
- 作者: 三中信宏
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2017/04/26
- メディア: 単行本
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本書は体系学者三中信宏による図形言語「ダイアグラム」を分類や系統の視点から深く語る一冊.三中によると2017年に出版された本書と2018年出版の「系統体系学の世界」「統計思考の世界」は「単系統群」をなしているのだそうだ.私としては「系統体系学の世界」は是非読みたいと思っていたので,いわば予習として本書に取り組んでみたものだ.
プロローグ
プロローグではデータを読み取り,思考を体系化する上ではダイアグラムが非常に有用であることが強調される.その例としては天気記号(さらに日本式天気記号は日本のユーザーに特化していることも指摘されている)が挙げられ,さらにダイアグラムの歴史を辿り,アンダーソンのアヤメの花弁の形態的特徴を示すイデオグラフ,さらにそれを一般化したメトログラフ記法を紹介する.また高次元多変量データを可視化するために(ヒトの認知的特性を利用して)顔のパーツの変化で示す「チャーノフの顔」も紹介されている.まずは肩慣らしというところだ.
第1章 ダイアグラム博物館
冒頭で本書は思考の体系化のためのダイアグラムに話を絞り,これからチェイン,ツリー,ネットワークを考察していくことになることがまず宣言される.そして第1章では,まずこのようなダイアグラムの歴史を辿ると称して,三中が蒐集してきた様々なダイアグラムが次々に紹介される.過去の三中の本でも紹介されているものも多く,楽しく眺めて読んでいける.
第2章 知識の樹の体系 チェイン,ツリー,ネットワーク
ここではチェイン,ツリー,ネットワークという3つのダイアグラムカテゴリーについて,グラフ理論的な構造から解説される.冒頭でグラフ理論の用語の定義が延々と続く.慣れていないとちょっとしんどいが,落ち着いて読めばそれほど難解な事が説明されているわけではない.そして点を線で結ぶ形の様々なダイアグラムの中で,チェインとツリーとネットワークがどのような関係にあるのかが説明される.
そこからチェインとツリーとネットワークについての歴史的に重要な例が紹介される.それはシャルル・ボネによる「自然の階梯」の図,ダーウィンによる「種の起源」に掲載された唯一の図,そしてメレシュコフスキーによる細胞内共生進化を示す系統ネットワーク図になる.ここも楽しい.最後にツリーとネットワークの重要な違いは,グラフ理論的には「樹状律を満たしているか」にあり,それは階層性の有無を意味するということが解説されている.
インテルメッツォ(1)「分ける」と「つなぐ」
ここで一旦インテルメッツォに入り,19世紀英国の思想家ウィリアム・ヒューエルによる経験科学の体系化の試みが紹介されている.ヒューエルは,まず第1,2巻で長い伝統を持つ物理学,天文学,工学,光学,音響学を採り上げ,そして第3巻から新しい科学分野を独自の観点から体系化した.まず化学と鉱物学を「分析的分類科学」,続いて動物体系学と植物体系学を「類似と差異に関する科学」と位置づけ,そして最後に地質学,動植物の分布,語源学,民俗学を「古因科学」と位置づけた*1.ヒューエルは分類科学には個別目的のための人為的な分類ではなくもっと自然な究極の分類というニュアンスを込め,古因科学には現在から過去への因果過程の推論と復元を割り当てた.三中はこの分類科学は「分ける」営みであり,古因科学は「つなぐ」営みなのだと示唆している.
続く3章は本書の中心部分であり,ハードな記述が続く.まさに山場だ.
第3章 分類思考と系統樹思考(1)記憶術としての修辞学
三中はまず2次元座標上に散らばった点を示し,これを分けることとつなぐことを考察するように読者を誘う.分けるには例えば距離の近いものを組みにしていくという方法がある.その場合にはそこにある点だけを見ていくようになる.これに対してつなぐ場合にはどのようなつながりなのかを考える際に,そこに新たに連結点を想定していくことになる.三中はこれは思考のレトリックが異なるのだとする.そして分けるレトリックはメタファー(類似性)であり,つなぐレトリックはメトニミー(隣接性)になる.
