「ジャスト・ベイビー」

ジャスト・ベイビー:赤ちゃんが教えてくれる善悪の起源

ジャスト・ベイビー:赤ちゃんが教えてくれる善悪の起源


本書はボール・ブルームによる道徳心理学の本だ.ブルームは著名な発達心理学者で,MITの院生だったときにピンカーと一緒に(当時の巨人チョムスキーに反対し)言語が適応産物であることを示した論文を発表して有名になった.その後進化的な視点を併せ持つ発達心理学者として,本質主義,道徳についてリサーチしている.前著「喜びはどこまで深い」で本質主義について深く論じているが,本書ではもうひとつの関心事である道徳を扱っている.原題は「Just Babies: The Origins of Good and Evil」.訳書*1の副題では「赤ちゃんが教えてくれる善悪の起原」として全面的に発達心理学から道徳を論じているかのような印象を与えるが,決してそれだけではなく,進化的な視点から(そして生得性の一つの証拠として発達心理学の知見も生かしながら)道徳全般について議論している本になる.


第1章では赤ちゃんの心に既に一部の道徳的な傾向があることを最初に説明している.そしてブルームは議論の前提をここで整理している.

  • 道徳は基本的に他人に危害を加えることの是非が中心になるが,必ずしもそれだけではない.
  • 道徳は環境や教育でのみ決定されるものではなく,普遍的で生得的な部分がある.
  • 普遍的で生得的な道徳的傾向は進化的な観点から説明されるべきだが,一部の説明は簡単で一部は難しい.
  • どのような普遍的生得的道徳的傾向があるのかを調べるよい方法は赤ちゃんを観察することだ.

そして洗練された手法で膨大な観察を行った結果,赤ちゃんは(それが抽象的な図形であっても)助けるものを邪魔するものより好み,助けるものに対する感情(行為)より邪魔するものに対する感情(嫌悪)の強度の方が強いなどの知見が得られていることを解説している.


第2章は共感と思いやり.
冒頭でサイコパスを描写し,彼等の論理は非合理的なのではなく他人の痛みに無関心であることから来るものを示す.つまりサイコパスには思いやりがない.ここでブルームは思いやり(同情)(compassion)と共感(empathy)を区別することの重要性を力説している.思いやりは他人を気遣うことだが,共感は他人の立場になって感じることで,しばしば自動的に発動し嫉妬などの別の感情に結びつくこともある*2.そしてさらに同情も道徳と同じではなく,衝突もしうる.
とはいえ同情がなければ道徳もないだろう.ブルームは「サルやラットも他個体の苦しみを見て嫌がることが知られていて,それは共感で不快になっているのだろうと解釈できるが,ヒトの幼児の振る舞いはそれを超えているようだ」と指摘している.そして幼児に見られる,慰め,お手伝い,分かち合いのリサーチ結果を紹介している.彼等は子供同士や知り合いの大人に対して思いやり行動を発達させる.つまり,共感のみならず,思いやりは生得的だと考えてよい.そして4歳以降にはそれを内面化し,自分を道徳的行為者として捉え,罪悪感,羞恥心,誇りの発達につながる.これは第3章につながる.


第3章では公平の感覚が扱われる.
ここまでに解説された赤ちゃんの好悪は他人の評価の問題だ.では自分への評価はどうなるのか.自らの利害を超えた道徳観はどう得られるのか.ブルームはそのキーは公平や平等の感覚にあると説明する.発達的にはかなり早期(ある実験では1歳4ヶ月)から結果の平等への選好が始まる.つまりある種の公平選好は生得的だとブルームは主張する.
ここで公平・平等に絡むトピックがいくつか取り上げられる.

