む.

 

<ではこの不確実性の中どう行動すべきか>
  • これは講義でやった統計的意思決定モデルが使える.信号を致命的疫病,ノイズをただの風邪として,どの程度の知見があれば経済再開を始めるかを決めることができる.そしてそれはペイオフの評価に依存する.ここで考えなければならないのは,シャットダウンを続けることによる経済的コストには(自殺などの)人命がやはり含まれるということだ.この相対的価値を考えなければならない.

 

<それだけか>
  • そしておそらく今回の不手際の主因はいま見てきたバイアスではなく社会的政治的バイアスだろう.
  • トランプ大統領は当初民主党のコロナ騒ぎをHoaxだとこき下ろした.パンデミックすら政治的ディプレイの材料にしたのだ.そしていつ2マイル以上の移動を避けるようになったかというアンケートを見ると明らかに南部と中西部でその時期が遅い.政治的イデオロギーと高い相関があるのだ.これはトランプ発言の効果としか説明できない.

 

<合理的楽観主義>
  • で,当初の講義案に戻ろう.合理的楽観主義はお花畑楽観主義とは違う.それは合理性を使えば将来を明るくすることができる」という信念のことだ.
  • 今回のパンデミックでも合理的楽観主義をとるべき理由がある.多くの国は対策の結果感染を抑えつつある.アメリカでもテスト件数は増えている.合理性の応用(疫学の知見利用,企業やWHOの対応,ワクチン開発努力)も進んでいる.
  • 最後にいくつかのいいニュース,個人でできることの関連サイトを紹介しておく.(80000hours,Our Worldなどのサイトが紹介される)

 
なお今回の新型コロナウイルスについてはよくわかっていないことが多い.これは4月上旬における合理的な評価ということになるのだろう.