ここから三中は分類についてのレトリックを掘り下げる.まず進化的に適応としてヒトに備わった「環世界センス」を説明する.これよりヒトは「心理的本質主義者」になっているのであり,それが誤作動(あるいは科学的正しさとは無縁の形で作動)し,本来ありもしない「サルであるための本質」を無意識下で形成する.生物分類学はこの本質主義と科学的論理をいかにすり合わせるかを巡って格闘してきた歴史になる.
- 心理的本質主義に基づく直感的分類を完全に否定したのが数量分類学派になる.彼等はクラスター分析による分類を指向した.
- クラスター分析は多変量解析の汎用的な一手法である.数量分類学派はこれを用いて「統計学とコンピュータにより客観的な分類体系が実現できる」という理想を追い求めた.しかし結果としてその理想は達成できず数量分類学派は栄光の地位をたった20年で失うことになる.
- 本来記憶術としての分類はヒトの認知的な特徴(類似した対象をカテゴリー化する.それを階層化する.一旦成立したら大規模な改変を回避する)に沿ったものでなければならないはずだ.しかし数量分類学派はそのような分類の認知的側面についての本質的な議論をしなかった.彼等は「多数の形質に等しく重み付けし定量的な類似度を計算し,その相関に応じて情報量の大きな群を構築する.このような『表形的関係』を重視し,系統的考察を排除する」という方針で突き進んだのだ.
ここで三中はクラスター分析について数理的な解説を置いている.上記定量的類似度の計算による操作的分類単位(OTU)の距離行列を出発点にし,最小距離OTUの組みをクラスターとし,新たに距離行列を求める.これを繰り返して複数のクラスター間の階層的配置を得る.これはオイラー図やデンドログラムで可視化される.三中はそのダイアグラムの特徴を解説し,さらにいくつかあるクラスター間の距離を求める方法についても解説を置いている.その上で数量学派が辿ったその後の運命を記述している.
- 1970年代後半から1980年代初めの「分類情報量論争」で1つの決着がついた.数量分類学派は系統的分類体系よりクラスター分類体系の方が共表形相関係数(元データと分類体系との一致度を示す指標*2)が高いと主張したが,実際に詳しく調べれば調べるほど系統的分類体系の方がこの共表形相関係数が高いことが明らかになった*3.また分類安定性論争でも表形分類の方が安定的だということにはならなかった*4.これによって数量分類学派は生物分類から撤退した.
三中はこの物語についてこう評している:数学には関心があっても生物学にも分類にかかる哲学にも無関心な数量分類学派にはもともと勝ち目のない勝負だった.根本的には全体的類似度による生物分類体系は進化的な系統体系学とは元々相容れなかったという点も無視できない.
第4章 分類思考と系統樹思考(2)分類から系統へ
では隣接性に基づくメトニミーとしての系統のレトリックはどのようなものか.三中は一気に数理的解説に向かう.第4章は本書中でも最もハードな章になる.
まず2点間の距離(類似性)が持つべき条件(非負性,対称性,反射性および確定性),3点間にした場合の追加条件(三角不等式)を明示する.次にこのような条件を満たす距離行列をどのように樹形図にするかが解説される.デンドログラムでは(クラスターを代表させる)内点の高さのみが距離を表していたが,樹形図では内点を結ぶ辺の長さが距離を表すことになる.
このような内点を持つ樹形図を描く場合に,3点間の距離が先ほどの三角不等式を満たせば,内点を1つ持つ樹形図に描き起こせる.しかし4点になるとこの条件では十分ではない.では4点以上のOTUにおいて樹形図が描ける必要十分条件は何か.三中はそれをグロモフ積,超計量性,相加性などの概念を駆使しながら解説する.なかなか難解だが,この数理的条件を考える際にはx, y, z3点間において,ある2点(x, y)が別の1点(z)から見たときに共通経路になっている部分の距離(これをがグロモフ積になる)がキーになる概念であることがわかる.そしてそれは分岐学的には「共有派生形質」に基づく類似度になるのだ.
この後三中は一歩下がって哲学的な面を解説する.
- これまで分類や系統のために見てきた概念,順序,分類構築,距離は現代数学では「離散数学」で扱われる.生物体系学にはこの離散数学的な概念や理論が20世紀を通じて少しずつ浸透してきた.
