書評 「進化のからくり」

 

本書は「歌うカタツムリ」で極上の進化生物学物語を届けてくれた千葉聡による講談社ブルーバックスの一冊.書名からは適応進化についての概説書のように見えるが,そうではなく,千葉が出合った様々な研究者(その多くは千葉と同じく島嶼生物や貝類を専門とする)の研究物語を語っていくものだ.
 
第1章はガラパゴスを訪れた千葉によるホテルのテラスの描写から始まる.千葉はグラント夫妻のフィンチの本をそこで読んでいるのだ.そして話はグラント夫妻の研究,ダーウィンの航海と考察そしてフィンチの伝説*1を語り,(グラント夫妻の本に自分の論文が引用されているのを発見し)進化の研究には誰でも参加できるといって本書の幕を上げている.
 
第2章から第4章の前半まで巻き貝の巻き方向のテーマが採り上げられる.ここはうねるように話が進み,大変面白い.
 
第2章は「北斗の拳」の聖帝サウザーの話から始まる.サウザーは内蔵逆位のためケンシロウの北斗神拳の秘孔攻撃がうまく効かない*2のだが,内蔵逆位は何故起こるのか,そしてそもそも生物の左右はどのように決まるのだろうか.1990年にはキラル性を持つ分子がキーになるのではないかというF分子仮説が提唱されるが,分子レベルの研究は進まなかった.またそのころ発生時の観察からマウスやヒトにおいては胚の腹側中央の小さな窪みの繊毛の回転方向で決まることがわかってきた.
ここから話は千葉の専門の巻き貝の巻き方向に展開する.20世紀初頭に巻き方向は母親の単一遺伝子座のメンデル遺伝で決まることが明らかになる.さらに発生において右巻きと左巻きで鏡像関係で進むのではなく,4細胞時のねじれた配置により決まることがわかる.ではその分子的な仕組みは何か.それは最近2016年に(このあと本書でたびたび登場する)アンガス・デビソンによってモノアラガイにおいてLdia2遺伝子により合成されるフォルミン分子の有無(あればデフォルトの右巻きに,なければ左巻きになる)によることが明らかにされる.そしてこのフォルミンはカエルでも(そしておそらくヒトでも)内蔵逆位を引き起こすこともわかってくる.しかし話はそう簡単ではない.淡水左巻きデフォルト種やカタツムリなどの陸貝ではこの遺伝子は巻き方向と関連がないのだ.
 
第3章ではヨーロッパのカタツムリ普通種ヒメリンゴマイマイが登場する.この種は右巻きがデフォルトで左巻きは100万匹に1匹しか見つからない.左巻き個体を入手したデビソンは交配して遺伝子を調べるためには交配相手にそのごく稀な左巻き個体が必要になる.彼はその個体にジェレミーと名前を付け,BBCのラジオ番組に出演してリスナーに「愛と遺伝学のためにジェレミーの相手を探して欲しい」と訴える.この戦術は当たり,デビソンは首尾良く左巻き個体を入手し,交配実験を行うことができた.千葉はここで巻き方向が同じでないと交尾できない巻き貝の場合単一遺伝子の変異で種分化の可能性が生じるという示唆を行っている.
 
第4章では千葉の弟子である三浦収が登場する.三浦はカワニナを研究しており,カワニナはデフォルトは右巻きで,左巻きは成長途中で死んでしまうために幼貝の標本しかない.千葉はこの進化的理由について左巻きになんらかの不利があり,さらに(巻きに応じた捕食をする捕食者などの)低頻度で有利になるような頻度依存的な要因もないためではないかとしている.
ここで千葉はカワニナの研究対象としての面白さを三浦に語らせている.研究者は少なくゲノム研究も遅れているが,軟体動物は発生様式も生息環境も非常に多様であること,貝は化石になりやすく進化史を調べやすいこと,そしてカワニナは特に謎だらけであることがその面白さだというのだ.カワニナの謎とは,まず染色体数や形の多様性が大きく,種間の多様性だけでなく種内にも多様性が見られるのはなぜか,日本においては琵琶湖近辺だけ特に多様性が大きいのはなぜかということになる.

