第12回日本人間行動進化学会(HBESJ SHIROKANE 2019)参加日誌 その3

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大会2日目 12月8日 その1

 
大会2日目の12月8日は快晴で気持ちのいい日になった.最初のプログラムは招待講演.

招待講演

 

捕食者の認知機構と被食者の形態の適応進化 後藤和宏

 
後藤は6年前の広島大会で招待講演を行うことになっていたが,急遽奥様が出産のために入院することになってキャンセルになった経緯がある(参照https://shorebird.hatenablog.com/entry/20131218/1387361167).講演に先立ち平石さんから,その経緯の説明があり,本人も冒頭でそのことに触れ,スライドではそのときに生まれたお子さんの紹介などがあって会場がひときわ和んだ.
 

  • 今日の講演の内容は自分がアラン・ボンドとアル・カミールの元でポスドクをやっていたときの研究が元になっている.
  • 前半はアオカケスを使った捕食者のサーチイメージ形成仮説についてのリサーチを紹介したい.サーチイメージにより注意のチューニングが生じるのか,プライミングがあるかがポイントになる.後半はこのような捕食者の採餌行動と被食者側の形態の共進化について話したい.

 

  • 動物の採餌行動を観察すると同じ餌を連続して見つけていることがよく生じていることがわかる.捕食者はそこで豊富な餌に注意を向けて探しているのだろう.実際に補食量と餌密度の関係をグラフ化するとS字型になる.上方の平坦化は飽和することによるが,原点近くの平坦化は見つけにくい餌は探しに行かないことを示している.
  • これがどのような認知バイアスによっているかはよくリサーチされている.
  • ここで問題は「これは捕食者の探索がサーチイメージによっているためか,餌の期待密度に対応する形になっているためか」「これは被食者にとって少数者有利になっていて,アポスタティック淘汰によって多型の維持に効いているのか」になる.

 

  • 最初の問題で重要なのがサーチイメージ仮説だ.これを最初に提唱したのはユクスキュルで環世界の説明と共にサーチイメージ,サーチトーンを概念を提示している.頭の中に探すべきイメージがあり,それと異なるものは見逃す(ユクスキュルによる部屋の中で水差しにあると思っていた水が違う形のデキャンタにあると見逃してしまうという逸話が紹介される).
  • これを実験で調べたものがある.有名なシジュウカラの実験で,ガのタイプをコントールして密度に対して巣への持ち帰り量がS字型になることが示されている.
  • この実験には批判がある.異なる餌が異なる場所にいたなら,餌場を変えていきその際にこの餌場ではこの餌を探すという認知であることによってもこのような結果になるだろう,だとするとこれは期待に基づく探索ということになり,それと区別できていないというものだ.

 

  • で,アオカケスを用いてここを調べた.
  • まず先行研究を説明したい.指導教官のカミールは厳密な統制を行うべく実験的検討を行った.背景写真の中に様々なガのイメージを重ねたものを液晶パネルでアオカケスに提示する.アオカケスはガが止まっている写真に対して餌ボタンを押すと餌がもらえる.またその隣には「次の写真」ボタンがあり,止まっていないと判断したらそれを押すと次の問題が提示される(なおこの次の問題ボタンは訓練できる動物とできない動物があり,できる動物は少なく,そしてなぜかアオカケスはこれができるのだそうだ)ここでカミールはこれが本当に自然状況を再現できているかを確かめるために,「樹木の種類とガの向きによって自然状態と同じように検出率が異なるか」「遠くからの写真で検出率が落ちるか」を確認している. 
  • この実験装置を用い同じ背景のもとにAB2種類のガを連続してカケスに提示する.パターンは互い違いにABABAB・・・と出す系列,ところどころで連続して同じガが提示される系列をいくつか(連続具合を2〜8まで)を用意する.すると連続具合を上げていくと互い違い系列より検出率が上がっていった.
  • これに対して,これが本当にサーチイメージによる結果なのか,それとも提示刺激が予測手がかりになっているのか(プライミング)かがなお判別できていないのではないかという批判が寄せられた.ここからはお前がやれといわれて私が調べることになった.

 

  • どのように調べるか.サーチイメージは5〜6回の連続刺激で形成されるのに対して,プライミングはもっと長期の学習が必要で,おそらく認知機構が違っているだろう.だからこれを競合させてみればいいのではないかと考えた.
  • 環境手がかりと系列手がかりが矛盾するようなケースを作ってやれば良いことになる.そこで背景(プライミング刺激)とガの模様(サーチイメージ形成刺激)を組み合わせて競合を起こさせてみた.(具体的な説明あり)その結果サーチイメージの影響の方が強いという結果が得られた.プライミングは学習が必要でワーキングメモリを多く使用するし,自然条件ではそれほど有効ではないということかもしれない.

