「Snakes, Sunrises, and Shakespeare 」

Snakes, Sunrises, and Shakespeare: How Evolution Shapes Our Loves and Fears

Snakes, Sunrises, and Shakespeare: How Evolution Shapes Our Loves and Fears


本書は鳥類が専門の行動生態学者ゴードン・オリアンズによる進化心理学本だ.特にヒトのハビタットセレクションにかかる選好,感情を重点的に扱っている.副題は「How Evolution Shapes Our Loves and Fears」
ヒトが,水辺に草原があり大きく枝を広げた樹木があるような景色を好ましいと感じるのは,それがアフリカのサバンナにおけるリソースが豊富でリスクの少ない環境の指標であるからではないかという議論は,進化心理学創設時の記念碑的論文集「Adapted Mind」においてすでにオリアンズとへーワーゲンの共著論文*1という形で収録されていて,最初に読んだときにはなるほどと思ったものだが,その後これを深める議論にはあまり出会ってこなかった.本書はその後20年のオリアンズ自身の考察の積み重ねが書かれており,大変興味深いものだ.


第1章は導入部で,アフリカにおけるミツオシエとヒトの協力行動の記述から始まる.先史時代の私たちは貴重な栄養素として蜂蜜などの糖分の甘さを魅力的に感じるように適応した.そして私たちの感情世界にはこのアフリカのサバンナにおける適応問題が大きく影を投げかけているのだ.またオリアンズは自分自身の子供の頃からのバードウォッチングへの嗜好にもそれが大きな影響を与えているのだと知ることになったと記している.感情は自然淘汰により進化した適応だから,感情を揺さぶるような好みというのは重要な適応問題が背後にある印なのだ.


第2章では,「現在では失われた過去環境に関する適応の残存」(オリアンズはこれをゴーストと呼んでいる)という問題を扱う.まず感情の進化的な議論が語られる.感情の考察は古代ギリシアからなされているが,近代的な感覚の科学は18世紀から,そして感情の進化的な考察はダーウィン以降ということになる.ダーウィンはヒトの感情表現にはユニバーサルがあるのではないかと考えて調査・実験を行い,「The Expression of the Emotions in Man and Animals」という本を出している.基本的にヒトが何かを好むのは,その何かが好まれる性質を本質的に持っているのではなく,それがヒトに正の適応価をもたらすからだと考えられる.そしてその適応価は進化環境にあったものであり,現在の環境がそこから大きく異なっていれば,ある意味ゴーストであることもあるはずだ.
オリアンズは,絶滅した北米のチータに適応した北米のプロングホーンの逃げ足の速さを使ってゴーストを説明した上で,ヒトについての例として学童期におけるジャングルジムへの嗜好の性差(女の子の方が先に飛びつき,遊ぶ頻度は多く,落下頻度は少ない)をあげ,それが女性が樹上の果実などを採集していた過去の狩猟採集環境と関連している可能性を示唆する*2.現在ではあまり見かけなくなったジャングルジムだが,女の子の方が先に飛びついていたような記憶はあまりなく,本当にユニバーサルにそうなのかというところも含めて興味深いところだ.
では狩猟採集時代の人類にはどのような適応問題があったのだろうか.オリアンズはこれを5つに整理し*3,様々な狩猟採集生活の問題解決スキルについて順不同で解説している.その中で特に本書のテーマにおいて重要なのは,このようなスキルの中には,特定の種類の情報にフォーカスさせたり切り捨てさせたりする「情報フィルター」があることだ.それは生物学的な生得知識といってもいい.


第3章ではこの情報フィルターについてより詳しく論じる.なぜ環境変化に対応できない生得的知識,情報フィルターが進化するのか.それはすべてを学習にするのはコストが高くつくからだ.
オリアンズはこのような生得的知識の例として.空間,時間,因果についての直感的知識,腐っているものへの嫌悪,などをあげている.
これらは適応としての行動に結びついており,ある刺激は行動へのアフォーダンスとして作用する.刺激には,景観,動植物,他人の表情,季節変化の徴候などがある.これらは視覚刺激であることが多いが,そうでないものもあるし,反応も年齢とともに変わっていくことがある.このあたりは進化心理学認知科学ではよく取り上げられるところで,ある意味おなじみだ.次章以降のテーマに関連するので詳しく解説しているのだろう.