第5章は三浦の研究物語.ここはドラマチックで大変面白い.

  • 三浦は趣味である登山の時にカワニナが気になり,ついでに採集してみると場所ごとに殻の形や表面の彫刻がわずかに違うことに気づく.ミトコンドリアDNA(mtDNA)の塩基配列を読むと隣接する地域でも違いが見られた.さらに全国各地のカワニナを集めてmtDNA塩基配列の系統樹を推定すると非常に奇妙な結果が得られた.系統樹はそれまでの伝統的な分類と全く一致しなかったのだ.
  • 三浦はmtDNA分化が(琵琶湖近辺の急速な種分化に先立って生じた)祖先多型によるものだと考えた.しかし同時期に韓国のカワニナを調べた米国チームは似たような結果を交雑によるものと考え,論文を発表していた.
  • 三浦が韓国のmtDNAを入手して調べてみると日本と韓国のカワニナはごく近縁であることがわかった.このデータを基に祖先多型を主張する論文を書いたが,査読者は核DNAのデータも必要だとして納得せず,論文は日の目を見ることがなかった.
  • さらにオーストラリアの研究チームも日本のカワニナを調べて論文を発表した.彼等は生殖的隔離の有無と形態の違いが対応していない(つまり分類が生殖的隔離を反映できていない)ためだと考えていた.ここで米国チームから共同研究の提案があり,互いのデータを持ち寄って共同で解析することになった.その結果韓国のカワニナは日本からの移住が起源であることがわかった.この結果は共著論文として受理掲載される.
  • しかし肝心の形と種分化をめぐる謎は解けていない.三浦は琵琶湖のカワニナに焦点を絞ってさらに深く調べた.最初4百万年の歴史を持つ琵琶湖で長期間にわたり多様に種分化したカワニナが全国に分散したのではないかと考えたが,共同研究者は今の形の琵琶湖には40万年の歴史しかないと指摘した.ここで三浦は豊富な化石を用いて調べるというアイデアを得る.その解析結果は悪くなかったが,肝心の40万年前以降の化石が少なく,形と種の関係についても疑問なしとしない.ここでオーストラリアの研究チームからカワニナ論文が出る.それは形の違いと系統には関係が薄く,さらにカワニナのmtDNAの特殊な性質からそれを使って系統解析することには問題があるという内容だった.三浦の研究は一旦行き詰まった.
  • 5年たち,三浦はテニュアを得ることができ,またDNA解読技術も進歩した.三浦は第二世代型シークエンサーでカワニナの6000以上の核遺伝子のゲノム解析を行った.その結果琵琶湖のカワニナでは形と遺伝子の系統がほぼ一致することがわかった.琵琶湖のカワニナ15種は2つの種を祖先として40万年前以降に分化したものだったのだ.そして集団規模は40万年前に急拡大していた.新しい琵琶湖の出現とともに多様なニッチが現れてそこで適応放散が生じたのだ.一方それ以外の地方のカワニナは形の分化を起こさずに遺伝子が多様化していた.おそらく同一種のまま各地で隔離により遺伝子の多様化が進んだのだろう.この結果を示した論文はトップジャーナルに掲載された.

 
第6章は千葉と河田雅圭の物語.千葉は性淘汰を簡単に解説し,河田のグッピーの性淘汰,環境変動と遺伝子ネットワークの特性との淘汰的な有利性の関連についての研究を紹介する.そしてそこから日本の生態学と古生物学の黒歴史が語られる.この章の話も大変面白い.