 

  • 次に捕食者と被食者の共進化の話をしたい.
  • 捕食者の行動は被食者にとっては淘汰圧になる.カケスの行動はガの形態進化を促すだろう.
  • 先ほどのカケスの実験装置は時代が進みタッチパネルでガの場所をつつけるようになっていた.これを用いてデジタルなガのイメージの進化シミュレーション実験を行った.つつかれたガが死亡し,つつかれなかったガが生き残って交配し遺伝子を混ぜ合わせて繁殖する.表現型に対する遺伝型はチョウの翅の模様の遺伝子と同じと仮定して設定した.
  • 結果は(全くのランダム交配コントロール条件に比べて)見かけが多様化し,よりクリプティックになった.
  • また背景に応じた2極化もシミュレートできた.(背景を黒っぽいのと白っぽいのに2極化させるとガの色彩も2極化する)

 

  • 今後は捕食者の認知機構,警告色の進化を調べていきたい.

 
 
大変興味深い講演だった.サーチイメージ実験の厳密性は印象的で,実際のアオカケスを用いた進化シミュレーションも意表をついていて大変面白く感じられた.
 
 
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ポスター発表

 
続いてポスター発表.会場は別棟のガラス張りなおしゃれなカフェのようなスペースで開放感があって素晴らしい.面白かったものをいくつか紹介しよう.
 
 

主張の受けとめられ方はコストのかかる信号によって影響されるのか? 平田皓大

 

  • コストリーシグナル理論によれば説得力はその説得にかけるコストにより増減することが予想される.これを選挙を題材にして架空の首長選挙の2人の候補者のインタビュー記事へのアンケートで検証しようとしたもの.記事においては論拠の強弱とコスト(街頭演説を熱心に行ったかどうか)の高低を組み合わせ,アンケートでは2人の主張の信頼性,説得力,重要性,好ましさについて回答してもらう.
  • 結果は高コスト条件の方が信頼性,説得力,重要性,好ましさについて高評価になっていた.ただ重要性の評価について女性は高コスト条件の方が重要だと回答したが,男性は有意差が無かった.

 
なかなか最後の性差の存在は興味深い.演説を熱心に行ったかどうかが評価を左右するかどうかを考えると重要性は最も左右されないはずの問題なので,「自分は理性的な人間である」というディスプレイをしたいという心理が働いたのだろうか.

 

コストをかける意思の定量的な測定–価値ある関係仮説による妥当性の検討 小田亮

 

  • 先行研究では謝罪する相手との関係が自分にとって価値が高いほど謝罪にコストをかけることが示されている.ただ先行研究ではコストをかけるかどうかについて直接測定せずにアンケートによっている.この点を直接測定してみた.
  • 方法はアンケート用紙にチェックボックスを100個用意し,どのぐらいコストをかけるのかの程度をチェックする数によって答えてもらった.
  • この方法によっても謝罪する相手との関係が自分にとって価値が高いほどチェック数が多くなることが明らかになった.

 
ここまでは予想の通りということだが,グラフを見ると100個全部チェックした回答が非常に多いことがわかる.発表者たちはこれは回答が飽和している可能性があり,次回はチェックボックス数を大きく増やしてみたいと書いてあって,被験者が1000個のチェックボックスがあるアンケート用紙を見て驚愕する姿が目に浮かび,思わず吹き出してしまった.
 
 

道徳基盤理論の<聖不浄>基盤を中心とした日本人の道徳的判断の検討 柳澤田実

 
ハイトの道徳次元説を日本人学生,日本人クリスチャンを使って調べてみたもの.ここでは後の(自由/抑圧軸を含む)6次元拡張ではなくオリジナルの5次元の軸(ケア,公正,忠誠,権威,神聖)で調べている.

  • アメリカの分析はリベラルはケアと公正の軸のみ高く,あとの3つで低い.一方保守は5つの軸みなで高いことが知られている.またアメリカでもリバタリアンはケア公正とあとの3つでやや差があり(リベラルと同じく前者が高いものの差の際は小さい,リベラルほど前者の評点は高くない),クリスチャン左派ではみな高いがやはり前者と後者でやや差がある形になる.
  • 日本人クリスチャンと日本人学生で調べてみると日本人学生はアメリカの保守と同じような形,日本人クリスチャンはそこからケアと公正と神聖が高い形になった.さらに各軸の相関を調べるとアメリカと異なりケア,公正,神聖間に正の相関が高いという結果になった.
  • また各質問ごとによく見ると,神聖軸の「たとえ誰も傷つかないとしても,極めて不快で人の気持ちを逆なでするような行為をすべきでない」と公正軸の「裕福な家庭の子だけが多額の財産を受け継ぎ,貧しい家庭の子が何も受け継がないというのは道徳的に間違っている」への回答振りにアメリカとの差があることもわかった.前者がケア軸と強く相関し,後者はクリスチャンの中で評点が低くなっている.クリスチャンの中でアメリカ同様に相続の不平等性をモラル的な問題だと考える層27%をさらに分析するとこれは特に信仰の厚い層15%と欧米リベラル的で神聖基盤が低い層12%に分かれる.
  • 日本人の神聖軸には「空気」を重んじるという要素があるようだ.
  • またクリスチャンの中の相続不平等制への回答の分かれ方は宗教心的モラルの限界を表しているのかもしれない.