第4章から第6章までは地形景観に対する好み,ハビタットセレクションにかかる各論になる.人類はアフリカのサバンナで進化した.そして出アフリカ後も好んでサバンナ,水場,岩場の混ざったような場所に住み,洞窟絵画などにもその影響が見られる.
動物がより適応的な住み場所を選ぶことはハビタットセレクションとして進化生物学でリサーチされている.オリアンズはそれをヒトへ応用する場合の枠組みを示している.ヒトは,まず景観が与える情報を直感的に判断し,さらに探索してリソースやリスクの情報を集めて決断し,そしてより適した環境になるように改変を行う.
このような行動フレームの中でヒトはどのような基準で選択を行うのか.オリアンズはサバンナにおける適応課題が基準の中身にとって重要だったという「サバンナ仮説」を提唱している.まずヒトはどのようなものを生得的に注目するのだろうか,そしてそれは適応的に説明できるだろうか.オリアンズは個別の問題を詳しく列挙して解説している.ここはかなり詳しく論じられており,ユニークな指摘も所々にある.本書の読みどころの一つだ.いくつか紹介しておこう.

  • サバンナの人類にとってヘビは重要な脅威であり,ヒトには草むらの中に潜むヘビ感知視覚モジュール*4があるようだ.オリアンズは傍証として様々な文化のヘビへの執着を紹介している.もっとも他の動物(特にヒョウなどのほかのサバンナの捕食獣)との比較はないのでやや説得力に欠けるかもしれない.
  • 何か尖ったものの先端はリスクであり,有用な道具のリソースでもある.そしてヒトはこれに対して特別に注意する傾向がある*5
  • そのほかヒトは,ヒョウ柄,こちらを向いている眼*6,怒っている人の顔,危ない崖,滝にも注目する.それぞれ重要な適応問題が背後にあると説明できる.
  • 水場は貴重なリソースの源であり,かつ危険であることから特に引きつけられる.
  • 暗闇はリスクであり,それに対する恐怖反応があるし,それを予告する夕日には(朝日と異なり)特別に感情をかき立てられる.
  • これらの反応は年齢とともに変化することがあるが,ある年代の実際のリスクの大きさと反応の大きさはおおむねリンクしている*7
  • アラームシステムの過敏性はフォルスネガティブのリスクの大きさを考えれば適応的で,恐怖症へのなりやすさはそこから説明できる.

ここからオリアンズは特に景観への好みを詳しく論じている.冷戦時代にアメリカへ亡命したロシアの画家コマーとメラミッドは風景画のマーケティングリサーチを行い.アメリカ人に最も好まれる要素を突き止めてそれを絵画にした.それは水辺に草原と樹木があり動物が描かれている.おもしろいことに彼らは多くの国で調査を行い,似たような結果を得ている.景観への好みはヒューマンユニバーサルなのだ*8.これらの要素は公園,庭園,墓地のデザインにも見ることができる.
オリアンズは自分のサバンナ仮説とアップルトンの安全なレフュージ仮説(自分は安全で遠くまで見通せる場所を好む)を念頭に置きつつ,サバンナの情景,有名な公園,庭園のデザイン史を詳しく見ていく.基本的に両仮説は排他的ではなくそれぞれ当てはまるということだが,詳細には力が入っていて,ここも読み所になっている.

