「社会性昆虫の進化生物学」

社会性昆虫の進化生物学

社会性昆虫の進化生物学


本書は1993年に出版された「社会性昆虫の進化生態学」の姉妹書として18年の時を越えて企画出版されたアンソロジーである.前書が出版された時期はハミルトン革命が行動生態学を引き続き押し進めていた時期であり,社会性や利他行動の進化を中心に興味深い投稿が集まっていた.本書はその後の学問の進展を感じさせるもので,20年間で積み重なってきた理論的進展,実証的知見に加え,様々な至近メカニズムを考察することによる深み,さらにコロニーの社会行動を一種の創発カニズムとして理解しようとする試みなどが加わって重厚な書物に仕上がっている.このスコープの広がりが,書名にも現れていて,本書は「社会性昆虫の進化生物学」と題されているというわけである.


第1章は社会性昆虫とエヴォデヴォだ.社会性昆虫は基本的に同じゲノムから異なるカーストを発生させるので,進化発生として大変興味深いトピックを多く含む.発生タイミングの進化的変化,個体発生における外部環境条件による発生の変化,コロニーという環境におけるそのフィードバック,行動の可塑性の遺伝子的な基盤,ホルモンによるカースト分化制御などが解説されている.いずれも詳細で,分野の進展具合が良くわかる.


第2章は膜翅目昆虫の半倍数体性*1にかかる考察で大変深いものだ.
まず膜翅目昆虫でも2倍体のオスがみられることがある.だから染色体数で自動的に性が決まるわけではない.ではどのように決まっているのか.ここで著者は様々なメカニズムに関する仮説を丁寧に説明する.CSD(ある遺伝子座がヘテロならメス,ホモならオスになる,遺伝子座数がいくつあるかで説が分かれる),GBSD(メス要因産出が多ければメスになる,だからその要因の乗った染色体が多いとメスになる),MESD(母由来の細胞質産物によるオス誘導への抵抗性が多いとメスになる),FSD(受精の有無で性が決まる),GISD(ゲノミックインプリントで父由来発現があるとメスになる)などだ.そしてこのような性決定要因が個体発生においてどのような発現していくかの遺伝カスケードについても詳細に説明する.
ここまでメカニズムをみた上で,システム全体を大きくみると,「ゲノミックインプリントによる片親特異的遺伝発現,父ゲノム排除,オス産出の単為生殖,メス産出の単為生殖」は連続した現象であるという鳥瞰図が得られる.そして2番目と3番目が半倍数性に関連する.
ではこの半倍数性の進化的な起源は何だろうか.かつてハミルトンは近親交配を頻繁に行う昆虫において,LMCから性比コントロールが容易にできることが望ましく,それが淘汰圧になったのではと推測していた.これに対してノルマークたちはゲノミックコンフリクトから父ゲノム排除が生じて起源したという対立仮説を唱えている*2.この2説は近親交配がある方が半倍数体になりやすいか,外婚が多い方がなりやすいかの違いがある.そして系統分析の結果はノルマーク説を支持しているようだ.さらに本書ではいったん半倍数性が進化すると,LRCからオス分散がより進化しやすいだろうとも指摘している.このあたりの議論は濃密で読んでいて大変面白い.
最後のメス産出の単為生殖については2倍体の作り方として,クローン型,オートミクシス型(さらに末端融合,中央融合,配偶子重複の3類型がある)の違いがあることなども詳しく解説していて面白い*3


第3章はアリの化学生態学と称して,アリの化学物質による信号についての至近メカニズムについてのもの.
まず同種個体間にかかるものとして,警報,動員,死体認識,幼生,コロニー仲間認識フェロモンを解説,そして特にコロニー仲間認識フェロモンについてその受容感覚器,攻撃行動,営巣行動への影響などが扱われる.
続いて異種個体間にかかるものとして,好蟻性昆虫のなだめ信号,攪乱信号,なりすまし信号が取り上げられている.
最後にニューロエコロジーとして化学物質による信号に対して,どのような感受性の深さと幅を持つ感覚器をどのように配置し,それをどう脳神経で解析するかという問題が簡単に解説されている.