 
ハイトの道徳次元説を日本人で調べてみたという点で非常に興味深い.私の感想としては,まず前者はこの「たとえ誰も傷つかないとしても,極めて不快で人の気持ちを逆なでするような行為をすべきでない」というのはdisgustingの訳の影響が大きく,回答者はこれを「誰かを極めて不快にすることが是認されるか」というケアの問題として受け取った可能性が高いのではないかと思う.また相続の不平等性は,片方で親の自らの財産の処分の自由の侵害とのトレードオフになっていて,単純な公正軸の質問としてはあまりいいものではないのではないか,ここはハイトの後の6つ目の軸(自由/抑圧軸)を含めた6次元で分析をした方が良いのではないかと思う.
 
 
このほかポスター発表では「高次の再帰的推論とワーキングメモリの関係性」,「マッチングサイトにおけるシグナリング行動」なども大変面白かったのだが,残念ながらSNSでの言及を控えて欲しいマークがついているのでここでの紹介は差し控える.
  
 
以上で午前の部は終了だ.大変温かな気持ちのよい日だったのでランチはプラチナ通りまで出向いて腰塚のメンチカツコロッケ定食をいただいた.
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第12回日本人間行動進化学会(HBESJ SHIROKANE 2019)参加日誌 その2

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大会初日 12月7日 その2

  
口頭発表1のあとは招待講演.
 

マウスの脳内シミュレーションとロボットの報酬進化 銅谷賢治

 
講演は講演者の所属する沖縄科学技術大学,および神経計算ユニットOISTの紹介から始まる.
 

  • OISTではAIで柔軟で適応的なシステムを作ることと,脳はそれをどう実装しているかの両方を扱っている.
  • AIの業界においては前世紀には専門家の知識を実装しようという流れがあり,それが挫折したあと現在ではビッグデータと統計学習を利用する方法が主流になっている.そこに知能を作るだけなら脳を知る必要はないという立場と既にそこにあるのだから調べた方がいいという二つの立場がある.
  • そして実際には脳科学とAIは互いに影響を与え合って共進化している.
  • 一つの例は視覚だ.脳科学における特徴抽出細胞,経験依存学習,場所処理細胞,顔認識細胞の発見とAIにおけるパーセプトロン,多層教師あり学習などの概念は影響を与え合っているのだ.
  • もう1つの例は強化学習だ.古典的条件付け,オペラント条件付けをヒントにして発展したAIの分野ではTD学習において報酬の予測が重要であることが見いだされ,それはドーパミン細胞での報酬予測応答や線条体の行動価値発現の発見につながった.そしてそれはAI側のモデルの進歩につながっている.

 

  • 先日とあるAIのカンファレンスで「AIは脳からさらに何を学ぶべきか」が議論された.私はこれについて,エネルギー効率(ヒトの脳は20Wで動作可能),データ効率(世界モデルと脳内シミュレーション,モジュールの自己組織化,メタ学習など),自律性,社会性だと思っている.

 

  • このなかの自律性について:自律的な強化学習モデルを作る.学習者が状態を知覚し,行動し,その状態変化と報酬を予測し,実際の変化と報酬の誤差から予測モデルを改善していく.このようなシステムを回してみて面白いのは,押してもだめなら引いてみなとか急がば回れのようなことができることがあることだ.(頭の高さが報酬になっている起立ロボットが,試行錯誤で頭の高さが低いまま準備態勢に入ることを学習できることが説明される)これはディープラーニングとQネットワークを使った価値評価,行動選択,予測修正をおこなう囲碁プログラムでも見られる.
  • この価値評価,行動選択,予測修正はおそらく脳にとっても重要だと考えられる.そして脳科学で最近わかってきたのは大脳基底核の部分でTD学習の強化学習が行われているらしいことだ.ここでは線条体,淡蒼球,ドーパミン細胞,視床が働いている.
  • これをラットやマウスでフォローする.神経パターンを予測し,それと類似したパターンを出している細胞を探していく.特に最近は遺伝子操作で光学神経活動記録を行い特定ニューロンだけのパターンを見るとことができるようになっている.