- その嚆矢はウッジャーによる「生物学の公理論的方法」(1937)やグレッグの「分類学の言語」(1954)になる.彼等はシンプソンなどの同時代の生物学者には冷たくあしらわれたが,それは現場の生物学者がこれらの著作を「読むこと」それ自体ができなかったからだろう*5.
そしてここからさらに離散数学の用語でX樹(系統樹は離散数学ではこう呼ばれる)の基礎を解説する.単純X樹,一般的X樹,系統X樹を定義し,その違いを解説し,この最後の系統X樹を用いると端点集合から潜在的かつ不可視的な内点を含む頂点集合への樹形ダイアグラムによる橋渡しが可能なこと,そしてそれは今見えている端点集合はその背後に隠れている内点集合からの変遷の帰結として存在しているという認識を可能にしていることをコメントしている.
第5章 分類思考と系統樹思考(3)系統の断面としての分類
ここでは系統樹のある断面を分類として捉える見方を扱う.この章はそういう取り組みをした様々な歴史的な例が採り上げられていて,楽しく読める章になっている.
植物学者ベッシーによる系統分類体系図の紹介は彼の思考の変遷も辿っていて面白い.最初は文字が枝そのものになっていて,さらに分類群の広がりを表す扇形の枝になり,それがサボテン状になり,最後に3次元立体的になる.動物比較形態学者ネフについてはまず観念論についての前置きがある.彼は観念論を採ったが,それはヘッケルのような根拠の薄弱な推測だらけの系統樹構築を批判し,より確固たる比較形態学的な方法論に基づく分類体系を目指したということだそうだ.そしてその観念的系統樹はデザイン的にすっきりしていてまさにヘッケルの逆を行くものになっている.次の植物系統学者ラムは観念論を抜け出してより理論的系統構築を目指した.その透明な球をイメージした3次元図は斬新だ.
ここからはネットワーク図が登場する.まず華厳経の教えをくむ動物分類学者早田文蔵の高次元ネットワーク図.そしてガンカモ類の行動から系統関係を構築しようとしたローレンツの図が載せられている.三中によるとローレンツは観念論の影響の濃かったドイツにおいて系統推定方法を正面から論じた研究者としても有名なのだそうだ.
三中は最後にこれらの図は系統と分類の折り合いをどうつけるかという努力の表れとしてみることもできるとコメントしている.
インテルメッツォ(2)見えないものを見る
ここで三中は第3章でちょっと触れたヒトの分類に関する認知能力の問題に立ち返り,それが何らかの強い淘汰圧による適応産物であることをバーリンのフォルク生物学の進化心理学的主張とともに紹介する.そこから系統と分類の違いについてのテーマになる.日本ではこの2つの言葉の違いがあまり意識されていないことを嘆いたあと,分岐論の始祖たるヴィリ・ヘニックの考えに立ち戻る.ヘニックは土器のかけらを材質や色彩や所属文化に従って分けることは「分類」であり,それを元の器に「復元」する試みとは異なるのだと主張した.つまりヘニックは生物をカテゴリー分けしようとしたのではなく,全体としての系統樹を復元しようとしたのだ.
三中はさらに1本の系統樹を考えたときに「種」とは何かというテーマに立ち入る.ウッジャーはこれを深く考察し,系統樹で連続している以上ダーウィン的な種(時間軸状の起点を持つ具象的実体)はリンネ的な種(無時間的な抽象的実体)と同じではあり得ないと論じ,生物種を「集合」とすると定義できないという問題に突き当たり,要素-集合関係から部分-全体のメレオジー公理系に移行しようとする.このような系統樹の構造的パターンを徹底的に形式化するとそれはすべての具体的進化モデルを捨象する「パターン分岐学」につながる.確かにそのような「骨格化」は理論を明晰にし,より汎用化可能になる.しかし三中は,片方で様々な肉付けを行っていくことにも意味があるとし,第6章につなげている.
第6章 ダイアグラム思考 既知から未知への架け橋として
これまでの5章でダイアグラム論の基礎を数学的に解説してきた三中は,それだけでは決められない背景的な仮定や制約をすくい上げるというテーマをあつかう最終第6章を置いている.
まずは論理の出発点になっている集合自体をどのようにつくるのかという問題だ.最初から集合が「ある」ことを前提にすると何がそぎ落とされるのか.三中はここでグッドマンによる哲学的な議論を紹介している.難解なその議論*6の結論は「客観的な類似性はない」ということになるそうだ.三中はこれは分類に用いる属性の選び方やカテゴリーは生得的・文化的・社会的制約によっており,厳密な意味で論理的であり得ないことを指摘しているとコメントしている.