第4章はミツバチの社会性の基盤メカニズムについて
カースト分化に関する体表物質,ローヤルゼリー,DNAのメチル化,ドーパミンの役割,ワーカー間分業に関する幼若ホルモン,ビテロジェニン,生体アミンの役割がまず解説される.
続いて翅と飛翔筋にかかる行動を引き起こすメカニズムとして,換気,温度調節,スズメバチの熱殺が議論される.また交尾飛行において異種間交雑を防ぐ仕組み,脳の発達の仕組み*4が解説される.
最後に有名なミツバチのダンスが取り扱われている.餌の方向と距離に関してはダンスの形態(教科書的には円舞と8の字ダンスに分けられているが,これらは実は連続したダンス形態の両極端ということらしい),餌の種類についてはダンスの場所で伝える.実はワーカーの70〜80%はこの情報を利用しない.採集に失敗した個体,未経験の個体がよく利用するということのようだ.
この第3章,第4章は最初から最後まで至近メカニズムの章でひたすら詳しい.


第5章はアブラムシの社会性について.
青木による兵隊アブラムシの発見,そしてクローン型単為生殖生物であることによる社会性進化についての包括適応度的な有利性に簡単に触れた後,実際の社会性進化の歴史についての系統分析結果を紹介している.それによるとアブラムシにおいては兵隊アブラムシが独立に17回進化し,うち4〜5回は不妊カーストのいる真社会性*5と呼べるものになっている.なお兵隊アブラムシのいる種はアブラムシ全体の約1%程度であり,進化的にはかなり不安定であることも指摘されている.
続いてどのような分業があるかが扱われる.防衛,清掃,ゴールの修復,遮蔽(ゴールにできた穴を塞ぐ),自爆などが取り扱われている.自爆とは天敵と遭遇すると自爆して腹部の粘液で敵に張り付くことで敵のゴール進入を阻止するというもので,なかなか面白い.(5/10下記コメントを受けて削除,しばらく原文を残します)なお本書ではここで,「ゴール間移動」としてハミルトン,メイの分散戦略を採る個体についても,その行動を利他行動と整理している.しかし,確かにこの個体の分散成功率は低いが,成功した場合分散先ではこの個体自体が生殖して増えて行くものであり,さらに分散比が全体でESSになっているなら滞留個体と分散個体では長期的な遺伝子プールへの期待寄与度は同じはずである.これは一種の頻度依存的な代替戦略にすぎず,利他行為と扱うのはおかしいのではないかと思われる.


ここでアブラムシに血縁認識能力がないので,クローン混合が生じるとすると,自分は兵隊を作らないというただ乗り行為によって兵隊カーストが崩壊しないかという問題が扱われる.
まずゴール形成性のアブラムシについて.つぶれない理由としていろいろな考察がなされている*6が,いずれも説得ある議論にはなっていないように思われる.
オープンコロニーのアブラムシについては,理論モデルとして,マルチレベル淘汰モデルによる分析が紹介される.兵隊産出のコスト,兵隊の存在のコロニーレベルでの有利性などのパラメーターを野外データに基づいたものに設定すると兵隊産出比に中間的な最適値が存在しうることが見いだされ,だから必ずしもただ乗りによってつぶれるとは限らないということになる.ただ本書では,なぜこのモデルがゴール形成性のアブラムシには適用できないのかが説明されていなくてよくわからないところがある.
私の印象ではこのただ乗り問題は(なぜ血縁認識が進化しないのかという謎とあわせて)今後に残された課題というところで,おそらく基本的にはゴール形成性でもオープンコロニー性でもコンフリクト状態に常にあって,微妙な条件によって兵隊比率は左右され続けているのだろう.だからアブラムシ全体で兵隊の進化は不安的になっているし,個別の系統も様々な環境要因に左右されるのだろう.たとえば先の理論モデルでいえば,中間的な最適兵隊比率があるのはコロニー混合頻度がただ乗り個体群の成功によってどこまでも上昇することはないという仮定があるためではないかと思われる.野外における状況もそうであるなら説明としては面白いだろう.