 

  • ここまでの話はモデルフリーの学習.記憶から学習していくもので,直感的反射的行動がまずあってそこから学習が進む.処理は単純だが試行錯誤が多数必要になる.
  • これと異なりモデルベースの学習もある.これは予測を行う内部モデルを持つもので,先読みによる脳内シミュレーション,つまりやる前に考えるものだ.この学習によると柔軟な適応が可能だが,内部的な処理は複雑になる.(ここでスマホを2輪軸に取り付けて直立させるデモが紹介される)
  • 脳内シミュレーションは行動による身体や環境の変化を予測する.過去の状態と行動から現在の状態を推定し,現在の状態とこれからの行動から未来の状態を予測する.結果や原因を予測する.これは思考,推論,言語,科学につながる活動だ.
  • これを脳内で行うには学習アルゴリズムによる機能分化が必要になる.先ほどの基底核に加えて,内部モデルでは小脳と大脳皮質が関与し,教師ありモデルは小脳が,教師なしモデルは大脳が関与すると考えるとうまく説明できそうだ.(モデルフリートモデルベースの機能分化の差が図によって説明される)
  • ではこれは本当にそうなっているのかを脳の活性部位で調べてみた.(ヒトの脳のMRIでのリサーチが紹介される.プランニングしているときには大脳皮質のほかに基底核の一部や小脳の一部で活動が見られる)
  • さらにマウスの細胞レベルでも理論を捉えることができる.二光子励起顕微鏡を用いると皮膚から2ミリはいったところの様子がわかる.いつどの行動を予測したのか,実際の行動の予測とその感覚入力による修正を見ると予測修正はベイジアン的になされているようだ.(多くのニューロンのデータをとりそれをデコーディングすると距離の動的ベイス推定モデルと感覚の修正という仮説を支持する)

 

  • パラメータはどのように設定されるのかという問題もある.今調べているのは将来報酬の時間割引率.電池パックを取りに行くロボットを作るとこのパラメータによりどこまでの距離なら電池パックを取りに行くかが変化する.割引率が小さいと引きこもって電池パックをなかなか取りに行かない鬱的な行動を見せる.
  • では脳ではどのようにこの時間割引率が実装されているのか.鬱的な行動はセロトニンが大きく関与している.実際にマウスのセロトニンニューロンではこれを支持するデータが得られている.セロトニンによりマウスは待ち続けるようになるが報酬確率が高い場合には上書きされる.これは報酬の事前確率を高めるパラメータとするとよく行動を説明できる.このほかドーパミンは報酬予測に関するパラメータ,アセチルコリンは学習速度に関するパラメータ,ノルアドレナリンは探索刺激に関するパラメータに関わっているのかもしれない.
  • ロボットの報酬系のデザインにこのような知見は利用できる.
  • 生物においては報酬とは食糧や繁殖相手との接触になる.ロボットでは食糧を電池パックに,繁殖成功を接触した際のプログラムコピー(コピー成功確率が充電レベルに依存する)として実装できる.こうして学習パラメータの進化をシミュレートできる.成功が集団内の頻度に依存するような場合には多型の進化の結果が得られる.

 

  • 自立AIエージェントは脅威になるだろうか.よくいわれるのは悪意を持った利用や誤作動だ.だからこれに対応することが重要になる.これは人間社会の解決がヒントになると思っている.チェックバランスと民主制の知恵を活かすといいのではないか.複数のオープンソースAIエージェントによる相互監視と連携などが考えられる.また脳では社会的価値志向性と扁桃体の活動に関係があることが知られている.こういうアンカーをAIに埋め込んでおくことも重要かもしれない.

 
Q&A
 
Q:多型はどのように進化したのか
 
A:コロニーの10〜20%で多型になった.初期パラメータを広くしていないと進化しないので,分岐進化ではないと思われる.
 
Q:AIと比べたヒトの特徴は何か
 
A:作業記憶が大きいところ,マルチステップでもうまくいくところ,抽象状態の定義ができるところがヒト特有だと感じる.
 
 
AIのリサーチと脳科学がどのように互いに影響を与え合っているかという話は面白かった.またコンピュータ上でなくロボット実物を使った進化シミュレーションの話は頻度依存型淘汰の結果と合わせて意表を突いていて印象深かった.
 
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口頭セッション2

 

民話に埋め込まれた素朴動物学的知識 中分遥

 