  • ボームの狩猟採集社会の平等性に関する議論:ブルームは,このような平等性は成人男性間のみのもので,彼等は妻や子を管理し,集団間では暴力の応酬があったことを指摘したうえで,彼等の平等性は単に平等を好んでいるのではなく互いに有利になろうと画策する中での相互牽制の上で生まれているものであると解説する.だから農業革命以降有効な牽制が不可能になるとこの平等主義は消え去るのだ.
  • 最後通牒ゲームと独裁者ゲーム:ブルームは,少ない額の提案の拒否やフェアな配分提案について,進化環境である評判が重要で少数の見知った相手間での繰り返しのやりとりが行われる状況に適応しているからであり,また特に独裁者ゲームの結果がペイオフをどう解釈するかのフレーミングに大きく影響されることを,他者から利他的に見えるかどうかが重要である(つまり評判と大きく関連している)のだと解釈できると進化心理学的に解説している.なお子供に経済ゲームをやらせるとどうなるか*3という部分はいかにも発達心理学者らしく面白い.
  • 復讐・報復:ブルームは,当事者や近親者による報復は被害者の立場の回復という要素が重要で,それを求めるのは生得的な感情だが名誉の文化のような文化的な環境にも影響されると説明している.これは進化心理学的にはそれほど説明が難しくないところだ.
  • 第3者による罰:こちらは難しい.ブルームは,公共財ゲームで,繰り返すとだんだん協力しなくなる傾向が,第3者罰オプションを導入すると止まることをまず説明し,しかしこの第3者罰はそれ自体が利他行動であるので進化的な説明が困難であること(血縁淘汰的にもグループ淘汰的にも間接互恵的な評判によっても難しい)を解説する.ここでブルームは利他的な罰を行う傾向がそもそも最初から適応産物として存在するのかどうかを疑う.そもそも少人数社会ではあまり観察されないこと,文化によっては(顕名の)罰は報復を呼び非常にコストが大きくあまりなされないことから,これは復讐心理の副産物(近親者への加害への報復心理が共感を通じて第3者への加害に拡張されてしまったもの)だろうと主張している.そしてそう解釈することによって人々が罰が現実に与える影響に驚くほど無関心である(罰したいとは思うが,その目的は考えない)ことが説明できるし,幼い子供の告げ口好きもそう解釈できるとしている.理論的にこれほど説明が難しいのはもしかしたら適応ではないためかもという発想の転換は新鮮だ.私自身はなお条件依存性が大きな適応戦略で説明できるかもしれないと思っているが,ここはなかなか説得的で面白い.


第4章はよそ者嫌い.
進化環境では私たちは自分と同じ部族のものの間にしか道徳を適用してこなかった.よそ者には恐怖,嫌悪,敵意を抱くのがユニバーサルだったのだ.赤ちゃんも身近な人,身近な人に似た人とその他の人を区別する.ここでブルームは,特に人種差別について,この適応的生得的よそ者嫌いに直接由来するものではないことをクルツバンたちのリサーチを引きながら力説している.進化環境では他人種の人と出会うことは稀だったはずだし,様々な実験から,人種の影響はユニフォームの色の影響と大差ないことがわかっている.ヒトは周りの人を年齢,性別,そして第3の任意のカテゴリーで区別するのだ(ブルームはこれを結託バイアスと呼んでいる).このあたりは自然主義的誤謬的に誤解されると厄介なので特に強調しているのだろう.任意のカテゴリーには言語や訛りも含まれるが,社会的に意味があれば全く偶然の操作的な手がかりでもいい.このあたりブルームはかなり丁寧に様々なリサーチで得られた知見を紹介して力が入っている.
結託バイアスは厄介だ.それは集団差という現実の基礎を持つし,いったん形成されると容易に消え去りはしない.そしてそれはさらに厄介な問題「嫌悪」に道を開く.


第5章は嫌悪.
冒頭でブルームは嫌悪と臭いの結びつきを説明する.かつての西洋社会での下層階級への差別は「奴らは臭い」という言葉に集約される.嫌悪を抱くときの表情はいやな臭いを嗅いで吐き気を催すものと似ている.そしてヒトには血液,吐瀉物,糞便,尿,腐った肉への嫌悪がユニバーサルとしてある(発達的には赤ちゃん期にはなくその後形成される).これは悪い食べ物や病原体への忌避として進化適応的に説明できる.そして他人は病原体を運びうるから嫌悪の対象になっても不思議ではない.しかし他人に向けられた嫌悪は厄介だ.それは対象への共感を失わせる.嫌悪はヒトを意地悪にするのだ.
ここでブルームは他人のある種の性的行為に対する嫌悪を問題にする.この他人の性行為に対する嫌悪感情は進化的な解釈が難しい.ライバルが近親婚や同性愛にふけるならそれはノーマルな人々にとって競争上有利なはずだからだ.ここでもブルームはこの他者の性行動に対する嫌悪反応の適応性を疑う.そしてこれを病原体への忌避反応が汚染を恐れる心理の副産物としてたまたま特定のネガティブな方法で性行動に反応し,これが宗教や法律で強化されたのではないかとしている.私もこの他者の性行動への嫌悪反応は非常に不思議に思ってきた.かなりユニバーサルでかつ非常に強い反応なのでなお副産物説には疑問も残るが,一つの解釈方法ではあるだろう.
ブルームはさらにだからこれは道徳と考えるべきでないとする.そして理性で嫌悪を乗り越えることが可能なはずだと主張している.


