- 作者: W. D. Hamilton,Mark Ridley
- 出版社/メーカー: OUP Oxford
- 発売日: 2006/01/12
- メディア: ペーパーバック
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第10論文というより記事
Inbreeding in Egypt and in this Book : A Childish Perspective (1993)
今日は最後の6ページ
エピローグ的にエジプトとその王家の近親相姦.そしてモーゼによる出エジプトがエジプトの太陽神信仰のうち一神教をユダヤ民族に伝え,近親相姦は伝えなかったことなどについて,さらにそのミームはギリシアのテーベに伝わる説などについて書かれている.なかにはLevinという(寄生虫と性とinbreedingについての最初の論文執筆者)の名前が旧約聖書のLeviからのものであり,Levine, levene, Lewisなどはすべてここから派生したユダヤ姓だとかの脱線があり,いかにもハミルトン的.
最後の結論としてはinbreedingの深い理解はまだなされていないことが力説される.
いやこの章は深い読み物でした.結論はもとより,ハミルトンの考えすら明確には述べられず,エジプトを巡る晦渋と合わさってぐるぐる回る論考の中,ナチュラリスト的な詳細がきわめて楽しい.読者としてもinbreedingの謎の深さに打たれます.