「考える寄生体」

考える寄生体―戦略・進化・選択

考える寄生体―戦略・進化・選択


従前紹介したマーリーン・ズックの本が訳されたようだ.
この本は病原体や寄生体に関して進化生物学的視点から書かれた大変良い啓蒙書であり,邦訳されて大変喜ばしい.
もっとも邦題の「考える寄生体」はかなりひどい.寄生体は進化適応するだけで決して「考えて」いるわけではない.そう思ってよく見るとこの手の本をあまり出したことのないような出版社であり,編集者はまったく進化生物学的素養がないのだろうと思われる.訳者もこの手の本では見かけたことのない名前だ.とりあえず,カバーデザインは上品だとほめておこう.

あくまで原書の書評ということで以前の書評へのリンクをおいておこう.
http://d.hatena.ne.jp/shorebird/20071105





関連書籍


原書

Riddled with Life: Friendly Worms, Ladybug Sex, and the Parasites That Make Us Who We Are

Riddled with Life: Friendly Worms, Ladybug Sex, and the Parasites That Make Us Who We Are


マーリーン・ズックの本

性淘汰―ヒトは動物の性から何を学べるのか

性淘汰―ヒトは動物の性から何を学べるのか

処女作.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20081103



同原書

Sexual Selections: What We Can and Can't Learn About Sex from Animals

Sexual Selections: What We Can and Can't Learn About Sex from Animals