公開シンポジウム「人間とは何か―ヒトとそれ以外の霊長類の比較研究から分かること」


10月4日(日)に京都大学霊長類研究所の主催で公開シンポジウムが開かれたので参加してきた.場所は東大本郷キャンパスの赤門を入ったところのすぐ北側に安藤忠雄の設計で昨年3月に竣工なった「福武ホール」.コンクリート打ちっ放しの壁の奥に地上1階,地下2階の細長い建造物ができていて,カフェなども併設されている.なかなか最近は東大もおしゃれになったものだ.


これはベネッセが後援している比較認知発達研究部門の成果発表でもあるということで,ベネッセ(旧福武書店)がスポンサーということのようである.ベネッセ主催ということで女性の方の参加も多くその意味でも独特の雰囲気のシンポジウムとなった.会場では最近京大霊長類研究所が講談社ブルーバックスから出した「新しい霊長類学」も展示販売されていたが.これはベネッセ買い上げ分で,収益金はチンパンジー保護運動に寄付され,松沢先生のサインもいただけるということだった.早速私も買い求めて,松沢先生にサインしていただいた.1人1人にチンパンジーのイラストまでふくめて丁寧にサインされていて,ひたすら恐縮である.


構成は第一部が研究成果発表会ということで研究者3名からそれぞれの研究を1人30分で発表.休憩を挟んで第二部は,松沢先生よりキーノートスピーチ,そして東大から参加された長谷川寿一先生が司会になって会場からの質問に答える形でディスカッションというものだ.


第一部


発表会に先立って,霊長類研究所の所長からの研究所の紹介ということで松沢哲郎先生から簡単なスピーチがある.霊長類の概説とか,ニホンザルは分布の北限であることとか,研究所の活動などを紹介されていた.「新しい霊長類学」の宣伝もされていたが,京大の自由な伝統にもかかわらず研究所のすべての研究者が執筆に参加してくれたことや,松沢先生が読んでもなかなか深い味わいがあるのだと上手な宣伝振りであった.


「意識と情動」 佐藤弥


チンパンジーではなく主に人間についての研究
人間を内観で把握しようとするとそれは意識ということになるが,これまで意識については知覚と情動に大きく分けられるという提案が多い.そこのメカニズムについてよりリサーチしてみたというもの.
先行研究で扁桃体が情動を司っていることがわかっている.この扁桃体の情報処理は皮質下経路(視覚情報などの刺激が皮質を経由せずに直接扁桃体に伝わっているらしいこと)閾下情動処理(意識できない瞬間的な刺激にも情動が反応すること)からかなり素速いのではないかと考えられていた.それを検証してみた.
てんかん治療中で脳に電極がある被験者の協力を得て,様々な表情の顔の写真を短い時間ディスプレーに出し,性別判定というタスクをしてもらう.扁桃体周辺の電極の脳波の波形解析をすると怒り顔,幸せ顔,中立顔で波形が異なる.135ms中心に情動にかかる反応があると推定される.これは意識的な感情把握(200-300ms)より早いタイミングとなる,
次にそのような扁桃体による情動反応が,意識的な知覚の促進効果を持つかどうかを調べた.怒り顔,逆顔(モーフィングで中立顔-怒り顔で作る)を中立顔がたくさんある中に混ぜて,違う顔が混ざっているかどうかを答えさせる.怒り顔の方が有意に速く答えられることから見て情動処理が何らかの促進作用を行っているだろうというもの.


意識は後追いの処理だということについて,またも強力な証拠がみつかったということだろうか.最後の怒り顔と逆顔が純粋の認知タスクとして同じぐらい難しいのかどうかについては疑問もある.当然適応的には怒り顔に対してより早く反応した方がよいし,それが情動回路の促進を受けている可能性があるとは思うが,あるいは皮質の顔判別モジュールたる知覚回路に実装されている可能性もあるのではないかという気もした.


チンパンジーの認知発達研究」 林美里


京大霊長類研究所で飼育しているチンパンジーを使った認知実験.

  • <積み木>立方体は割と簡単に積み上げることをおぼえる.三角柱には手こずるが,最終的には平行な面を見つけて積めるようになる.この点ではヒトの子供の認知発達と大きな差はない.
  • 入れ子カップ入れ子カップを中に入れていく戦略として,まず小さな入れ子を完成させて,その全体を1つの部品として一度に動かして次の大きなカップの中に入れるという手順(部品集積戦略)があるが,チンパンジーでも最終的にはそれができるようになる.しかしヒトは3歳ですぐにその手順だけを使って非常に速く組み上げることができるようになるが,チンパンジーはその段階にに達することはない.
  • <積み木を手本通りの色の配列で積む>チンパンジーは2個までならできるが3個になるとできない.完成確率はチャンスレベルを超えない.