続いてまさにこの社会性進化の生態要因が議論される.面白いのは出生率,コロニーの規模などが最適兵隊比率に関わるというところだ.密度依存的な繁殖制約があると(通常はあるだろう)コロニーが大きくなると非兵隊個体による限界的な繁殖貢献度が下がり,兵隊の効用が相対的に上がるためということらしい.また増殖率が低くコロニー存続期間が長いと,作成にコストのある兵隊はよりリスク回避的になるというのも面白いところだ.
捕食リスクが兵隊比率に効いてくるのは自明に思えるが,たとえば「大食いではない(どこかで飽食する)捕食者」に直面した場合には兵隊比率は中間コロニーサイズで最大になるという結果なども面白い.


ここからはカースト分化,分業にかかる様々な至近メカニズムの解説がある.いずれも詳細に述べられている.この中では著者たちが自ら開発した「実験室におけるアブラムシの継代飼育技術の確立」がいかに有意義であるかが繰り返し語られていて印象的だ.門外漢にはそれがどんなに難しいのかよくわからないところだが,よほど苦労したのだろうと思わせる.
このアブラムシの章は大変力が入ったもので大変充実したものになっている.


第6章はシロアリ
まず昆虫の社会性と血縁淘汰理論の果たした役割の概説から始まっている.著者の結論は,「血縁度は大変重要だが,リサーチの積み重ねはそのほかにも重要な問題があることも明らかにした」というものだ.そして血縁度が上がるとコロニー内で協力があがるメリットがあるが,同時に病気への耐性,分業の効率性などにかかるデメリットもあり,いったん社会性が進化して,ワーカーの不妊性がビルトインされたりポリシングがワークするようになると,血縁度を下げるように進化することもあり得ることを指摘している.
続いてシロアリの社会性の進化要因の議論をまとめている.生理・生態要因としては多数回繁殖,不完全変態,共生細菌の伝達,巣の引継などがあげられているが決め手に欠けている.遺伝要因としてはハミルトンによる2次繁殖虫以降の近親婚による血縁度の上昇が有名だが実際にはいろいろ微妙な問題があること,性リンク染色体が複数あることによる非対称説は理論面実証面から否定されたこと,染色体数が多いことによるという説については提唱者は血縁度の分散が下がることを考えているようだが,その効果は疑問で,著者としては(なぜシロアリで染色体数が多いのかについて)むしろワーカーの遺伝的多様性が上がることに着目したい」とコメントがある.


