「親切な進化生物学者」

親切な進化生物学者―― ジョージ・プライスと利他行動の対価

親切な進化生物学者―― ジョージ・プライスと利他行動の対価


以前私が書評したOren Harman の「The Price of Altruism」が邦訳され,本日発売された.
私の原書の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20101028

この本は,プライスの共分散方程式を導き出し,ウィリアム・ハミルトンやジョン・メイナード=スミスと交友し,包括適応度理論の拡張や進化ゲーム理論の創出に関わった奇矯な学者ジョージ・プライスの伝記であり,ちょっとした利他行為の進化理論史にもなっている.訳されて大変喜ばしい.
なお原題はプライスのファミリーネームと利他主義の「代償」という意味でPriceの2義を活かしたしゃれたものになっているのだが,さすがにこれを日本語にするのは難しかったようだ.


なお本書の価格は税別4200円,原書のKindle版だと$11.99(為替78円として936円程度)なので,ちょっと残念な価格設定になっている.


原書

The Price of Altruism: George Price and the Tragic Search for the Origins of Kindness

The Price of Altruism: George Price and the Tragic Search for the Origins of Kindness