講演会

「人類進化史における戦争の文化」コンシリエンス学会研究会

www.cnslnc.academy 9月13日に標記研究会がオンラインで開かれたので参加してきた.発表者は長谷川眞理子.ダワーによる「戦争の文化」で展開された議論を題材にそれを進化心理学的に考察してみよう,そしてコンシリエンスを目指す若い研究者たちにはヒトの…

「嫌悪の進化と社会の問題」 コンシリエンス学会第2回研究会

peatix.com 標記の第2回研究会がオンラインで開かれたので参加してきた.発表者は進化生態学者の深野祐也.テーマは「嫌悪の進化と社会の問題:虫嫌いから差別まで」となる.この虫嫌いの進化心理学リサーチはプレスリリースが一時話題になったもので,あら…

進化ジェンダー学研究会

先日進化ジェンダー学研究会にオンライン参加してきた.あまりこの手の講演会には参加した経験がないが,今回は進化生物学的な知見を取り入れるという試みということで聴講したということになる. 進化生物学による女性間の関係の理解 -持続可能なジェンダー…

シノドス・トークラウンジ「進化政治学の可能性―ヒトの政治的行動の進化的基礎」

peatix.com 進化政治学に関するオンライントークイベントがあるというので参加してきた.先日「進化政治学と国際政治理論」を出版した政治学者の伊藤隆太が聞き手に回って,(ここでは進化政治学の日本における先駆者という位置づけで)長谷川眞理子と対談す…

ローズマリー・グラント 「ダーウィン問題への再訪:どのようにそしてなぜ種は増えるのか」

ローズマリー・グラントのダーウィンフィンチについての講演がEvoSciSeminarとして公開されている. www.youtube.com まず種の起源の有名な最終パラグラフを紹介し,生物多様性をどのように調べるのか,特に種がどのようにそしてなぜ増えるのかを調べるには…

スティーヴン・スターンズの「老化の進化」

スティーヴン・スターンズが老化の進化に関する講義をオンラインで公開している. [Stephen Stearns] The Evolution of Aging, the Great Transition, and the Increasing Risk of Chroni... スターンズは生活史などの進化生態を扱う進化生物学者で,ごく初…

よさこい生態学セミナー202005

yosakoiseminar.blogspot.com 高知大学の鈴木紀之さんが企画する「よさこい生態学セミナー」が今回オンライン公開されたので,参加させていただいた. 配偶ペアの成虫が互いの翅を食い合うという面白い現象がテーマ.なかなか1つの講演のために高知まで行く…

Evolinguistics Symposium 「Concepts and Categories」 その1

昨年夏にいろいろ参加して面白かった新学術領域「共創的コミュニケーションのための言語進化学」が主催するEvolinguistics シンポジウムが10月29日に駒場で開かれたので参加してきた. 今回の講演者はシジュウカラのシグナルコールの研究で活躍中の進化生物…

日本鳥学会2019 公開シンポジウム「ペンギンを通して学ぶ生物の環境適応と生物多様性保全」

今年の日本鳥学会は東京開催で,最終日(9月16日)にペンギンに関する公開シンポジウムがあると聞いて参加してきた.場所は北千住にある東京芸術センターの21階にある天空劇場.当日は小雨降る天気だったが,見晴らしの良いロビーの奥にあるあるなかなかゴー…

産研アカデミックフォーラム「 文化を科学する:進化論で社会を理解する」 その3

最後にかなり長めの時間をとってパネルディスカッションが行われた. パネルディスカッション コメント 里見龍樹 私は文化人類学者であり,その立場からのコメントとなる. 現在の文化人類学は進化学とは相性が悪いとされている.しかしそういう不毛な対立に…

産研アカデミックフォーラム「 文化を科学する:進化論で社会を理解する」 その2

文化進化のフォーラム.続いては考古遺物から見えるもの. 考古学における文化進化:過去の文化ダイナミクスの復元をめざして 田村公平 問題意識としては多様性を簡単な原理で説明できるかというところに持っている.これはまさにダーウィンのそれであり,私…

産研アカデミックフォーラム「 文化を科学する:進化論で社会を理解する」 その1

7月27日に早稲田大学で「文化を科学する」という講演会があったので参加してきた.早稲田のキャンパスも最近は近代的な校舎が立ち並んでなかなかモダンだ.主催が早稲田大学産業経営研究所ということで経済学・経営学系のフォーラムということになる.司会者…

進化生態こまば教室 「宿主操作の群集進化生態学的意義」

東大駒場キャンパスで開かれる「進化生態こまば教室」の5月24日の講演で数理生物学者の入谷亮介さん(@lambtani____)が登場し,パラサイトによるホスト操作の講演を行うというので参加してきた.パラサイトによるホスト操作は,操られるホスト側に感情移入…

 EVOLINGUISTICS 2018「言語とコミュニケーションの進化」参加日誌 その4

連続講演会は週が変わって京都へ.8/6の京都大学百周年記念ホールの講演会(言語進化のモザイク性について,道具製作と言語進化について)には都合がつかなかったが,8/9の京都大学芝蘭会館別館*1でのトマセロ教授の最終講演会に参加できた.やや狭いセミナ…

 EVOLINGUISTICS 2018「言語とコミュニケーションの進化」参加日誌 その3

EVOLINGUISTICS 2018.8月4日も都合がついたので駒場へ.会場は8/3会場の隣の21KOMACEE West.この日は多くの発達心理,認知科学周りの講演が組まれている. 8月4日 意図共有とコミュニケーション 東京大学駒場キャンパス 21KOMACEE West 本日のセッションに…