  • 1980年代まで日本の高校生物では進化は教えられず,大学の生物学教授ですら「進化なんてホラ話」と断言するような有様だった.その原因は科学への政治介入,海外動向への無関心,権威主義だ.それは左派によるルイセンコ説の強要*3,今西進化論のもてはやし,ポストモダニズムとの合体による奇怪な進化説,パレオバイオロジー(総合説批判のグールド説)の跳梁跋扈となって現れた.
  • 1980年代ようやく伊藤嘉昭たちによる総合説に基づく正統派進化生態学の巻き返しが始まる.その中で河田雅圭は彗星のように現れた理論派戦士だった.最新の生態学の鎧をまとい,切れ味鋭いロジックの剣で,次々に襲いかかる勇者や魔物たちを容赦なく切り伏せていった.
  • 当時千葉はこの論争に熱中した.当時の千葉は古生物学専攻の学生であり,パレオバイオロジー支持者だった.そして断続平衡などのパレオバイオロジー進化理論を一刀両断する河田にいつか一太刀浴びせねばと思っていた.その後静岡大学で教員の職を得た千葉は同じ大学に属する河田の懐に潜入して相手の弱点をつかんでから攻撃に転じることを思いつき,河田の研究室の一員になる.しかしそこで正統派生態学のリサーチを行ううちにその魅力に取り憑かれ,自身立派な生態学者になってしまう.

ここでは最後に最近の河田のゲノム情報を利用したヒトの進化研究にも触れ,ヒトを研究することの意味にもコメントしている.
 
第7章と第8章は小笠原の世界自然遺産認定とローズマリー・ギレスピーの物語.
この2章は様々な話題が絡みついて深みがある話になっている.一つは島の生物学であり,千葉は小笠原のカタマイマイを,ギレスビーはハワイのクモをリサーチし,共に反復的な適応放散*4を見つける.もう1つは小笠原の世界遺産認定の話.千葉の研究対象であったカタマイマイがバブルの頃の小笠原の空港とリゾート計画に対する環境派の反対のシンボルになり,千葉は推進派から罵声を浴び,いろいろな騒ぎに巻き込まれることになる.しかしその後バブル崩壊と共に空港とリゾートの計画は破綻し,今度は世界遺産認定が地域興しの目玉になる.そして千葉はその生物多様性をユネスコにプレゼンするという大役をこなすことになり,世界遺産登録と共に世界的な生物学者が小笠原を訪れ子どもたちに講演をするようになる.適応放散のリサーチ物語は興味深く,世界遺産登録のドキュメンタリーも楽しい.そして第7章の冒頭と第8章のエンディングは小笠原に招かれたギレスビーの講演内容が組み込まれて円環のように語られるという凝った構成になっている.
 
第9章はアンガス・デビソンの物語.アンガスは英国で学んだ遺伝学専門のポスドクとして千葉の研究室の一員となる.千葉は華奢でオシャレな英国紳士風の若者がやってくるのだろうと勝手に想像していたが,実際に来たのはフィールド大好きのタフガイだった.アンガスのモットーは「誰も調べていないのなら,調べなければならない」というものだった.千葉がアンガスに引きずられるように小笠原の人跡未踏のフィールドに突っ込んでいき,ついにヒトの手が全く入っていないカタマイマイの楽園を見つける様子は抱腹絶倒だ.
 
第10章と第11章は第5章で登場した三浦収の若き日の物語.初めて千葉の研究室に現れた三浦は空手部主将で「北斗の拳」のサウザーみたいだった.美しい海の生き物が大好きでその研究がしたいという三浦に千葉は干潟のホソウミニナの種分化というテーマを与える.当時千葉はホソウミニナの個体変異が大きいことから干潟の中のミクロな環境の違いに基づく局所的適応が生じており,種分化の途中であるかもしれないと考えていた.最初に泥沼のようなフィールドに連れて行き,地味なウミニナを見せたときに三浦は明らかに落胆しているようだった.三浦の研究は進まず,ある日突然彼はインドに4ヶ月行くといいだした.研究室としてプロジェクトの成就を考えるべき千葉は悩むが,言いだしたらそれまでという雰囲気に押され了承する.その4ヶ月の間には三浦がプロジェクトのためのコマにされていると感じていたかもしれないと思いをめぐらす.しかし帰ってきた三浦は吹っ切れたように研究を進め,成果を積み上げる.そしてホソウミニナに2タイプあること,生息場所が干潟の陸に近い場所と海に近い場所に分かれていることを突きとめる.千葉はプロジェクトオーナーの立場を三浦に渡し,自分はガンジス河に救われたのだと感じることになる.
 
