- 作者: W. D. Hamilton,Mark Ridley
- 出版社/メーカー: OUP Oxford
- 発売日: 2006/01/12
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第10論文というより記事
Inbreeding in Egypt and in this Book : A Childish Perspective (1993)
今日は2ページ
無性種とその生息環境について
そうやって単為発生やインセストによって実質的に無性になった生物はある環境下ではより絶滅せずにつづきやすいように思える
そのような環境
1.雑草が生えるような厳しく単純な環境
2.きわめて特殊なスペシャリスト(ニッチというよりクラニー)
3.大きな防衛者の影で生きる
ここからは無性種とその生息環境のナチュラルヒストリーがつづく
キクイムシ:木の奥でインセスト.キノコの分散を助ける,できるだけ速く死んだ木を見つけてもっとも奥深く潜り込む
イチジクコバチ:イチジクの実の中でインセスト,受粉を助ける.
キクイムシもイチジクコバチもメスの体には胞子や花粉を運ぶ窪みが進化している
(要するにホストを助けるような生物はホストから攻撃を受けないので無性でいられるといいたいらしい)
すると人の睫毛につく無性のダニも単に無害なのではなく(たとえば別の感染から目を守るような)人の役に立っているのかもしれない.ギョウチュウもそうなのかもしれない(ギョウチュウは半倍数体)
雑草やそれから栽培植物となった植物もよく自家受粉的.そして分散的で短命であるのがoutbreedingする近縁種と対照的.
また砂漠の生物には無性的なものが多い.トカゲ,サボテン,カダヤシ,エビなど
氷河のモレインに育つ草やエジプトの砂漠に育つタマネギも自家受粉的(viviparous(胎生)を植物に使うときはこういう理解でいいのだろうか)無性のカゲロウやユスリカは分布限界に生息しているし,ぎりぎりの浅い潮だまりには無性の甲殻類がいる.
このような環境と無性との謎に迫る前に雑種強勢について整理しよう
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この脱線ぶり,博覧強記ぶり,ナチュラリスト臭さ,いやたまりません.
元々のInbreedingについての本ではエピローグとして採録されていたらしい.アマゾンで眺めているとこの本まで読みたくなってきます.
The Natural History of Inbreeding and Outbreeding
The Natural History of Inbreeding and Outbreeding: Theoretical and Empirical Perspectives
- 作者: Nancy Wilmsen Thornhill
- 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
- 発売日: 1993/06/01
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