復刻書籍情報 「兵隊を持ったアブラムシ」

兵隊を持ったアブラムシ

兵隊を持ったアブラムシ


青木重幸によるアブラムシの兵隊カースト発見物語「兵隊を持ったアブラムシ」は1984年の出版.長らく絶版品切れ状態であり,さらに昨年末に版元のどうぶつ社が活動を停止していたが,今回丸善から復刻の運びとなった.
本日発売扱いということで,早速書店で現物を確認してきた.外見的には白いカバーの上品なペーパーバックになっている.内容的な改訂はなく,フォントなども活字による原本そのままで,写真製版のようだ.ただし最後に著者自身による「復刻にあたって」が収録されている.今回は改訂なしの復刻ということで学名などの変更を反映できなかったことにふれた後,この30年間に第2章,第3章のツノアブラムシについてのリサーチが進んでいること,本書執筆後のハミルトンとの出会いとその想い出などがつづられている.
本書は単なるナチュラリスト的な発見物語にとどまらず,若手リサーチャーの研究物語としても秀逸で,かつかなり突っ込んだ行動生態学の理論が取り上げられていて,内容的にも深く読み応えのあるものだ.そして(著者もこの「復刻にあたって」にやや遠慮がちに書いているように)理論的に深く踏み込んでいるにも関わらず,その骨格において30年経過した現在も,ほとんどそのまま通用するという見事な本だ.
とにもかくにも復刻を喜びたい.


兵隊を持ったアブラムシ (自然誌選書)

兵隊を持ったアブラムシ (自然誌選書)

原本の私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20130316

系統樹の森


今週は神保町で「東京名物神田古本まつり」が開かれていて,現在靖国通り沿いはワゴンセールの真っ最中だ*1.それを覗きがてら,すぐ近くの神田錦町の竹尾見本帖で開かれている「系統樹の森」展を訪問してきた*2
さすがにグラフィックデザイナー肝いりの展示で超おしゃれだ.尋ねると撮影可ということで楽しく写真など撮りながら眺め歩くことができた.ほとんどは系統樹曼荼羅にある図だが,大きく表示されているのでまた異なる味わいがある.入場無料.なお展示は11月22日までということだ.




これはお宝ものの原図本

印刷見本のような展示:控えめな商売っ気が渋い


関連書籍

系統樹曼荼羅―チェイン・ツリー・ネットワーク

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*1:週末にはブックフェスティバルが予定されていて,さらにすずらん通り,さくら通り,集英社広場前で「本の得々市」等のイベントが開かれるようだ.

*2:本当は25日のスペシャルトークに参加したかったのだが,都合がつかず断念したものだ.