ここまでをまとめると,チンパンジーは物理的なルールについてはできるようになるが,社会的な(恣意的な)ルールに従うということは苦手なようだ.では自分で決めたルールに従うことはできるかを今調べている.予備的には色3種類,形3種類の9個の組み合わせを縦横にそろえるということができるかどうかを調べているが,どうも可能なようだ.

  • <野生チンパンジーのナッツ割りの観察>子供はじっと見ておぼえるが,なかなかできなくて何年もかかる.どうも3つのオブジェクトの関係を把握するのが苦手であるようだ.また大人は決して教えようとしない.
  • <そのほかのエピソード>32歳のオスチンパンジー,アキラと楽しそうに遊ぶ女性研究者の姿,脊髄炎で下半身不随から賢明のリハビリで回復しつつあるオスチンパンジー,レオの様子が紹介された.(なお霊長類研の研究者は皆,松沢先生の薫陶よろしく,チンパンジーについて「男性」「女性」「3人」という言い方に見事に統一されていて決して「オス」とか「メス」とかいわないのが印象的だった.)


チンパンジーとヒトとの認知的な差の基底部分は社会性にあるということがよくわかるプレゼンだった.動画を見ているとチンパンジーの認知世界が本当にヒトと近いことがよくわかる.(三角柱の積み木がなかなか積めず,試行錯誤のなかで2列に並べた上に積み上げて,できたよといわんばかりの成体のオスチンパンジーの様子と,女性研究者にやんわり駄目といわれてしょげる様子とかはフロアにも受けていた)


「乳幼児の視覚世界」 井村知子


視覚の初期発達のうち上からの光源による影によって凹凸を認知する能力はいつ頃から生じるか,光源は1つで上からという前提条件は生得的かということをリサーチ.
どちらに手を伸ばすかを見るという方法で行ったところ,ヒトでは7ヶ月時,チンパンジーでも1歳未満で凸に見える方に選択的に手を伸ばしており,種によらず初期発達するようだ.
また光源が上からという前提も,多くの凸面の中に凹面を埋め込んで,よりどちらを見つめるかというテストを上から光源のものと右から光源のもので比較したところ,これもヒトとチンパンジーで差がなく,非常に早い時期から上から光源のものだけに反応する.おそらく光源の前提まで含めて生得的なのだろうと結論していた.後のディスカッションでも触れられていたが,この光源上からという前提は,顔を横に向けただけで奥行き知覚が難しくなることから見て相当基礎的な部分で決まっているようだとのことであった.(よりハードウェアに近い部分に実装されているということだろうか)

次にボールが奥に動いたのか浮き上がったのかを影の動きから知覚できる能力についてもリサーチした.ヒトとニホンザルの幼児(チンパンジーの赤ちゃんは実験時にいなかったのだろう)にまず左下から右奥に動くボールと見せて見飽きさせておいてから,左下から右上に浮き上がるものと右下から左奥に移動する画面を見せてどちらをより見つめるかを見る.これもヒトニホンザルともにかなり早い時期(ヒトで4,5ヶ月齢)で区別できる(つまり浮き上がる方をより長く見つめる).
これも後のディスカッションで触れられていたが,影による奥行き知覚が野生状態でそれほど役に立つのかという疑問がある.しかしこれが私達に実装されているのは確かなので何らかの有利性があったのだろう.

結局結論としては視覚情報から奥行きに関する認知を行う能力には霊長類共通のものがあり,それは生後半年程度で表れる生得的なものだろうということだった.




第二部


基調講演 「人間とは何か」 松沢哲郎


最初にチンパンジーのリサーチについて霊長類研究所の飼育施設と実験室での研究とボッソウでの野外の研究のやり方などについて前振り.

<生活史>
そこから興味深いチンパンジーの生活史の実データが紹介された.チンパンジーのメスは15歳ぐらいから45歳ぐらいまでインターバル5年程度で出産し続ける.そしてこれをクンやアチェのヒトのデータと比較して見せてくれた.おおむね言われているとおりではあるが,やはり生データは迫力がある.
そこから現れるヒトの特徴は,出産インターバルが短く閉経時期を持ち,離乳後離乳食を与え,母だけでなく父親祖母などでよってたかって子供の世話をするということになる.


ここから霊長類全体の視点から見た大型類人猿の特殊性,そしてチンパンジーとヒトとの差を整理する.