  • 民話の定量的分析の話をしたい.
  • 民話はかなり古くからあり,類似民話の分析から少なくとも印欧祖語の時代に存在していたとされている.狩猟民族の会話のリサーチによると朝はいろいろなことをしゃべっているが,夜は80%がストーリーになる.
  • ここで民話はある種の情報伝達(道徳規範,自然環境に関する知識)の機能を果たしているのではないかと考え,それを定量的に調べてみた.
  • 民話にはいろいろな定義があり,たとえばFolktale, Mith, Legendに分けられたりする.ここでは民話集に収録されているものはすべて民話として分析した.
  • データとしては国際民話抄録の動物民話を用いた.合計382話.モチーフについてはトムソンモチーフ分析にしたがった.
  • この民話について登場する動物の共起分析を行い,さらにモチーフとの関連を調べた.
  • (結果についての図を示しながら)これをみるとヒトとキツネ,ヒトとオオカミ,オオカミとキツネがよく一緒に現れること,キツネはニワトリや鳥と一緒に,オオカミはヒツジ,ヤギ,ブタと一緒に現れることがわかる.これらはキツネはニワトリを襲うリスクがある,オオカミはヒツジやブタを襲うリスクがあることを教示する機能があると考えることができる
  • モチーフを見ると多いのは対立型(騙し)などと賢者と愚者型で,前者にはハイエナやジャッカルのような捕食獣とそれらが襲う獲物が登場し,後者にはウシやロバのような家畜がよく登場する.
  • 結論として民話には現実の動物の対立が再現されていると考えることができる.物語形式の法が知識の伝達に役に立ったのだろう.

 
Q&A
 
Q:一つの物語が分岐して同じような話になっているのはあるか(それを考慮した定量分析になっているか)
 
A:元データで分かれたものは1物語として整理されている.
 


様々な嘘の噂を流す非協力戦略の下での協力の進化と社会ネットワーク構造について 中丸麻由子

 
嘘のパターンに注目した噂の機能のリサーチ 残念ながらSNSでの言及を控えて欲しいマークがついているのでここでの紹介は差し控える.

認知症は高齢者のストレス度を低下させるか? 五十嵐友子

 
現在高齢者には不要あるいはむしろ有害な形で抗認知症薬が処方されていることが多いが,それをどうやって止めればいいかという視点からの発表.
 

  • 認知症は多くの人にとっての恐怖だ.実際に予防商品は巷にあふれている.抗認知症効能をうたうサプリも無数にでている.そして医療現場で抗認知症薬は非常によく処方されている.85歳以上の認知症患者の85%に処方され,これは85歳以上人口の17%に処方されていることを意味する.
  • そして問題なのはそれが漫然処方されている実態だ.多くの場合効果の検証なく延々と処方される(認知症の改善の検証事態が難しいという問題はある).そして副作用の不全感からQOLを落としているのが実情だ.そしてそもそも抗認知症薬は認知機能が落ちてしまった中期後期の患者に投与されることは意図されていない.認知症の90%以上で抗認知症薬が意味もなく投薬されていると断言する専門家もいる.
  • これには投薬のガイドラインがあり,判断アルゴリズムも提唱されているが,現場における問題点は投薬中止のタイミングが具体的にわからないということだ.

 

  • ここでは介護現場から中止の目安(中止時期特定の根拠)を提示してはどうかということを話したい.

 

  • 「長期抗認知症薬内複写のQOLは下がっているか」:これを調べるために介護現場の職員アンケートを行った.表情,会話の様子,身だしなみ,立ち居振る舞い,活動への参加意欲についてそれぞれの患者を10スケールで評価してもらう.これによると長期服用者の方が有意にQOLが低いことが示された.
  • 「家族の認識が困難になるところが中止時点として妥当ではないか」:家族想起させるやや意地悪目の質問(昨日娘さん来てましたよね?など)をしてストレスを計測する.すると(1人の例外を除き)家族想起ができなくなる段階ではストレスが下がっていることがわかった.
  • また実際に老人ホームなどでは,入所当初はみなそのホームに溶け込もうとするが,しばらくすると一定割合の入居者は他人と関わり合いを持とうとせずに単独行動をするようになる.これはあたかも単独性の霊長類の段階に戻ったようなものかもしれない.
  • 以上のことから抗認知症薬の長期内服はQOLを下げており,どこかで中止する方が良い,そして中止時期は家族想起できなくなる時点(そこからは認知能力の低下がストレスにならない)がいいのではないかと考える.
  • 単独性霊長類の段階に戻るのなら進化的に考えても無理して認知機能を保とうとする必要はないと考えられるのではないか.ただ家族にこの進化的説明が受け入れらレるかどうかについては慎重に考えなくてはならないかもしれない.

 
高齢の認知症患者に無意味でQOLを下げる抗認知症薬が漫然と処方されているというのは衝撃の事実だった.何らかの中止目安は是非設けた方がいいだろう.ただ最後の「進化的」云々にはかなり自然主義的誤謬が混じっているような印象で,フロアから厳しい突っ込みが入るかと思っていたが,進化的理由と適当の関係に関する質問があっただけで,それ以上の時間がなくそこはスルーされてしまった.
 
夕刻からポスター発表.これについては翌日にもポスターセッションがあったのでそこでまとめて触れることとしたい.
 
以上で大会初日は終了となった.
 