  • サバンナの樹木は,丈の短い草原に生え,基本的に大きく広がった樹形をしており,小さく複雑な広葉を持ち,主幹は樹高に対して短い.これらは肥沃な土地を示すとともに,登りやすく安全な逃げ場所になり,快適な木陰を提供する.これらは公園に好んで植えられる樹木の特徴によくフィットする.
  • 様々な樹形のシルエットを被験者に見せて好みを答えてもらうアンケート調査でも,サバンナ的な樹形が好まれるという結果が得られる.子供は登りやすいアカシアのような樹形が好きだ.これは大人になると少し変わる.逃げ場としての価値が相対的に変わるからかもしれない*9
  • 進化環境で水は重要だった.庭園に水を配置しようとする傾向,水辺の見える住宅用不動産価格が高い傾向はユニバーサルだ.価格上昇は山が見えることに比べて大きい.
  • 日本庭園は平安のものと禅宗の影響を受けたものでテイストが異なるが,サバンナ的な特徴は保たれている.ともに水辺の要素を持ち(禅宗庭園の場合には砂で表されているが),ともにカエデ類,ナラ類,マツが好まれ,垂直に高い樹木はまれだ.カエデ類は特に好まれているが,葉が複雑で水平に広がる樹形を持ちサバンナ的だ.剪定もあまり高くせずに水平の枝振りを生かす形が好まれる.
  • 西洋庭園は日本庭園とかなり異なるが,いくつかの構造的な特徴は共有している.ヴェルサイユ宮殿の庭園は常に水が見える巡回路を設けている.ルネサンス期のイタリア庭園にも噴水や泉水は必須の要素になっている.規則的な造形に見えるが,実際に歩くとサプライズ要素が配置されている点も共通している.
  • 遠景に平原や山が見える風景も好まれる.日本庭園には借景という技術があるし,西洋庭園でも見られる.英国流造園技術のha-ha*10はその意味では重要な発明だ.
  • 19世紀の英国の造園家の仕事を見ると,まっすぐな境界を曲げ,密な樹木は減らし,特に遠景を妨げる樹木を取り除き,残る樹木も幹のできるだけ低いところで分岐が生じるように剪定し,小さな茂みを作る.芝刈り機と温室は芝生と四季絶えることのない草花の設置を可能にして造園技術を大きく変えた.
  • キリスト教イスラム教の天国の描写にも,果実,木陰,泉など肥沃なサバンナ的な要素が多く見いだされる.逆に地獄には業火,荒れ果てた土地のイメージがあるが,リソースリッチなサバンナのイメージは全くない.

所々強引な議論もあるが,多様な例を持ち出しての詳しい考察は圧巻だ.オリアンズにとって日本庭園はサバンナ仮説を支持する重要なアイテムのようだ.要素的にはともかく,全体としての景観にあまりアフリカのサバンナとの類似性を感じることはないような気もするが,西洋人からみるとそうなのかもしれない.


第7章では食事に関する適応的傾向を取り上げる.
進化環境ではヒトは一旦どこか住み場所を決めたら,そこの食料生産力を高めるように努力しただろう.農業以前にも,野焼きをし,川の流れを変えただろう.飛び道具を使って遠距離からの狩猟を可能にし,獲物のサーチイメージを鋭敏化しただろう.狩猟の獲物は地位や魅力のディスプレーにもなっただろう.また食べられるものと食べられないものの見分け方もうまくなっただろう.
これらにより道具制作能力*11や投擲能力は磨かれ,獲物の足跡には敏感になり,(特に男性に)強い狩猟への動機を与え,植物の色*12や花に敏感になったことが説明できる.
雑食動物として何が食べられるかは後天的に学習するしかない.2歳以下の子供が何でも口に入れるのはこの学習にかかる適応*13として説明できる.何をおいしいと感じるかは進化環境における栄養価値で説明できる.また食べた後数時間以内に気持ちが悪くなった食物への嫌悪が生じることも,毒物や腐敗しやすいものを避けるという意味で適応的だっただろう.清浄さへ惹かれること,嫌悪という感情は対象が社会的なものも含めてこの食物への反応が基礎になっているようだ.スパイスへの好みも腐敗を避けるという適応価から説明可能だ.つわりも胎児への毒物防御適応として説明できる.
ここも進化心理学ではよく取り上げられるものが多い.オリアンズとしての様々な適応についてのわかりやすい整理ということなのだろう.