 EVOLINGUISTICS 2018「言語とコミュニケーションの進化」参加日誌 その2

8月3日 キーノートレクチャー2 東京大学駒場キャンパス 21KOMACEE East 言語進化に関する連続講演会企画「EVOLINGUISTICS 2018」. 8/2の文京学院大学ふじみ野キャンパス(埼玉県ふじみ野市)の講演(脳の形態や道具との関連についてのもの)と東京学芸大(…

 EVOLINGUISTICS 2018「言語とコミュニケーションの進化」参加日誌 その1

8月1日から9日にかけて,新学術領域「共創的コミュニケーションのための言語進化学」主催による連続講演会「EVOLINGUISTICS 2018:言語とコミュニケーションの進化」が東京,京都の各所で開かれた.すべて聴講することはできなかったが,都合がついたものに…

 公開シンポジウム「最新テクノロジーが繋ぐ霊長類のゲノム,発生,生態,そして進化」 その2 

休憩後の講演は医学実験と比較ゲノム解析に関するもの 「最新医科学に貢献する霊長類―霊長類だから知り得たこと―」 中村紳一朗 滋賀医科大学の獣医師の資格を持つ研究者からの講演.サルを用いた実験がヒトの医療にどのようにに寄与しているかがテーマ.この…

 公開シンポジウム「最新テクノロジーが繋ぐ霊長類のゲノム,発生,生態,そして進化」 その1

第34回日本霊長類学会(7月13日〜15日)の最終日に公開シンポジウムがあったので聴講してきた.場所は武蔵大学江古田キャンパス.霊長類学会では中高生ポスター発表,中高生セミナーなども企画していて,聴衆には中高生の姿も多い. テーマは「最新テクノロ…

 「進化はモラルを説明できるか」

東大文学部の社会心理研究室では「新・社会心理学コロキウム」として国内外で活躍する研究者を招聘したコロキウムを本郷で開催している.先月25日開催コロキウムには数理生物学者の大槻久が登場するということで参加してきた.演題は「Can Evolution explain…

 長谷川寿一先生・眞理子先生の節目を祝う会

日本人間行動進化学会(HBESJ)創設者の長谷川寿一・眞理子ご夫妻にとり,今年度は,寿一先生がこの3月で東大を退官,眞理子先生が昨年4月に総研大の学長に就任という節目の年にあたるということから記念講演会と謝恩パーティによる「節目を祝う会」が2月23…

 シンポジウム:先史文化進化の展望:考古学から行動実験まで その2

8月8日.シンポジウム2日目,本日はゲストスピーカの講演主体の日程になる. 文化進化とヒトの社会複雑性の生態学:人類の歴史の主要な特徴の調査についての新しいモデルと新しいデータセット トーマス・カリー The cultural evolution and ecology of human…

 シンポジウム:先史文化進化の展望:考古学から行動実験まで その1

Symposium: Perspectives on Prehistoric Cultural Evolution: From Archaeology to Behavioral Experiment8月7日8日に文化進化のシンポジウムが開かれたので参加してきた.会場は品川駅近くの貸し会議室施設AP品川.このシンポジウムは「歴史科学諸分野の連…

 「子を他人に預ける鳥,カッコウ類研究の最前線」

少し前になるが9月24日に山階賞受賞シンポジウムとしてカッコウと托卵鳥に関する講演会が開かれたので参加してきた.これは今年上田恵介氏が山階芳麿賞を受賞した記念に,本人と教え子による一般向け講演会が開かれたというものだ.場所は本郷の東大弥生キャ…

 講演会/ワークショップ「より有益で,より効率的な研究をデザインしよう」

前回,心理学評論特集「心理学の再現可能性:我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」についてレビューしたが,この再現性問題についてはそのほかにも様々な動きがある. そのような試みの一環として,科研費・挑戦的萌芽研究「社会心理…

 社会の数理セミナー「パブリックとプライベート状況における相互作用の評判効果」

東工大の中丸先生は「社会」に関する数理モデルやシミュレーションモデルを内容とする「社会の数理セミナー」を東工大大岡山キャンパスで不定期に開催しておられる.https://sites.google.com/site/mayukonakamarulab/home/semina-an-nei/she-huino-shu-lise…

 東京大学 こころの多様性と適応の統合的研究機構 キックオフシンポジウム

東京大学には,学部,研究科,研究所,全学センターなどの組織とは別に「総長室総括委員会」を設置する「機構等」という組織が20近くある.(例えば地球観測データ統融合連携研究機構,大学発教育支援コンソーシアム推進機構などの名前が並んでいる) 今般こ…

 社会の数理セミナー「有限集団における双行列ゲームの戦略の固定確率」および「ゲームが血縁者間で行われる場合の進化動学」

東工大の中丸先生は「社会」に関する数理モデルやシミュレーションモデルを内容とする「社会の数理セミナー」を東工大大岡山キャンパスで不定期に開催しておられる. https://sites.google.com/site/mayukonakamarulab/home/semina-an-nei/she-huino-shu-lis…

 「進化生物学と道徳心理学」

道徳心理学コロキアムなるコロキアムがあって,第5回のワークショップが「進化生物学と道徳心理学」をテーマにして行われると知って参加してきた*1.このコロキアムは科学哲学者の太田紘史の主催によるもので,参加者には哲学や倫理学をホームフィールドにする…

 日本学術会議公開シンポジウム 「進化は生物学を統合する」

8月9日に日本学術会議主催の公開シンポジウムが乃木坂の日本学術会議本部で開かれたので参加してきた.第22期日本学術会議の分野別委員会のひとつ「統合生物学委員会」のさらに分科会「進化・系統学分科会」が中心になって企画したものだ.テーマはドブジャ…