  • 哺乳類 母が子に母乳を与え子育てを行う
  • 霊長類 子が母にしがみつく
  • 真猿類 母が子を抱く
  • 大型類人猿 互いに見つめる
  • ヒト あおむけ姿勢に寝かせる


そしてこのあおむけに寝かせる姿勢こそが(直立二足歩行より重大な)ヒトの姿勢としての最大の特徴であり,これにより見つめ合うコミュニケーションがよりとれるようになる,早い時期に両手が自由になり,声のやりとりを促進したのだと主張された.ご本人もこの講演は「新しい霊長類学」のプロモーションを兼ねていると認めていて,この「あおむけこそヒトの最大の特徴説」はかなりキャッチーな強調の仕方だった.
さすがに直立二足歩行の方が重要だと思われるが,でもあおむけ姿勢がさまざまに進化過程に影響を与えた可能性は十分あるのではないかとも思われ興味深い.


<言語>
次にチンパンジーとの比較から見たヒトの言語特徴についての話になる.

  • 音韻論:チンパンジーでも喉頭下降は生じている
  • 意味論:刺激等価性の不成立;チンパンジーは色のついたパネルと見て「赤」「青」「黄」「橙」などという漢字を選ぶ訓練(難しい漢字を8種類もおぼえて色と関係づけている)をしてできるようになった後,逆に漢字のパネルを見て色のパネルを選ぶ課題をあたえても,これをこなすことができない.つまり実物からマークがわかってもマークから実物を選ぶことができないのだ.これは後のディスカッションでも取り上げられ,松沢先生は,これはA→BだからといってB→Aとは限らないのだから論理的にはむしろ当然で,これが簡単にできるヒトというのは非常にシンボルとかカテゴリーに対して進化適応しているのだろうと主張されていた.

確かにヒトであっても「リンゴ」→「赤色のパネル」というタスクをずっとやらされて,「赤」と聞かれたら,それはリンゴだけでなくトマトもトウガラシもあるからと戸惑ってしまうだろう.「赤」という漢字がシンボルであるという認知があまりにも自然なのがヒトの特徴で,それは言語,シンボル,カテゴリーに関連する現象なのだろう.

  • 統語論:行為の文法;「A近づくB」と「B近づくA」の違いの区別はチンパンジーには難しいようだ.ボッソウのナッツ割りを見ていると台とナッツとハンマーという3体の関係の理解が必要になるが,若いチンパンジーはなかなか理解できない.後のディスカッションでは,チンパンジーとヒトの認知の大きな差の1つに3項関係の理解があるのではないかということが取り上げられていた.
  • 語用論:チンパンジーは教えるということをしない.じっと見て自分でやるだけだ.


<記憶,ないものを想像できる能力>
最後にヒトとチンパンジーの認知的な心の差異について.これは大変興味深かった.

  • チンパンジーの子供にはヒトにはできない素晴らしい短期記憶能力がある.0.2秒提示された8個の数字の位置を10秒たっていても記憶できるのだ.これはヒトには絶対にできない,半年訓練しても6個までだ.
  • チンパンジーは自由描写の絵を描くが,例えば顔の輪郭を与えると,それをなぞるだけで,中に目を入れたりはしない.これはヒトの幼児と対照的だ.
  • レオというチンパンジーは25歳の時に脊髄炎を発病して首から下が動かせなくなった.幸い皆の手厚い看護で回復しつつあるが,そういうつらい状態でもチンパンジーは泣き言を言わない.淡々とそれに耐えている.
  • これらのことからわかるのは,チンパンジーとヒトでは,その想像の世界の時間と空間の広がり方がまったく違うということだ.要するにチンパンジーは今そこにあるものだけを見ている.ヒトは過去と比較し,未来を想像し,その場にないものを考える.過去も未来もなく今しかないからレオは絶望しないのだろう.そこにあるものだけに集中する心がアユムの短期記憶能力のベースになっているのだ.そこにはヒトとチンパンジーの大きな違いがあるようだ.


語り口はソフトだが,チンパンジーをよく知ることからヒトの特徴が浮かび出てくるプレゼンは見事だった.今日は「あおむけ」だけでもおぼえて帰ってくださいということだったが,「あおむけ」よりは「シンボルを見る心」「今ここだけではない心」の話の方が興味深かったように思う.



ディスカッション


最初に司会の長谷川寿一から短いプレゼン.
ダーウィンの進化ノートから「最初の系統樹」,そして最新のDNAデータから見た大型霊長類の細かな集団まで降りた分子系統樹を提示.ダーウィンの慧眼を印象づけた後で,ヒトは確かに大型類人猿の一員で,しかもある種のチンパンジーであると言ってもよいということをよくわかる形で見せていた.


ここからは会場から休憩時間に質問票の形で寄せられた質問をもとに発表者の意見を聞いていくという形.そして面白そうな話題については司会からも質問が出るという形で進行した.