第8章では音楽を考察している.
オリアンズは最初に自分のリサーチしたハゴロモガラスの音声シグナルについてちょっと振った後でヒトの音声生活を考察する.ヒトが一見したところ特に有用に思えない音楽に大きく感情を揺さぶられるのはそこに何か適応問題があったことを示唆している.
ダーウィンは性淘汰を示唆した.しかしこれは最近まで無視されてきた.次の進化的な考察はそれを「副産物」と考えるものだ.またグループ淘汰形質だと考える論者もいる.
これらの3つの仮説に対して,オリアンズはまず音楽の歴史をさかのぼる.最初の証拠は旧石器時代の骨のフルートだが,おそらく歌や打楽器はかなり古くからあっただろう.だから最近の文化的産物ということはありそうもない.次に進化的に考察する際にはそれによる利益とコストがそれぞれ誰にかかるのかが重要だとここで断っている,これは信号らしいものを考える際,またグループ淘汰仮説が提示されている問題では特に重要なところだ.
オリアンズは感情を揺さぶる効果を重視して議論を進めている.言語から派生したものとしては使用される脳の部位が異なっている.動物の声の真似は狩猟において直接の利益をもたらす.これはスタートポイントとしてはあり得る.母子のコミュニケーションは感情を説明できない.警戒コールは信号者のメリットと感情を説明できるが,なぜ他の類人猿で生じないかが説明できない.
ここで議論はダーウィンに戻る.性淘汰形質として洗練されたとするとうまく説明できる*14とオリアンズは結論づけている.
音楽は進化心理学でも論争中のトピックで,ここでは自説開陳ということだろう.オリアンズの説明は込み入っているが,要するにグループ淘汰はただ乗り問題を解決できないし*15,副産物では強い感情喚起を説明できないから,何らかのスタートポイントに性淘汰が効いたというミラー説を採りたいということだろう.この後性淘汰説の補強として,音楽のユニバーサル性,どんな音楽に魅力を感じるかの分析を行っている.


第9章は嗅覚に関する適応.
嗅覚は果実や野菜の採集,配偶選択のマーカー,部族マーカーとして適応価があるだろう.また動物のフェロモンや微生物の産出物の検知にも役立つだろう.
オリアンズは有名なTシャツ実験とMHC検知,植物の防御アルカロイドと種子分散誘因アルコールの検知,香水の魅力*16,などを解説し,さらにこの分野にはまだわかっていないことが多いことを指摘している.


第10章は私たちの分類嗜好,蒐集癖について.
オリアンズはバードウォッチャーのクリスマスバードカウントにちょっと触れた後で,種数の多い自然は肥沃な環境の指標であり,その知識は狩猟採集の生産性を上げるので大きなアフォーダンスになっていることを説明する.
そしてそれは蒐集癖,分類癖,まれなものを珍重する心理を説明可能にする.オリアンズはさらにコレクションの大きさを自慢するのは性淘汰も絡んでいるのではとコメントしている.ここでは様々なコレクターの生態も紹介されていて読んでいて楽しい.


最後の11章はまとめになっている.進化心理学の初歩の解説の後,ヒトには過去の進化環境に基づく様々な適応性質があり,一部は環境の変化の結果ゴーストになっていることを強調し,これまで論じてきた各論が箇条書きにまとめられている.このあたりは教科書的で丁寧だ.
また進化環境での決断は瞬時のバイナリーな決断が要求されるものが多く,至近的なメカニズムとしてはカーネマンの指摘する心の二重過程のシステム1ようなものになること,なお社会科学ではヒトの心のブランクスレート性を仮定するSSSMに影響力があるようだがそれは誤りであること,性淘汰の効果は通常思われているより大きいこと*17,今後の環境問題,景観政策,個人の心の健康問題などにとって,ヒトの環境に対する感情適応を考慮することは重要だと考えられることなどをコメントして本書を終えている.