第6章は道徳のとらえ方にかかる哲学(そして通常それが進化的視点を持たず血縁者についてあまり考察していないこと)を扱う.
冒頭で母親の愛情を扱って既存の道徳哲学がこれを軽視していることを批判し,そしてこれまでの道徳哲学(特にその中で規範倫理学)の流れの解説に入る.
まず帰結主義と義務論が概説され,不自然な道徳ジレンマを用いた議論,暴走トロッコ問題による進展を紹介する.ここで生得的道徳文法説を紹介し,暴走トロッコ問題が与える示唆の一つとして「確かに道徳性と言語に似た点はあるが,情動が大きな影響を与える点が異なる」と説明する.続いてこのような考察において家族が取り上げられることが少ないことを指摘し,他人と肉親を区別すべきではないというピーター・シンガーの主張を批判する.
そしてブルームはここで道徳哲学を一からやり直せるとすればどうするかを提示する.まずヒトは進化の産物であることからスタートする.そして進化環境では,家族や見知った人々と繰り返しのやりとりが行われ,赤の他人とは滅多に出会わないことを踏まえる.すると血縁を大事にし,繰り返しの互恵的関係を維持するようないくつかの適応戦略があることが説明できる(第3者罰のような一部の謎は残るが,いずれ適切な実験で解決できるかもしれない).次に発達も考察する.ここから一部の道徳感情は母子関係から派生している可能性が浮かび上がる.
片方で個別の道徳性から議論を組み立てる論者もいるとしてハイトの6次元の道徳の議論も紹介される.ハイトは進化的な視点も踏まえているが,ブルームはこの6次元を並列に扱うことを批判している.進化的に考えれば,まず血縁,次に内集団が赤の他人に対して優先されるはずだからだ.そして赤の他人に対する気遣いは理性によるカテゴリーの拡大による.そしてここで暴走トロッコ問題に戻る.スイッチ設定で多くのヒトが5人より1人の方へのスイッチを押すのは通常帰結主義的だと解される.しかしブルームは「この問題においては(血縁者や仲間ではなく)赤の他人が扱われているので,道徳ではなく抽象的論理の問題いわば数学の問題として処理している.つまりこの反応は赤の他人についての無関心を表している」と解する.そして突き落としバージョンでは「何の理由もなく他人の命を奪うことへの特別な反感」が生得的にあるので決断が異なるのだ.ここもブルームの独自の解釈でなかなか考えさせられるところだ.ただこれについてはクルツバンが赤の他人と兄弟と友人のバージョンを作って比較したところ解答にあまり差は無かったというのを聞いたことがある.興味深いところだろう.


第7章は生得的な道徳感情が現在の私たちの道徳とどうつながるかについて.
私たちには単純な親切行動傾向がある.この善性は単純に利他的で,これを進化では説明できないとする論者もいる*4.しかしもちろんそれは進化と矛盾しない.進化は新奇環境では完全に適応的に働かない.
ブルームはこのような善性を含めた赤の他人への思いやりを含む道徳の形成について説明する.そこへは慣習や文化の学習の影響がある.実際に道徳は変遷してきている.ブルームはこれについて,シンガーの道徳の輪の拡大,ピンカーの暴力の人類史の議論*5を紹介しながら説明している.
そして西洋社会,特にアメリカで道徳を議論するときに避けて通れない問題である宗教が論じられている.道徳は宗教由来である(そして無神論者は無道徳だ)というのはこれまでの論考から間違いだとして,宗教があった方が善行が増えるのか,あるいは残虐行為が増えるのか,結局宗教があった方が得なのかどうかという疑問に対しては(いずれ実証できるとしても現段階では)誰も答えを知らない.これについて唯一わかっている大きな影響は信心深いアメリカ人の方が無神論者のアメリカ人より多くの寄付をするということだそうだ.ブルームは,それはむしろ宗教的帰属感の問題であって,宗教ではなく共同体が重要なのだろうとコメントしている.
またブルームはここで道徳の輪の拡大についても大きいほど良いとは限らないと指摘している.胎児は子供と同等に扱うべきか,そして受精卵はどうなるのか.動物の権利も同じ問題を持つ.そして道徳の進歩に最も貢献してきたのは理性だと主張する.ハイトが理性を単なる後付けの理屈を付与する報道官の地位に貶めたために道徳における理性の役割は流行の議論の中で凋落しているが,熟考し論理的に思考することこそが,世界を善くしてきたのだと.そしてこの論理的思考の基礎には共感から来る公平の感覚が重要だ.ブルームはいかにも発達心理学者らしく人形を公平に分け合うにいたる3歳児の会話を提示して共感と論理的思考から公平な配分が実現する様を示して本書を終えている.