そしてここから様々な社会性昆虫にみられる繁殖システムについての考察が始まる.まず単為生殖に様々な種類があることが詳しく解説されている.まず社会性との関連として,クローンとしてはアブラムシの社会性,(厳密には単為生殖ではないが)多胚生殖としてトビコバチの社会性が知られる.そして膜翅目やアザミウマの半倍数性がある.しかしハチの中にはメスも単位生殖するハチが数種知られており,さらにアミメアリでは有性生殖を捨て去ったシステムになっている.またヨーロッパのあるアリでは次世代の女王を単為生殖で作るアリが見つかり,さらにコカミアリやウメマツアリではオスアリも受精卵を乗っ取り事実上単為生殖で次世代のオスを作る.このあたりはいろいろなところで記述があるので知っている話も多いが,このように並べられると関連性や背後の進化的な動態が窺えて興味深い.
ここまでがいわば前振りで,ここからがシロアリの話になる.シロアリの繁殖システムは教科書的にはオスとメスの繁殖虫が交尾してコロニーを創設,その後創設女王や創設王が死ぬと,その娘や息子が補充繁殖虫となりコロニーを存続させ,近交係数が上がっていくと解説される.実際これがハミルトン説の基礎だ.しかし著者は日本にいるヤマトシロアリでは事実はこの記述と全く異なることを見つける.
まず創設は必ずしもオスメスのペアで行うわけではない.時にメス1匹でも行うし,複数メスで行うこともある.この場合交尾飛行の後は複数匹で連れ立って地上タンデム歩行を行うが,これはこうした方が捕食リスクを下げることができハミルトンのいう「利己的な群」のまれな実例だそうだ.また複数メスで創設する場合には,2匹による創設がもっとも個体からみて効率が高いようで,2匹になるまでは激しく闘争し,2匹になると協力的になるそうだ.
ではオスメスで創設した場合にはどうなるか.教科書的に補充繁殖虫に入れ替わるとするとここでは寿命を巡るオスメス間のコンフリクトがあると考えられる.(より長生きしなければ自分のゲノムの貢献度が下がる)そして実際にオスの繁殖虫は大変長寿になる.メスはこれに対して単為生殖により補充繁殖虫を作り,(これはAQSと呼ばれる.なおワーカーや次世代の繁殖虫は有性生殖で作られる.この選択メカニズムも解説されている)これにより実質不死になることができる*7
著者はこれを見つけるためにシロアリの巣を掘り崩し王室を何十も調査したそうで,それは大変な仕事だったようだ.そしてこれはシロアリのコロニーにおける普遍的な淘汰圧であり,多くのシロアリでこのようなAQSが発見されるであろうと予想し,それは性比によってある程度検証できる*8と書いている.
この章も大変力のはいった章であり読んでいて楽しい.


第7章は単年性のハチで,ここではいくつかの興味深い各論が主に扱われている.
最初は独立創設性のハチで複雌創設がみられる場合の問題.
まずどのように順位が決まるのかが考察される.ハチによってより年長個体が優位になる傾向があったり年少個体が有利になる傾向があるのは,コロニー寿命と個体寿命の比から説明できるという仮説が紹介されている.いったん順位が決まった後の識別メカニズムには体表炭化水素や顔の模様などがあるが,いずれも優位バッジは他個体から攻撃を受けるのでコストのある正直な信号になっているようだ.
この複数創設メスは血縁度が高いものも低いものもあるようだ.低い場合にはなぜ複雌創設になるかが問題になる.コロニーとして複数創設メスがいると非線形に有利になるなら血縁度がかなり低くても包括適応度的に有利になる(AFR説).また劣位メスも少し繁殖できるなら血縁度がゼロでも単独創設より有利になりうる(RS説)*9.優位メスに事故があった場合にコロニーを引き継げる期待がある(SQ説)などの諸説が解説されている.RSとSQはそれぞれ検証事例もあるようだ.
ハチの血縁認識は報告されていないので,なぜ血縁度の高い複雌創設が可能かという問題もある.ここでは生地残留効果で説明できるのではないかと説明がある.


次に様々な性比を巡る問題が整理されている.ここは大変興味深い個別の細かな問題が数多く取り上げられていて読んでいて飽きないところだ.
主なところではトリヴァース=ヘア仮説,それを巡るブーズマンとグラフェンの分断性比仮説,メスはワーカーになるか女王になるかの決定時期を遅らせることができることによる有利性があり,それが環境の厳しさと性比の相関をうむという仮説,女王数が周期的に変動し,ワーカーコントロールだと女王数と性比が相関するだろうという仮説,ワーカーの交尾可能性の影響,オスメスどちらが先熟するかとの関係などが扱われている.それぞれの検証事例も詳しい,マルハナバチではこれまでの理論では説明しにくいようなパターンも見いだされているそうだ.この部分は性比という検証方法がある場合にいかにフィールドが豊潤になるかをよく示しているように思われる.
またポリシングについては,野外検証事例をみると,当初想定されていたほど血縁度との相関が見られるわけではないことも指摘されている.