進化心理学の最も興味深い分野は協力の進化,フリーライダー検知,配偶者選択などの対人関係が絡んだ部分だ.しかしそれ以外にも適応的な行動傾向は多い.本書は特に進化環境におけるハビタットセレクション,聴覚,嗅覚,分類思考に関する適応を取り上げて詳細に論じており,やや地味ながら類書の少ない貴重な本になっている.オリアンズの議論は時に強引だが,様々な事象を取り上げて丁寧に議論していて,総説としても価値あるものになっていると評価できるだろう.また所々オタク的に脱線するのも楽しく,功成り名遂げた大家による悠揚迫らざる議論の回し方も味わい深い.多面的な魅力のある本だ.



関連書籍


The Adapted Mind: Evolutionary Psychology and the Generation of Culture

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進化心理学旗揚げの記念碑的な論文集.600ページを越える大著.既に20年以上経過しているがなお読む価値のある本だ.


人及び動物の表情について (岩波文庫)

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読んでみるとなかなか深い.ただ一人で道を切り開いたダーウィンの思索の跡がたどれる.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20061216



 

*1:論文タイトルは「Evolved Responses to Landscapes」Gordon H. Orians and Judith Heerwagen

*2:また4歳から5歳の男の子の恐怖はクローゼットの中の怪物で,女の子の恐怖はベッドの下の怪物なのだそうだ.オリアンズは女の子の方がより樹上で寝ることが多かったからではないかとしている

*3:住み場所,危険の回避,栄養取得,友人仲間との関係,上記4つのためになる中間ゴールを作ることをあげている.ここはちょっとよくわからない整理に思える.配偶や子育てについてコメントがないし,中間ゴールというのもしっくりこないような気がするところだ.

*4:分断されたヘビのウロコ模様への検知に特化している.実際にヒトはヘビのウロコのような模様には特別の注意を払う傾向がある

*5:ここではヒトの怒り顔への注目傾向についても「怒った人の顔はV型の眉を作ること」を説明としてあげているが,これはややこじつけのような気もする.次に指摘されるもっと自然な適応的説明(怒った相手には早急な対処が必要なことが多い)で十分ではないだろうか

*6:オリアンズは自動車のテールランプが両目のように見える車種の方が人気があると指摘している.本当だろうか

*7:たとえば社会的な対人恐怖は10歳を越える頃から強くなる

*8:これには議論があったようだ.反対論者はこれは文化的なものでカレンダーに影響されたのだと主張したそうだ.しかしそもそもなぜそのようなカレンダーが好まれるかまで考察するならユニバーサル性は明らかだと主張している

*9:なおオリアンズは片方で垂直に天に延びる糸杉のような樹木も好まれていることも指摘して,その理由をいろいろ考察しているが,ここはやや説得力がないように思える

*10:ウシやヤギの囲いあるいは侵入よけとして単なる柵にするのではなく,溝(空堀)を作り,低い植栽で溝を隠す.すると草原が続いているように見せることができる

*11:オリアンズはハンドアックスは投擲武器ではなかったかと指摘している.しかしそれならあんなに丁寧に刃を作る必要があっただろうか.やや疑問だ.

*12:オリアンズはこれでなぜ紅葉に敏感になり感情的に揺さぶられるのかが説明できるとしている.しかしこれは食料採集に直接役立つわけではなく説得力は弱いように思われる.花や果実への敏感さの副産物と考えた方がよいのではないだろうか

*13:有用微生物の取り込みというメリットもあっただろうと指摘されている.

*14:なぜ他の類人猿で発達しなかったのかについては配偶システムが異なり性淘汰圧力も異なっていると説明できるとしている

*15:ただし一旦性淘汰形質として音楽が誕生した後に,いわば「副産物」として集団の結束に役立ったということはあるだろうとコメントしている

*16:MHC検知を容易にしているのではないかという仮説が紹介されている.これはちょっとおもしろいところだ

*17:一見サバンナ的でない凝りに凝った庭園は性淘汰的に説明できるとコメントしている