
- 作者: ダニエル・C・デネット,阿部文彦
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2010/08/25
- メディア: 単行本
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以前私が書評したダニエル・デネットの「Breaking the Spell」の邦訳が「解明される宗教」という題で出版された.
この本は,パスカル・ボイヤーの「Religion Explained」(邦題「神はなぜいるのか?」)やスコット・アトランの「In Gods We Trust」などの宗教を進化的に説明しようとした試みの流れを受けて出版されたもので,宗教を非常に巧妙な適応的な特徴(「信仰の信仰」,不可解な教理,管理者の存在など)を持つミーム複合体として説明した上で,それが人にとって有用かどうかを議論しているものだ.(当面の結論としては,「人にとって有用であるとは限らないのでリサーチが重要だ.少なくとも子供への無条件の洗脳の権利を親に認めるべきではないのではないか」というものになっている)またドーキンスの「The God Delusion」(邦題「神は妄想である」)は本書の後の出版になっている
デネットは非常に誠実で明晰な議論を繰り広げており読んでいて大変啓発的だ.(これに比べるとグールドやコンウェイ=モリスの議論が,結論の是非は別にしても,いかに粗雑かがよくわかる)
私の原書の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20070218,読書ノートはhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20061023以降に掲載している.
原書

Breaking the Spell: Religion as a Natural Phenomenon
- 作者: Daniel C. Dennett
- 出版社/メーカー: Viking Adult
- 発売日: 2006/02/02
- メディア: ハードカバー
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これに先立つボイヤーの本.この題名が「解明される宗教」になっているのは,「解明される意識」を出版しているデネットへのオマージュなのかもしれない.この本の邦題は「神はなぜいるのか?」そう考えると今回のデネット本の邦題はなかなか興味深い.

Religion Explained: The Evolutionary Origins of Religious Thought
- 作者: Pascal Boyer
- 出版社/メーカー: Basic Books
- 発売日: 2002/05/01
- メディア: ペーパーバック
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邦訳 私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20080505

- 作者: パスカルボイヤー,Pascal Boyer,鈴木光太郎,中村潔
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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同じくアトラン本.これはまだ邦訳されていない.

In Gods We Trust: The Evolutionary Landscape Of Religion (Evolution and Cognition Series)
- 作者: Scott Atran
- 出版社/メーカー: Oxford University Press
- 発売日: 2002/11/12
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これらの本の議論の後に出版されたのがドーキンス本だ.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20070221,読書ノートはhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20061201以降にある.

- 作者: Richard Dawkins
- 出版社/メーカー: Houghton Mifflin Harcourt
- 発売日: 2006/10/18
- メディア: ハードカバー
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- 作者: リチャード・ドーキンス,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05/25
- メディア: 単行本
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