最後に女王とワーカーの分化の至近メカニズムが解説されている.本章は包括適応度理論のより深い応用と検証事例が多く載せられていてマニアックな章になっている.


第8章と第9章で社会性昆虫のコロニーとしての動態を個体の行動パターンの自己組織化から説明しようという試みが扱われている.第8章が理論編,第9章がロボットを使った実務編になっている.第8章では,自己組織化についてはなお誤解も多いとして,揺らぎとフィードバックがある場合のシステムの挙動,それと自然淘汰の関係(自己組織化がいったん生じた後でもパラメータの調整という形で働きうる),相転移が生じる簡単な実例などを丁寧に解説し,その後いくつかのモデルを説明している.第9章では,様々なロボットシステムの実例,理論モデルなどが解説されている.


というわけで本書は,前書を引き継いだ包括適応度理論と真社会性周りの考察を深めた進化生態的記述,至近メカニズムに関する最新の知見の紹介,そして自己組織化まで扱ったスコープの広い本になっていて,そしてそれぞれの記述は深い.個人的にはアブラムシとシロアリの総説的な記述が大変参考になった.



関連書籍


本書はこの本のいわば続編ということになる.行動生態学が急速に浸透していく時期の熱意のこもった本だ.

社会性昆虫の進化生態学

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働かないアリについての本だが,様々なアリ・ハチ類の生態についての記述も充実している.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20110427

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

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青木による兵隊アブラムシ発見物語.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20130316

兵隊を持ったアブラムシ (自然誌選書)

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*1:本書では膜翅目は文科省の方針にあわせ「ハチ目」と表記し,haplodiploidyは「半倍数性」とせずにより原語の意味に忠実に「単数倍数性」と表記している.特に後者は一つの見識だが,ここでは伝統的な表記に従う.

*2:なお本書ではゴールドスタインたちの「オスにおいてハプロタイプにして有害突然変異の排除を効率的に行うように進化した」という説も紹介しているが,これは私の目にはグループ淘汰的な誤謬があるように見える

*3:もっともこのメス産出単為生殖の進化的な議論は,時折有性世代があるかないか,進化的利益の長期短期があまり明確に取り扱われていなくてやや物足りない.今後のリサーチ待ちということなのだろう

*4:ここで面白いのはミツバチの脳にも左右の機能分化があることがわかってきたことだ

*5:なお本書ではアブラムシが真社会性と呼ぶべきか否かについての論争があったことにも触れている.共同保育がないから呼ぶべきではないとがんばる人たちがいたようだ.しかし真に大きな違いは不妊カーストがいるかどうかだろう.本書ではやんわりと「古典的定義は意味論的な問題を抱えており・・・定義を見直すことが生産的である」と述べるに止まっている.

*6:たとえば,分散型と兵隊は同じ性質を共通に持つので,兵隊自体が分散型を起源とすると考えられ,その結果両者には発生制約が強いのではないか(だから分散あるところに兵隊ありということになる)などが考察されている.しかし起源がそうだからといって発生制約がそこまで強いことを説明できるとは思われない

*7:なお著者はこのAQSの単為生殖が末端融合型のオートミクシスであり,それは長期的には劣性遺伝子のパージングの機能を果たしただろうと指摘している

*8:AQSがあると女王実効的に不死になり,王は長寿といっても寿命があるので,有翅繁殖虫の性比は少しメスに傾くことが予想される

*9:この場合劣位メスの繁殖比は劣位メスが飛び出して単独創設した場合と同じ程度になるところから,優位メスが劣位メスを追い出した方がましになるところまでの幅で複雌創設が生じる.どちらになるかは繁殖比をどちらがコントロールできるかで決まるという詳しい説明がある.ちょうど給餌量や授乳量に関する親子コンフリクトと同じ状況ということだろう