「カルチャロミクス」

カルチャロミクス:文化をビッグデータで計測する

カルチャロミクス:文化をビッグデータで計測する

以前私が書評した「Uncharted: Big Data as a Lens on Human Culture」がこの2月*1に邦訳されていた*2
これはノヴァクとピンカーに刺激を受けて文化の変容,特に言語の変容を進化的にリサーチしたいと考えた若手リサーチャーが,Google Booksというビッグデータを利用して,これまで誰も取り組んだことにない知的冒険を繰り広げる物語だ.そしてその成果の一つであるn-gramを利用して得られた様々な知見自体も大変興味深い.私的には文化進化,言語,ビッグデータといろいろツボだった.
邦題の「カルチャロミクス」は著者たちの造語で「文化の歴史的変化をビッグデータを用いてリサーチする学問」という意味だ.「Uncharted」(もともとは海図にまだ載っていないという意味で,誰もまだ探訪していない広大な分野というニュアンスがある)はなかなか日本語にしにくいので頷ける邦題だと思う.


私の原書書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20140217


原書

Uncharted: Big Data as a Lens on Human Culture

Uncharted: Big Data as a Lens on Human Culture

*1:Kindle版は7月1日リリースのようだ.

*2:見逃していた.アンテナを張っているジャンルとは異なるジャンルに分類されていたのだろう