グッドマンが提示したもう1つの議論は実在論と唯名論の対決にかかわる.グッドマンはある実体を集合とみるか個体とみるかは解釈の問題に過ぎないと論じた.生物体系学ではこれは「種とは何か」にかかわる.プラトンからリンネまでは一貫して実在論に立っていた.しかしギゼリンは唯名論の立場に立ち「種は個物である」と主張した.三中はこの個物説は系統樹ダイアグラムの骨格に対してメレオロジー的な肉付けをしていることになると指摘している.
次はメトニミーの肉付け.メトニミーを「隠されている秩序の推定」として扱えば,それはやはりヒトの進化適応的な認知能力にあると考えることができる.三中は,そしてその思考法は「ある時点で得られた情報に基づいて対立仮説群の中から最良の推論を行う」というアブダクションであると指摘する.そして「種より上位の高次分類群も個物であるのか」という問題を採り上げてこれを詳細に論じている.そしてそれはダイアグラムに対して存在論的肉付けをするということであることが示される.難解だが面白いところだ.
そして最後に様々な統計グラフィックスを肉付けという視点から見た考察が置かれ,冒頭で紹介されたアンダーソンのイデオグラフ,メトログラフにもどり,そしてチューキーのデータ可視化の重要性の主張をこれに関連させて論じている.
エピローグ 思考・体系・ダイアグラム 科学と時代のはざまで
ここでは図像の持つ優秀なコミュニケーション能力について,場所と関連させる記憶術との関連.現代分子系統分析における分子進化の進化モデルと統計科学いう肉付けのリテラシーの重要性,ヒトの進化的な過去にない数学的な思考との隔たりを埋めるダイアグラムのヴィジュアル・リテラシーへの期待,芸術との関わり,本質的な限界(3次元を越える図像の不可読性)などを絡めながら論じ,最後に幾多の先人によって磨き上げられたダイアグラムというツールは「思考の体系学」を支える大黒柱であるとコメントしている.
本書の記述は,数量分類派のクラスター分析手法と,端点間の距離から系統を復元しようとする系統学的手法,およびそれぞれのダイアグラムの離散数学的な定義とその本質的な意味の解説が中心になっている.しかしそれだけではなく,包括的なダイアグラム論を置き,さらにダイアグラム「骨格」に対してどのような肉付けがなされてきたかを概観し,分類と系統の違いを各所で強調し,その他関連する様々な歴史的なダイアグラムを紹介していくという多層的な試みが加わっている複雑な本だ.楽しい博物館展示と数式満載のハードな数理解説,さらに分かり易い解説と難解な哲学的議論が同居している.著者自身「本を書くのは自分のためだ」と公言しており,その通り(すべての内容を理解するには)読者の背景知識が試される本になっている.とはいえどの部分も深く,楽しいところだけをつまみ読みするだけで十分おつりの来る本でもある.読者もまた自分のために好きに読んでいい本ということになるだろう.私としては3冊の単系統群本登頂計画の3合目までなんとか登攀できたというところだろうか.
関連書籍
三中の本
本書と単系統群になる新3部作のあとの2冊

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*1:三中は進化生物学が当時あれば当然この古因科学に位置づけられただろうとコメントしている
*2:元データの類似度行列の成分とデンドログラム上で計測されるOTU間の共表形行列の成分との行列相関係数として定義されるそうだ.
*3:理由として三中は系統的分類では系統樹の枝に沿った距離で類似度情報を保存できるが,デンドログラムではクラスターレベルでしか類似度の情報が保存できないからであるとコメントしている.
*4:クラスター分析はクラスタリング・アルゴリズムを変えただけで大きく結果が変動する
*5:三中はさらに「ウッジャーやグレッグは他の生物学者たちが隠してきた「数式拒否症」の傷に塩をたっぷり塗り込んだわけであり,(拒否は)当然の結末というしかない」とコメントしている.
*6:「任意の2つのものの類似性はすべて同一である」という議論だそうだ.これはどのような形質も0と1の2値しか無く,どのような形質も同等に扱うとそうなるということらしい.