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第12回日本人間行動進化学会(HBESJ SHIROKANE 2019)参加日誌 その1

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大会初日 12月7日 その1

  
本年のHBESJは明治学院大学の白金キャンパス.明治学院大学は,ヘボン式ローマ字で有名なヘボン(James Curtis Hepburn)博士により創設されたミッション系の大学だ.シロガネーゼの闊歩する高級住宅地の一角にあるキャンパスはいかにもの風情で,素晴らしい.
 
 
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口頭セッション1

 
会長による開会挨拶が予定されていたようだが,眞理子会長に所用が発生し夕刻以降の参加になったということで事務連絡のあと早速口頭セッションに
 

罰システムは協力行動のCrowding-out 現象をもたらす:公共財供給実験による検討 金恵璘

 

  • 協力の進化においてはフリーライダー問題の解決が重要になることはよく知られている.
  • 代表的な仕組みはサンクション(罰と報償を含む)になる.
  • しかしこのサンクション自体が集団の社会的選好を変えてしまうケースもあることが知られている.有名なのは,保育園のお迎えに遅れる保護者に罰金を導入したら,かえって遅刻が増え,罰金制をやめても元に戻らなかったという事例だ.これは遅刻の意味が変わってしまったために生じたと考えられている.ここではこのような社会的選好の(非協力方向への)変更をクラウディングアウトと呼ぶ.

 

  • 本研究では罰が本当に社会的選好を変えるのか.その際に生じたクラウディングアウトは集団レベルだけでなく個人レベルでも非効率をもたらすのかを調べた.
  • 学生384人を被験者とし,4人1組で罰ステージ付きの公共財ゲームを1セッション16回やってもらう.各自最初に100ポイント持ち,1回あたり最大10ポイントまで投資する.4人の投資額合計を16倍にして均等に配分する.ここで投資に対するコストを線形に付加する形と非線形に付加する(大きな投資にはより追加コストがかかる)形の2種類のゲームを行う.(それぞれのナッシュ均衡投資額は線形ゲームでは0ポイント,非線形ゲームでは2ポイントになる).当初は罰なしで行い,途中で罰ステージを設け,さらにその後罰なしステージに戻す.罰ステージでは罰として可罰者の提供ポイントの4倍が差し引かれる.
  • 結果:線形,非線形どちらのゲームでもまず最初に徐々に投資額が下がっていき,罰導入と共に投資額は跳ね上がる.その後罰を外すと投資は下がり,当初のレベルよりも下になる.
  • 注目すべきは非線形ステージで,当初の罰なしステージでは投資額がナッシュ均衡以下になることはなかったが,一旦罰を入れたあとの罰なしステージではナッシュ均衡以下の投資額になる場合が数多く見られた(平均は2をわずかに下回る程度だが,最頻値は0になった).
  • この結果は罰によるクラウディングアウトが生じていること,非線形ゲームの結果を見るとそれは個人レベルでの非効率も生じさせていると評価できる.
  • 今後はクラウディングアウトが発生するメカニズムについて調べていきたい.

 
Q&Aでは社会的選好の定義が議論されていた.

このクラウディングアウトがなぜ生じるのかは確かに興味深い.保育所の遅刻については,遅刻が道徳的に悪い行為から金を払って手に入れるサービスのようにフレームが変わったのではないかという説明を聞いたことがあるが,この公共財ゲームでは相手から罰を受けたりしているうちに自分のポイント絶対値最大化ゲームから,相手より相対的に勝てば良いゼロサムゲーム的に認識が変化したのだろうか.参加者が「ナッシュ均衡は0より上だ」と気づいていたのかのところもちょっと気になるところだ. 
 

2者間の相互作用によるリスク選好の収束 杉本海里

 
他者の振る舞いを観察することによりリスク選好が同調するのか,どのような形で同調するのかについての発表.残念ながらSNSでの言及を控えて欲しいマークがついているのでここでの紹介は差し控える.
 

婚姻交換による親族構造形成のダイナミクス 板尾健司

 