三浦は博士課程に進み,ホソウミニナのプロジェクトを進める.mtDNAでは2タイプに差が無かったが,千葉は進化速度の速いマイクロサテライト遺伝子で差が確認できれば種分化が生じつつあるとして論文を書けるだろうと考えた.しかし三浦はまだその前に調べることがあると遺伝子解析に進まない.千葉はスポンサーの立場から介入しようかと考える.三浦はまず海側の大型タイプで交尾が観察されないことを不審に思っていた.そしてカリフォルニアのホソウミニナ研究チームとの交流をヒントに,もしかしたらこの大型タイプは寄生虫感染の結果*5ではないかと考え,解剖により寄生虫を見つけ出す.さらにその寄生虫(二生吸虫)には何種類もあり,ホストをめぐる吸虫同士の競争が激しく,レジア幼生の段階で兵隊レジアカーストを作ることも見つけた.さらにカリフォルニアと日本のホソウミニナの関係*6も調べ上げる.彼のプロジェクトはパラサイトによるホスト操作,クローン間のカースト分化,移入と天敵のリサーチとして見事に成就する.第11章の最後はオチが効いていてとても面白い.
 
第12章でテーマはまたカタツムリの巻き方向に戻り,ユーハドラ属のカタツムリの巻き方向による種分化と平野尚浩の物語が語られる.
ユーハドラ属は日本全体で25種.この中に左巻きが(ヒダリマキマイマイなど)5種含まれ,東北から中部にかけて分布する.物語は2002年にアンガスがヒダリマキマイマイそっくりの右巻きのカタツムリを見つけたことから始まる.この右巻き個体のmtDNAはその地域のヒダリマキマイマイのものと一致した.そしてヒダリマキマイマイ全体では地域によって遺伝的な分化を示し,各地のヒダリマキマイマイは他地域のヒダリマキマイマイより隣接地域に住む右巻きのアオモリマイマイ(巻き方向だけでなく殻の模様や形もヒダリマキマイマイと少し異なる)に近かった.ヒダリマキマイマイとアオモリマイマイはモザイク状に隣接して分布していたが,一部では共存していた.アンガスはヒダリマキマイマイから1遺伝子座の突然変異により(互いに交尾不可能な)右巻き個体群が生じて分化するということが繰り返し生じたのではないかと主張した.しかし千葉は慎重だった.自分自身の目撃経験もあり,ユーハドラ属では右巻き個体と左巻き個体も交尾可能ではないかと考えていたからだ.アンガスはこの目撃証言を信じ,交雑により隣接地帯の両種の遺伝子型が近くなっているのだと納得した.
しかしその後ユーハドラ属のカタツムリについて1遺伝子座の突然変異による種分化を主張する論文が発表される.千葉とアンガスは交雑を主張する論文を発表して対抗するが,あまり注目を浴びることはなかった.1遺伝子座の突然変異による種分化という「美しい理論」を葬るには左巻き個体と右巻き個体が交尾可能であることの決定的な証拠が必要なのだ.
ここで平野が登場する.平野は小中学生の頃から陸貝フリークとして地元(大阪)では有名だった.いくつかの経緯ののち千葉の研究室に進学し,陸貝の研究を始める.彼は陸貝について豊富な知識とスキルを併せ持っていた.そして上述の証拠を求めた千葉の飯盛山の巻き方向の異なるヒダリマキマイマイ個体の採集に同行し,早速見つけ出す.これで交尾実験が可能になったと考え,平野にその話を説明すると,平野は「右巻きと左巻きのユーハドラの交尾写真なら見たことがありますよ」と凄いことを口にする.それは阪神貝類談話会の機関誌に掲載されたものだった.平野は貝類愛好家の広い人脈を利用して過去の目撃情報を集める.千葉はさらに実験室での交尾も成功させ,遺伝的な交流もRAD-seq解析で確かめて論文を書くことができた.千葉はプロの研究者集団とアマチュアの愛好家集団の交流の大切さについてコメントしている.
 