というわけで本書は(書名からはわかりにくいが)ブルームの道徳に関するかなり濃厚な考察が詰まっている書物になっている.記述はトピックごとのブルームの考えが述べられる形で必ずしも体系的に整理がされている訳ではないが,それぞれのトピックについての考察はいろいろ深く,面白い.原書出版は2013年秋で,ジョシュア・グリーンの「モラル・トライブズ」とほぼ同時期になる.同じトピックを異なる角度から眺めていて,グリーン本と合わせて読むと理解も深まるだろう.結論もやや似ているところがある.道徳を考える上での必読本の一つとして,またグリーン本の副読本として強く推薦できる.


関連書籍


原書

Just Babies: The Origins of Good and Evil

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グリーン本.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20151005

モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(上)

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モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(下)

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同原書

Moral Tribes: Emotion, Reason and the Gap Between Us and Them (English Edition)

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ブルームの本 これは本質主義について

喜びはどれほど深い?: 心の根源にあるもの

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同原書 私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20110622

How Pleasure Works: The New Science of Why We Like What We Like

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これは発達心理学にかかる本.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20060306

赤ちゃんはどこまで人間なのか 心の理解の起源

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同原書

Descartes' Baby

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ピンカーの暴力の人類史

暴力の人類史 上

暴力の人類史 上

暴力の人類史 下

暴力の人類史 下


同原書.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20130109 読書ノートはhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20111220から連載している.

The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined

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ハウザーの道徳本.道徳の内容について生得的な道徳文法と環境に合わせた調整からなると説明している.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20070711,読書ノートはhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20070224から

Moral Minds: How Nature Designed Our Universal Sense of Right and Wrong

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ハイトによる道徳本.道徳を二重過程と6次元の軸から説明する.本書でもグリーン本でも意識の役割を報道官とのみあつかったことについて批判されているが,心理学者として理性の役割に踏み込まなかっただけで「理性ではなにもできない」と主張しているわけではないと思う.あるいは異なる道徳を持つ集団間の争いについてはやや相対主義的なスタンスにあるのかもしれない.むしろナイーブグループ淘汰の誤謬の部分が残念な本.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20140622


同原書

The Righteous Mind: Why Good People Are Divided by Politics and Religion

The Righteous Mind: Why Good People Are Divided by Politics and Religion


ボームの狩猟採集社会の平等主義に関する本.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20141228

モラルの起源―道徳、良心、利他行動はどのように進化したのか

モラルの起源―道徳、良心、利他行動はどのように進化したのか


同原書

Moral Origins: The Evolution of Virtue, Altruism, and Shame

Moral Origins: The Evolution of Virtue, Altruism, and Shame


 

*1:邦題は原題をそのまま「ジャスト・ベイビーズ」とはせずに,冠詞なしの単数形「ベイビー」に改変している.なぜこんな奇妙な和製英語にするのだろう?

*2:ここでは共感の話によく登場する「言語獲得,自閉症,社会的行動はすべてミラーニューロンで説明できる」と主張する一時期センセーショナルに取り上げられた脳神経学説を,その後にわかったことから見てかなり誇張されていたことが明らかだと揶揄していて面白い.そもそも至近的なメカニズムですべてを説明できるという主張は,あたかもグールドの言語副産物説のように突然の神経メカニズムで複雑な認知特性が生まれると主張しているようで,そうであれば適応主義的には受け入れがたいところがある.ブルームも当時の騒ぎ振りを苦々しく思っていたのだろう

*3:飴を使った独裁者ゲーム実験では6歳までの幼い子供は利己的にしか配分できない.ブルームはこれは自制心が弱いためで食欲に打ち勝てないのだろうとコメントしている.また公平に関しても,自分が不当に扱われているかどうかに特に敏感で,5,6歳児では代償を払っても相対的に有利な配分を好む傾向があるそうだ.

*4:神によるヒトの特別な創造という議論につながる.代表的な論者として古くはウォレス,最近ではフランシス・コリンズが引かれている

*5:道徳の輪の拡大には,実際の生身の接触,出版などを通じて物語に触れることなどが重要とする.物語の役割についてはその後のポズナーたちの批判,それに対する反論なども紹介されていて面白い.