  • ヒト社会には様々な婚姻交換のシステムがある.この創発を物理モデルで説明したい.
  • 通常の伝統的な社会は,家族血縁の小集団リネージが集まってクランを作るという構造になっていることが多い.そしてクラン内はそれほど血縁度が高くなくてもインセストタブーに含まれていることが多い,
  • その結果配偶相手は他クランから得ることになるが,双方向か,一方向かの違いがある.またこれに世代が絡んで同世代婚がなされる場合と,異世代間のみでなされる場合がある.これらの組合せでいろいろなシステムがある.例えば文化人類学では全面交換型はカースト制になりやすいのかなどの議論がある.
  • ではどのようにしてこのような様々なシステムが創発するのか.モデルを作ってみた.
  • <1次元モデル>リネージとクランのある集団を想定する.各個人は自らの形質 t とどのような形質の相手と婚姻したいか p の2つの形質値を持つ.t と p により協力と(配偶相手をめぐる)競争がの大きさが決まり,それにより繁殖成功が決まる.全体は人口動態を含んだマルチレベル淘汰モデルになる.この中でどのような婚姻交換を行うクランとインセストタブーが進化するかを見る.
  • <2次元モデル>1次元モデルに父から受け継ぐ性質と母から受け継ぐ性質の二つを持たせる.(これは父から名前をもらい母と住むなどの形を表現したもの)
  • こういう形でシミュレートすると協力と競争を決めるパラメータにより様々な婚姻システムが(ちょうど相転移のように)創発する.女性をめぐる競争が強いと限定交換的,クラン内の協力が重要になると全面交換的になる領域になる
  • これまで報告された民族集団に当てはめてみると,限定交換であったアボリジニやヤノマミは狩猟採集民で女性のめぐる競争が激しいと思われ,農耕民では集団間の争いがあり,全面交換になる傾向があり,このモデルと整合的だ.

 
流れるような説明で,モデルの詳細はよくわからなかった.クラン内の婚姻がOKになるとクラン内男性同士で激しい競争になる.だからその弊害が大きな状況でマルチレベル淘汰をかけると厳しいインセストタブーが進化しやすく,集団間の争いがあるとそれにより男性同士の争いが緩和されるので緩いインセストタブーになるということなのだろうか.
 
ここで最初の口頭発表が終了.
 
これは明治学院大学創設者のヘボン博士の銅像だ.
 
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Virtue Signaling その12


Virtue Signaling: Essays on Darwinian Politics & Free Speech (English Edition)

Virtue Signaling: Essays on Darwinian Politics & Free Speech (English Edition)

  • 作者:Geoffrey Miller
  • 出版社/メーカー: Cambrian Moon
  • 発売日: 2019/09/17
  • メディア: Kindle版
 
 
ミラーは道徳的な徳は,良い遺伝子,良い親,良いパートナーのハンディキャップシグナルとして性淘汰で作られた産物ではないかという仮説を提示した.この検証の方法論に入る前にまずいくつか整理を行う.通文化性,利他性に繁殖利益を与えることによりより協力的な平衡に移行させる可能性,そして特殊な正のフィードバックがかかる可能性だ,

 

道徳規範や道徳的徳への配偶選好を通文化的にみるとどうなのか

 

  • このようなことを通文化的に調べると,1つの疑問が持ち上がる.それはなぜ一部のモラル選好には大きな文化差が見られるのかという疑問だ.ここでも徳倫理学的アプローチは異なるレベルの分析を明確化するのに役立つ.
  • 私は次のように考えている:どの文化でも人々は知性,メンタルヘルス,感情的安定性を道徳的徳として評価する.しかし文化・社会・経済・生態的コンテキストによってそれをデモンストレートする方法が大きく異なるのだ.
  • これまでになされた大規模なヒトの配偶選好リサーチには1989年のバスによるもの,2004年のシュミットによるものがある.男女に共通する強い選好形質は,優しさ,知性,刺激的パーソナリティ,順応性,創造性,貞操,美しさだった.これらは多くの文化で擬道徳的と評価される.
  • ほとんどの文化で,淫乱,不貞,略奪愛は調和性の低さ,誠実性の低さを示すものとされる.
  • 恋人募集広告のリサーチでは,人々は通文化的に道徳的傾向(特に親切さ,正直さ,貞操,信頼性)を広告し,相手に求めていることがわかっている.

 

性淘汰と平衡淘汰

 

  • 非常に興味深いのは性淘汰とグループレベルの平衡淘汰に相互作用が生じる可能性だ.
  • 多くの進化ゲームには複数の均衡解がある.均衡解にはそのグループ内の皆にとっていいもの(パレート最適なもの)とそうでないものがある.自然淘汰だけで非パレート最適平衡からパレート最適平衡に移行することは通常困難だ.
  • しかし性淘汰は利己的で反社会的な平衡から逸脱する個体に繁殖利益を与えることにより非パレート最適平衡から抜け出す道を作るかもしれない.
  • これは利他行為を説明する間接互恵性理論の評判に似た機能だといえる.しかしながら標準的間接互恵性モデルは二次的なフリーライダー問題を惹起させる.この利他罰問題を解決しようとする多くの説明はその個体の利益を明確化することなく文化進化や社会規範ダイナミクスを使う.
  • これに対して(性淘汰)配偶選択モデルは利他的行為を行う個体にインセンティブを与える.だから道徳的個体の行動によってヒトの社会にしばしば現れる集合行為問題を解決することが可能になる.(道徳的個体の利益は繁殖利益だけでなく,友人や同盟などによるものも可能だろう)

 

  • このような性淘汰モデルとグループ淘汰モデルを相互作用させると,グループレベルで非常に素速くよりパレート最適な平衡が選ばれることにつながる.