  • 怒りの表情に反応するのはそれがリスクだからか;そのように捉えた方がいいと思う.そういう方向で研究を進めたい
  • チンパンジーは周りを見て習うというが,よく見る時期はあるか,よく見た方が達成度が高いということがあるか,能力差はあるか;子供時期を通じてずっと見ている.見てすぐにできるようになるわけではないのでそのような直線的な関係はないようだ.アユム,クレオ,パルの3頭について性格の差はあるが,能力差があるということではない.
  • チンパンジーはインターネット電話のような形でコミュニケートできるのか;おそらく難しい.視覚情報として楽しむことはできるだろう.
  • 視覚聴覚以外についてはどうか;研究としては手つかずだ.嗅覚,味覚の初期発達はヒトと似ているという先行研究はある.
  • チンパンジーは絶望しないというが母が死んだような場合に喪失感は感じないのか;絶望しないというのは,自分の過去やこれからの将来のことを考えて絶望しないという意味.母を失った子は明らかに喪失感を感じ鬱状態になる.
  • 情動感覚について種間差はあるのか,チンパンジーではどうなっているのか;データはない.しかし行動から見て同じようなシステムになっているのではないかと考えられる.チンパンジー扁桃体がどうなっているのかについては明確なデータがない.エクルスという学者が解剖からチンパンジー扁桃体が小さいと発表したことがあるが,京大でMRIを見ている先生はそんなことはないと否定的だった.
  • 奥行感覚については他のサルでも同じか;奥行感覚についてはハトにもウマにもある.ヒトの奥行感覚の特徴は多くの手がかりから総合して奥行感覚を得ていることだ.他の動物でそのあたりがどうなっているのかの研究はこれから.
  • チンパンジーのどのように実験に協力してもらっているのか;小さな果物のかけらを報酬として与えている.しかし単にその報酬からだけということではなく,信頼関係が重要だと思われる.研究者と各チンパンジーの相性もある
  • うつぶせで育てるという方法もあるが;霊長類から由来するヒトの幼児の欲求としてお腹が何かにあたっていると安心するというものがあって,うつぶせが不自然な体勢であるわけではない.しかしヒトはあおむけに耐えられるというところが独特なのだ.最近では胎児研究が進んでいて,チンパンジーの胎児は小さな子宮で窮屈な姿勢だが,ヒトは大きな子宮,たっぷりの羊水の中で浮かんで自由な姿勢を取っている.今後はこれこそヒトの特徴だということになるかもしれない.
  • 西洋では感情は理性を阻害するものとして捉えられてきた歴史もあるようだが,今後の情動研究の方向は?;理性と感情の拮抗モデルは現在の知見からすると正しくない.感情システムは明らかに生存に役立つ適応的なシステムだ.もちろんネガティブな面もあるが,長所短所を双方見ながら研究を進めていくという方向だと思う.
  • EEAとのずれがネガティブ面をもたらすのか;難しい問題だ.しかし例えばネット時代のコミュニケーションに難しい問題があるのはまさにそういうことだろう.
  • 入れ子カップの部品集積型戦略がチンパンジーにとって難しいことと言語の関係はどうか.何故ヒトはできるようになったのだろうか;これに関するヒトとチンパンジーとの差は1か0かという差ではなく,レベルの深さが違うのだと思う.またカテゴリー化にしてもチンパンジーはそれなりにできるようだ.
  • 影の動きによる奥行知覚は本当に野生において役に立つのか;わかっていない.影を見て何かを知覚しているかどうかの観察は難しい.
  • A→Bを聞いて,B→Aという(論理的には間違った)推測ができるというヒトの認知特性は,進化的に見て何故生じたのだろうか;これはシンボル,カテゴリーと関係があるのだろう.ヒトに関してはシンボルを使いこなすことに適応的な価値があったのではないか.集団狩猟の意図を伝え合うにもシンボルは役に立っただろう.
  • チンパンジーの心の理論や他者理解についてはどうか;積み木が積めたときのビデオを見るとわかるが,チンパンジーの子供は何か達成して喜んでいるときも決して母親の方を見ないし,母親がほめることもない.ここにあるものと自分の二項関係しかないのだ.これは母子の絆とは別の問題だ.

このあたりで時間となってシンポジウムはお開きになった.考えてみれば,2000年4月にアイがアユムを出産してから数ヶ月のうちにさらに2頭の出産が続き,この3頭の赤ちゃんチンパンジーを使って様々な認知発達研究が行われているとは聞いていたが,その一端を見せてもらったことになる.様々な具体的なエピソードや研究事例を聞いていると,ヒトとチンパンジーがいかに似ているか,そして何か決定的なことが違うのだということが体感できて大変得難いシンポジウムだった.第二部の冒頭で,長谷川先生が,「松沢先生とは長いつきあいだが,最近どんどん聖人のようになってこられている」と紹介があったが,松沢先生の穏やかな様子はまさにそういう印象でとてもよい雰囲気のシンポジウムであった.ともあれ主催者の先生方,並びに事務局の皆様には改めて感謝申し上げたい.




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