第13章の舞台はガラパゴスに戻る.ガラパゴスで地域の子どもに島のカタツムリの講演をして欲しいという依頼を受けて千葉はガラパゴスに渡る.英語があまり聞き取れない子もいるという話を聞いて不安になるが,ドラゴンボールのピッコロ大魔王(ナメック星人は雌雄同体なのだ)の助けを借りて講演はうまくいく.またここでは一緒に講演したアイダホ大学のクリスティン・パレントのガラパゴスのカタツムリの研究(天敵ガラパゴスマネシツグミの与える淘汰圧と適応放散)を紹介している.また平野も登場して陸貝についての知識とスキルを活かしてここで活躍する様子が描かれている.ガラパゴスで始まった本書はガラパゴスで締めくくられる.千葉は最後に「君もダーウィンになってみないか」と進化学の魅力に読者を誘って本書を終えている.
 
「歌うカタツムリ」が長編とするなら本書は短編集ということになるだろう.千葉は確かにストリーテラーとしての才能を持っている.語り口の巧みさは前著と同様素晴らしく,読み出したら止まらないとても楽しい本に仕上がっている.

 
関連書籍


千葉の前著.素晴らしい物語.私の書評はhttps://shorebird.hatenablog.com/entry/20170719/1500417023
 

 
千葉がガラパゴスで読んだダーウィンフィンチの本
 

 
日本の生態学界がイデオロギーに染まり,ルイセンコと今西進化論が跳梁跋扈する様子については最近出たこの本が詳しい.私の書評はhttps://shorebird.hatenablog.com/entry/2020/01/23/223419
 
利己的遺伝子の小革命:1970-90年代 日本生態学事情

利己的遺伝子の小革命:1970-90年代 日本生態学事情

  • 作者:岸 由二
  • 発売日: 2019/11/09
  • メディア: 単行本



 

*1:ダーウィンに適応や種分化のヒントを与えた鳥がいたとするならそれはフィンチではなくマネシツグミ(モッキンバード)だと力説している.確かに種の起源の第12章地理的変異においてガラパゴスの生物相を説明するために登場するのはフィンチではなくマネシツグミだ.なお千葉は以降のダーウィンの研究において重要だったのはミミズとハトとフジツボだと書いているが,ミミズは最晩年に漸進的変化の力を示すために扱ったもので,進化や自然淘汰の考察においてはランをはじめとする植物の方が重要だっただろう

*2:私は北斗の拳を直接読んでいないのでよくわからないのだが,Wikipediaによると単純な左右逆ではなく,秘孔が左右表裏逆にあるということのようだ

*3:古生物学界のプレートテクトニクスへの拒否もそれが親米的だという理由だったと指摘している

*4:このような反復的な適応放散が見つかっているのは小笠原のカタマイマイ,ハワイのクモ,そして西インド諸島のアノールトカゲだけなのだそうだ

*5:吸虫のホスト操作により,生殖機能を阻害されて大型になり,中間宿主に喰われやすくなるように海側に移動すると考えられる

*6:宮城県から養殖牡蠣の輸出と共にカリフォルニアに渡ったらしい.そこでは吸虫の生活環が回らずに爆発的に増えたようだ