 

選り好みの強さ(choosiness)と道徳的徳

 

  • ダーウィン以降の伝統的性淘汰理論では配偶選好性と選好される形質は明確に区分されてきた.しかしながらもしヒトの配偶選好が性的信頼性,貞操,選り好みの強さという(相手の)選好性自体にかかるならそれは新しい形のポジティブフィードバックを産むだろう.
  • 友人や遊び仲間の選択がルーズなことが非道徳的に受け取られるように,配偶相手のだらしない選び方もそう受け取られる可能性がある.
  • 我々は高度に社会的な動物であり,他人の性的振る舞いを観察し,記憶し,噂話をする.これにより高度な配偶選択能力がそれ自体コストのあるモラルシグナルとして選好される性淘汰産物になることが可能だ.
  • このダイナミクスの理論的可能性は私の知る限りまだ探索されていないようだ.

 
2番目の指摘はハンディキャップシグナルによる繁殖利益が進化ゲームの動態を変える可能性の指摘で興味深いところだ.3番目の選好性自体がハンディキャップシグナルになるという可能性も理論的には興味深いものだ.ただこれらの問題は私の知る限りあまり広く議論されていないようだ.

Virtue Signaling その11


Virtue Signaling: Essays on Darwinian Politics & Free Speech (English Edition)

Virtue Signaling: Essays on Darwinian Politics & Free Speech (English Edition)


道徳の個人差についてミラーはここまでにビッグ5,メンタルヘルス,知性を取り上げた.

本当にこれらの傾向は道徳的徳と判断されるのか

 

  • このようなパーソナリティやメンタルヘルスや知性の傾向は,一体どういう意味で「擬道徳的」だというのだろうか.そう考えるべき理由が4つある.最初の3つは社会心理学の知見であり,最後の1つはポピュラーカルチャーから導かれるものだ.
  1. ほとんどの人は「創造性,美しさ,地位,富はそれらを持つものにメリットを与え,道徳的徳の原因でも結果でもある」という「世界観」を持っている.人々はこうした傾向をモラルに関連づけ,モラルと結合価を持つものとして扱うのだ.
  2. 潜在的連合テストを用いたリサーチによれば,人々は他人の評価について善悪の次元で行い,それは道徳的善,感じの良さ,楽しさ,肉体的美しさとごちゃまぜになっている.
  3. このような傾向には強い「ハロー効果」がある.例えば美しい,あるいは地位が高い,あるいは裕福な被告は無罪と判断されやすいのだ.逆に道徳的に善だと思われていると,その人は美しく健康だと評価されやすい.いずれも人々は道徳的善をパーソナリティ,メンタルヘルス,知性,肉体的美しさと混同しているのだ.
  4. 人々はしばしばこのような擬道徳的傾向を極端に誇張して神話的人物に当てはめる.例えば,神,政治的リーダー,映画のキャラクター,スーパーヒーローなどがそうだ.

 

  • ソクラテスのころから哲学者たちは実証的には様々な相関する傾向を区別しようとしてきた.ほとんどの哲学者は要因分析ではなく,必要条件と十分条件によってものごとを定義しようとする.だから道徳哲学者は上記のように道徳的善と社会的名声と経済的価値と性的魅力をごちゃまぜにすることを認めることを嫌がるだろう.
  • しかし哲学者たちがヒトの道徳の進化を押し進めてきたわけではない.ヒトの道徳の記述的説明を行いたいのなら普通の人々の感覚に耳を傾けるべきだ.それは実証的な問題なのだ.

 
普通の人が道徳と美しさと地位と富をごちゃ混ぜにしているというのはなかなか衝撃的な指摘だ.誰もがこれは次元の異なるものだと意識的にはわかっていても,無意識的にはそういう傾向を持っているということなのだろうか.
邪神やダークヒーローよりもモラル的な神やヒーローが多いのは確かだ.そうでなければ布教や物語が受け入れられにくいというのは確かにあるのかもしれない.
 

道徳的徳は本当に性的に魅力的なのか

 

  • リサーチは多くの道徳的徳(親切,感じの良さ,正直,英雄性など)が性的に魅力的で,関係の安定性に効いていることを見いだしている.多くのこのような徳への選好は長期的なパートナーを探しているときに強くなる.但しリスクのある英雄性への選好は女性が短期的な相手を探しているときに強くなる.
  • これらのリサーチの問題は,このような選好性が,良い遺伝子のためか,良い子育て投資のためか,良いパートナー探しのためかを区別できていないことだ.
  • 配偶選択のリサーチの基本は,まずシグナリング淘汰圧を与える選好性を示し,次になぜそのような選好性があるのかを調べることだ.この後者のステップはより繊細なリサーチデザインが必要になる.

 
ここからミラーは仮説の検証に向けた議論をすすめていくことになる.